こんにちは、編集長のイケダです。
先日実施した読者アンケートでは、「ビッグイシューは立ち読みができないので買うのを躊躇してしまう」という声をいくつかいただきました。そんな声にお答えして、オンライン版限定で、現在発売中の最新号の「読みどころ」を勝手気ままにピックアップするコーナーを始めたいと思います。
「レイブル」を知っていますか?
独断と偏見で選ぶ、2月1日発売の第208号の読みどころは、ずばり「レイブル」というキーワードでしょう。みなさんはこのことば、知ってましたか?
「レイブル」とは、「レイトブルーマー」、すなわち「遅咲きの若者たち」、もっといえば「ニートのなかで働く意志を持ち行動を起こしている若者たち」を指すことば。大阪のNPO法人スマイルスタイルが彼らの取り組みのなかで提唱している概念です。
第208号で主に紹介されているのは、スマイルスタイルが実施する「大阪レイブル超就活」について。「大阪レイブル超就活」は、大阪府内の一般企業・介護事業所と連携し、1ヶ月間のインターンシップを経て、就労をねらう支援プログラムです。
昨年7月に始まった本プログラム、25人が一般企業での職業体験にトライした結果、現場での働きが認められ、正式採用に至るケースも生まれています。
誌面では受け入れ先企業2社のインタビューも掲載されており、いわく「人材採用という側面はもちろん、社員教育や職場風土の見直しにつながる良い機会になっている」とのこと。企業側にも「レイブル」のインターン受け入れはメリットがあるわけですね。
特に印象的なのは、スマイルスタイル代表の塩山さんのことば。
就労も通学もしていないニートは、一般には働く意志のない「怠け者」と思われがち。だが、実際は「ニート状態にあっても、働きたいという意欲をもち、就職活動に向けた行動を起こしている人が少なくない」と塩山さん。
十把一絡げに「ニート=怠け者」というレッテルを貼るのは違う、ということなのでしょう。「自己責任」ということばで排除するのではなく、社会・会社側が一定の責任を引き取り、彼らを包摂する努力をすべきだと感じました。
本誌では紹介されていませんが、同じく若者の就労支援に取り組む東京都のNPO「育て上げネット」代表、工藤啓さんが書籍「大卒だって無職になる」で書かれていた主張を思い出しました。208号の特集に関心がある方は、こちらの書籍もおすすめですよ。
残念ながら、まだまだ若者を支える活動への世間の風当たりは強い。つまずき、傷つき、立ち止まってしまっている若者に突きつけられる「自己責任論」、いまだ根強い「気合いと根性」の言葉。
でも、もうそんなことを言っている時間はないし、彼らを支援することは社会が前進することなのは間違いないのだから、「支援しない」「放置する」という選択肢を選ぶようなことは、とてももったいないことなのだ。
特集「若者就労支援の最前線」ではスマイルスタイルだけではなく、静岡のNPO法人「青少年就労支援ネットワーク静岡」の取り組みも詳しく紹介されています。
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