ビッグイシューでのインターンは「多くのチャレンジに恵まれた」。グローバルな問題にもつながる発見とは?

ホームレスが路上で販売する雑誌、「ビッグイシュー日本版」。

毎月1日、15日に発売される雑誌の販売者は、全国で約120人(2018年12月現在)。
その販売者たちのサポートは、ビッグイシュースタッフのほか、大学生をはじめとしたインターンによっても支えられています。

今回は、大阪事務所で働くインターンの佐合さん(神戸市外国語大学・英米学科3年生)に、応募に至った経緯や仕事を振り返って感じたことをお話してもらいました。


インターン佐合さん1
インターンの佐合さん

Q:なぜ、ビッグイシューでインターンを?

ビッグイシューを知ったきっかけは、中学・高校と通っていたミッションスクールの牧師さんからの紹介です。

学校では国内外の社会問題について話されることも多く、興味を持っていたところに、雑誌『ビッグイシュー日本版』を購入することで180円が販売者さんの収入になるということを知りました。そこで高校2年生の時、大阪の販売場所へ向かい、購入するようになったんです。

大学へ進学後はケニアのNGOでのボランティア活動やイギリスへの留学などを経験しました。そして卒業論文の執筆を控え、「社会的企業でのボランティア経験」をテーマにしようと考えていた折、ふとビッグイシューの存在を思い出して…。

一方的に与えるのではない、当事者の立ち上がる力の回復を目的とした支援に共感を覚えていたのもあり、ビッグイシューの取り組みに改めて強く惹かれました。ちょうどインターンの募集記事が出ていたので応募したところ、採用が決まりました。

Q:インターンでどのような仕事をしましたか?

インターンの主な仕事は「仕入れ対応」と「巡回」です。仕入れは販売者さんがご自身のペースに合わせて行っています。(※)インターンがお手伝いするのは、事務所での雑誌の受け渡しや販売状況のヒアリングなどですね。
巡回では各地の販売場所を訪ねながら、商品の補充に応じたりします。

※ビッグイシューの販売者は、自分の好きなタイミングで売れると思う号を売れると思う冊数判断して仕入れる。一日に複数回仕入れる販売者もいる。

はじめは緊張もありましたが、ビッグイシューのスタッフやインターンの先輩、販売者のみなさんの助けもあり、スムーズに溶け込めました。仕事自体も早い段階で覚えることができ、新しいことを次々と任せてもらっています。「Instagram」の公式アカウントの運用もそのひとつですね。巡回の機会を活かして、販売者のみなさんのお顔や販売の様子をお伝えできたらと思って試行錯誤しています。

ビッグイシューインスタ
ビッグイシュー公式インスタグラムより

大変だったのは、夏場の外回りでしょうか。販売者さんの熱中症対策にドリンクを抱えての移動になるため、体力面がかなり鍛えられました。補充のための雑誌の在庫と合わせると相当重たい荷物になるのですが…販売者のみなさんの苦労を実感できました。


インターン佐合さん2
事務所での仕事の様子

また、昨年末に200人近くが参加した「

Q:インターンをしてみて変化したことはありますか?

「ホームレス問題の背景の複雑さ」にはいつも驚かされています。私もインターンを経験する前は、ホームレス状態の人たちをどこか一括りに見ていたような部分がありました。でも、ビッグイシューではこんな話をよく耳にします。

「ホームレスとはその人自身を表す言葉ではなく、あくまで一時的な状態に過ぎない。」

当事者や支援者など様々な立場の方との出会いを通じて、この意味をリアルに感じられるようになりました。

もうひとつの大きな変化は、人と向き合う力が養われたことですね。「Instagram」での情報発信のため、販売者のみなさんから色々なお話を伺う機会があります。会話が弾みついつい長話になりがちですが、ユニークな視点をお持ちの方が多いので、いつも楽しみながら聞かせてもらっています。

Q:インターンへの応募を検討されている方へ、メッセージをお願いします。

「ビッグイシューで働いてよかった!」と思うのは、チャレンジの機会に恵まれている点です。「何かしてみたい」という意思があれば、どんなことでも伝えてみてください。事業の幅が広いので実現できるチャンスは多いはずです。(※)

国際協力に関心の高い人にも、ビッグイシューのインターンはオススメです。自身の経験から、社会的な課題の本質に地域差はそれほどないと感じています。根本にあるのは、人と人の間に困りごとがあって、話し合いで改善できる余地は多いということ。身近な問題に目を向けるところから、意外な発見が生まれるかもしれません。

支援する側もされる側も、それぞれに立場や事情は異なりますが、お互い同じ人間です。私も販売者のみなさんに悩みを相談する時もあります。励ましてもらいながら、「人生、大体のことは何とかなるんや!」という気持ちになり、前に向かう強さを与えてくれる場所。ここでしか分からないことがたくさんあります。興味を持たれた方はぜひご応募してみてください。

※これまでのインターンのチャレンジ例

・広報/PR(チラシ・ポップ・SNSほか)
・調査・研究サポート
・スポーツイベントの企画・運営(サッカー等)
・イベント企画・運営・司会
・通訳
・オンライン編集部の記事原稿執筆
・調理アシスタント
・大学等教育機関への出張講義アシスタント
・住宅のサポート

インターンの特典(大阪の場合)
・ビッグイシュー・オンライン共同編集長によるライティング講座の無料受講
・ビッグイシュー・オンライン監修担当による翻訳教室の割引受講


▼インターン募集要項

https://www.bigissue.jp/2017/11/505/

「販売サポート」の仕事内容については、下記の記事にも詳しく書かれています。