中国、広東省で治安当局への不満爆発、暴動に [世界短信]

広東省で「民工」と呼ばれる出稼ぎ農民による暴動が起きた。きっかけは違法に露店を営んでいた四川省出身の妊婦が、地元の治安当局に身柄を拘束されたことだ。

この事件で、日頃から治安当局に不満をもつ「民工」の怒りが爆発し、警察機関などを襲撃した。当局は警察や軍隊を5000人以上動員し、3日後に事態は鎮静した。

治安当局の要員は、日常的に露天商などに対し「保護費」という名で場所代を請求し、払わないと暴力をふるっていた。妊婦も支払いを拒否したため拘束されたといわれている。

「保護費」の額も「民工」は地元民より多く徴収され、不平等な扱いに対する不満も鬱積していた。

暴動の起きた地域はジーンズ産業で有名だが、工場労働者のほとんどは「民工」だ。地元民は家を貸したり小さな商売を営むだけで十分な収入が得られ、工場で働く必要はないという。

広東省の高官は「社会管理」をテーマにドイツを視察中であり、治安当局の主任は家族と共に姿をくらました。

(森若裕子/参照:亜洲週刊、中国日報)

(2011年8月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第172号より)