ホームレスが路上で販売する雑誌、「ビッグイシュー日本版」。
毎月1日、15日に発売される雑誌の販売者は、全国で124人(2016年12月末現在)。
その販売者を裏で支える「販売サポート」の仕事の現場の様子を、先日ご紹介しました。
(「日々の小さな変化の積み重ねのうえに、その人の幸せがある」と感じられる仕事)
今回は、大阪事務所のインターンとして、その販売サポートの業務に2年間従事してきたしてきた、関西外国語大学4年生の坂井さんに、インターンに応募した動機や、大阪事務所の様子などについてインタビューをしました。
(この3月でインターンを卒業する坂井さん。)
Q:ビッグイシューのインターンになったいきさつを教えてください。
東日本大震災以降、東北復興支援のボランティアの機会が何度かあり、その活動のなかで「ソーシャルビジネス」「社会的企業」といった活動に興味を持ったんです。
その流れで、大学2年の秋ごろに大阪の認定NPO法人「Homedoor」さんの講演を聴きに行き、そこでホームレス問題の重要性を知ったんですね。
時を同じくして、大学のボランティアサークルの先輩が「おもしろい雑誌あるで」と紹介してくれていたことと、関西外国語大の最寄り駅の枚方駅に販売者さんがいたこともあり、さっそくビッグイシューの読者になりました。
ビッグイシューを読んですぐに、こういう活動の社会貢献もあるんだ、ビッグイシューっていろんな活動をしているんだ…ということを知ってどんどん興味が深まり、なんとか関わりたいな…と思っていたんです。
すると大学2年の終わりに、ビッグイシューの大阪事務所で大学生インターン募集であることを知りまして。
「これはめったにないチャンス!急がねば!」と早速応募しました。
きっと狭き門で、僕なんか採用してもらえないよな…と自信なく応募したんですが、事務所に行ってみると「来れるときから来てくださいね~」とさっくり採用になりまして。(笑)
拍子抜けするやら感動するやらでした。
Q:インターンとしての仕事はどんなものでしたか?
週に2回程度、学校が終わってからと週末で大阪事務所に出社して、「販売サポートスタッフ」の補助をしていました。
インターン初日はまず、それぞれの販売者さんのもとを訪ねる「巡回」に同行したことを覚えています。まだ春になっていない時期だったので、「寒っ!!…こんな寒いなか、販売者さんは立ち続けるんだ…」という販売者さんの苦労を痛感しました。
その後も、時々巡回に同行していましたが、いろいろな地域でいろいろなスタイルで販売している販売者さんとお話するのはとても興味深く、楽しい時間でした。
巡回以外の販売サポートの重要な仕事は、「仕入れ対応」です。
ビッグイシューの販売者さんは、会社が決めた部数を売るのではなく、それぞれ手持ちのお金と、売れ行きの予想を自分で立てて、自分の決めたタイミングで仕入れに来られます。
販売者さんへの仕入れ対応は毎日、朝・昼・夕の3回あるので、主に週末に仕入れ対応のシフトに入っていました。
販売サポートスタッフの方と同様に、他のスタッフやインターンが書いた日報を読んで販売者さんたちの様子を把握して、仕入れの対応をします。
空いた時間で、販売促進のポスターを作ったりするお手伝いや、そのとき必要となる仕事を適宜していました。
Q:ビッグイシューのインターンについて、想像していたことと違うことはありましたか?
ビッグイシューのインターンはとにかく自由。
僕、他の企業のインターンもしたことあるんですけど、それと比べるとビッグイシューのインターンは相当「自由」でした。
雑誌の硬派なイメージからすると、もっとカッチリきっちりしているのかと思ったら、そんなことはなく、自分で決める裁量がすごく大きくて。
いろんなことを想像以上に任せてもらえたことは意外であり、自分としてもかなり楽しんでやってこれたと思います。
特に楽しんでいたのはクリスマスパーティなどのイベントですね。
インターンやほかの販売者さん・スタッフさんとわいわい企画したり準備したりするのがすごく楽しかったです。2年連続司会もやらせてもらったりして。
「ホームレスのクリスマスパーティ」ってなんやねん、そんなん来る人いるんかな…と思っていたら想像以上に盛況で。ビッグイシューがこれまでやってきた活動の威力を感じられましたね。
- 働きたい仕事を作った 和える/矢島理佳
- 社会の闇から逃げない TEDIC/門馬優
- 小さい故郷愛に目覚めて トラ男/武田昌大
- ネットワークを生かした e-Education/税所篤快
- 時間を共有できるツアー リディラバ/阿部敏樹
- ずっとプレイヤーでいたい 食べる政治/増沢諒
- ビュッフェレストラン「六丁目農園」
- 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
- 「わははネット」
上記の方々にインタビューをしています。(
自分の興味に合わせて、販売者さんに「こんな号ある?」って聞いてみてもらえたらと思います。
*3冊以上であれば、バックナンバーの通信販売も行っております。