(2011年4月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第165号より)




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中国、MBA取得住職のもとで 進む少林寺の商業化



河南省にある少林寺は1500年の歴史をもち、信徒のほかに多くの観光客が訪れる。拳法のパフォーマンスを行ったり、少林寺ブランドの布靴やノートを販売しており、入場料だけで年間1億5000万元(19億円)あるという。また、インターネットで少林寺の秘伝書も販売している。

商業化を進めている釈永信住職は1965年生まれ。中国でMBA(経営学修士号)を取得した初の僧侶として注目を浴びている。81年に入門した当初、少林寺は衣食住にもこと欠くほど困窮していたという。貧困からの脱出が釈住職の最初の課題だった。

商業化の動きに「金儲け主義」といった批判も多いが、釈住職は少林寺の将来のために商業化のペースを緩めることはできないと言う。

少林寺の運営には政府も関与している。たとえば入場料は政府が決め、その7割を徴収していく。お寺は誰もが自由に参拝できる所だと考える釈住職は「10年以内に入場料を無料にしたい」と語っている。

(森若裕子/参照:商界、海陽之窓)