ビッグイシュー日本版255号から、読みどころをピックアップしてお届けします。
ロックスター兼写真家、ブライアン・アダムス。負傷した退役軍人の姿を記録する理由
本日ご紹介するのは、海外から届いた「英国 負傷した退役軍人たちの今」。ロックスターとして知られるブライアン・アダムスさんの「写真家」としての側面に迫った記事です。
この活動に使命を感じたのは、元々イラク戦争には断固反対だったからだ。手や足を失って戻って来る人たちを見かけるようになって、何か言葉を発せずにはいられなくなった。
(中略)
私は、写真とは、人生において忘れてはならないある特定の時間を記録するものだと思っている。そして、戦争がもたらす悲惨な結末やその反動が何であるかを決して忘れてはならないんだ。
(ブライアン・アダムス)
彼は写真とともに、退役軍人たちの人生を切り取ります。最初に紹介されているのは、アフガニスタンでロケット弾の直撃を受けたのち、北極大陸の探検に挑んだヴァン・ガスさん。
北極探検に挑戦したのは、精神的・肉体的に自分にできることを知りたかったからです。片方の腕をなくしたからといって、自分がやりたいことがまったくできなくなるわけではありません。私にとって北極探検は一生の夢でした。
(中略)
私の存在が他の負傷兵たちの刺激となって、ごく当たり前のことでもいいですから、自分の足で立つ、店まで歩くといった、次のステップに踏み出す気になってもらえることを願っています。
ヴァン・ガスさんの他にも、「ママのロボット足はかなり奇抜だと思っている節があって、友達に見せびらかしたりします。私のことを誇りに思ってくれていればいいのですが」と語る義足のハンナ・キャンベルさん、両足を失いつつもチャリティ団体を立ち上げたリック・クレメントさん、大規模な火傷を負うも、手術を経てマラソン大会への挑戦を果たしたカール・ハイネットさんが紹介されています。
負傷兵という話題は遠い国の話のようですが、戦争の悲惨さと、人間の可能性を感じさせる記事となっています。ぜひ手にとってご一読くださいませ。
なお、NBCニュースのウェブサイトには、ブライアン・アダムス氏の作品が7点掲載されています。こちらも合わせてぜひごらんください。
255号では他にも、キーラ・ナイトレイさんのスペシャルインタビュー、特集「"装う"私と社会」東田直樹さんの「自閉症の僕が生きていく風景」、ホームレス人生相談などなどのコンテンツが掲載されております。ぜひ路上にてお買い求めください!
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ビッグイシューについて
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ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。