昨年10月、河北大学の構内で22歳の青年が酒気帯び運転のあげくに女子学生二人をはね、一人は死亡、一人は重傷という事故を起こした。
二人をはねた後、高スピードで走り去り、何事もなかったかのように女友達を迎えに行ったという。警察に取り押さえられた際、「俺の親父の名は李鋼だ」と言い放ったことが、インターネットを通じて事件を全国に知らしめる結果となった。
ネット上で青年の言葉に非難と嘲笑が集中し、それが瞬く間に流行語となった。
「規則を守れ。君の親は李鋼じゃないんだから」といったバリエーション、さらに同名の歌までつくられ、ネット上で人気を博している。河北大学は目撃者に対して緘口令をしいているので、真相は明らかにされていない。“李鋼”とは地元警察の幹部である。世論に抗しきれず、公の場で謝罪し、辞表を提出したという。
最近、刑期6年の判決がおりた。李家から被害者側に多額の賠償が行われたことなどが考慮され、軽い刑期となった。
(森若裕子/参照:中国青年報、中国経済網、北京晨報)
(2011年6月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第168号より)