(33歳/女性)
うつ病になる人はまじめな人が多い。いろいろと物事を考え過ぎてしまうんやろうね。普通なら深く考えないような何でもないことも気になって、だんだんとうつ状態になっていくんやと思うわ。自分も20代の時に、昔でいうノイローゼ状態になったことがある。その時もいろいろなことを考え過ぎていた気がするわ。幸い原因が睡眠不足だったので、周りの人の協力を得て処方された睡眠薬を飲みながら治したんやけどね。
この相談には何が原因で会社でのいじめにあったのかが書かれていないけど、上司や同僚が原因だったにしろ、あなた自身が原因だったにしろ、もっと気を大きく、強く持った方がええと思うよ。
昔、自分が37~38歳の時に勤めていた職場に一人ボス的な存在の同僚がいて、みんなから怖がられててん。ある日一人の同僚がふと口にした「ライオンや狼じゃあるまいし、何が怖いの? ただの人間じゃないの」という言葉を聞いて、「ああ、そうか。そうやなあ」と考えが大きく変わったわ。20年経ってもこの同僚の言葉がやけに心に残っていて、人生の中でもすごくいい言葉をもらったと思う。あなたの会社の人だってたかが人間じゃないですか。怖いことなんて何もないよ。
あなたに二つ提案があるんやけど。
一つはもしこれから会社に復帰してまたいじめられるようなことがあった場合。いじめられた相手にも必ずいいところがあるはずで、一度その部分を探して見てみるのはどうですか?
というのも人間って、「いじめている相手が過剰に怖がると、余計におもしろがっていじめてしまう」そういう不思議な心理があるから。相手の見方を変えるだけで、「会社でいじめられたらどうしよう」とそのことしか考えないようになってしまっているあなたの出す”気“もガラっと変わると思うねんな。
もう一つは近いうちに思いきって、気分転換に旅行にでも行ったらどうでしょう。旅先ではなるべく大きくて広い場所を探して、沈む夕日を見たり山に登ったり。雄大で美しい景色を見たら、「なんだ。人間ってちっぽけなもんだなあ」って心が変わるかもしれへん。もっともっと心を伸び伸びとさせて、気を大きく持ってほしいねんな。
(大阪/E)
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