ホームレスが路上で販売する雑誌、「ビッグイシュー日本版」。
毎月1日、15日に発売される雑誌の販売者は、全国で124人(2016年12月末現在)。
その販売者を裏で支える「販売サポート」の仕事の現場の様子を、先日「日々の小さな変化の積み重ねのうえに、その人の幸せがある」と感じられる仕事」という記事で紹介しましたが、さらにその販売サポートスタッフを支えている大学生インターンを紹介します。

今回は、11月から東京事務所でインターンを始めた東洋大学・社会学部2年の原田さんに、インターンに応募した動機や職場の雰囲気などについてインタビューをしました。

image1(ポートレート)
 インターンの原田さん。 



Q:ビッグイシューのインターンになったいきさつを教えてください。

社会学に興味を持ち始めていたときに、必修の社会調査の授業がありました。そのテーマ探しをしていた時に、同じ大学の友人が「ビッグイシューって知ってる?」って紹介してくれたのがきっかけです。

「ホームレスが販売する雑誌で、チャリティではなくて自立を応援する事業なんだよ」という説明をしてもらったときに、大学受験のときに水道橋に雑誌を持って立っていた人や、当時のアルバイトの通勤途中に見かけていた人はこれだったのか!とわかり、ハッとしました。

さらに詳しく聞いていくうえで、会社員並みに毎日決まった時間に出勤(?)したり、お手紙を挟みこんだりする人、常連さんがついている方もいると聞き、プロ意識を持ってやっている人もいるんだ!とビックリしたんです。

そこでまずは、大学で作ったグループ4人で、ビッグイシューに調査をさせてもらえませんか?と問い合わせをしたんです。そうしたら、「実際に販売者に話を聞いてみたいなら、ボランティアはいかがですか?」と誘われて、事務所にお邪魔することになったんです。

初めて事務所に訪れた時に、「ここは理想的!」と直感。
「地に足の着いた職場」だと感じた

初めて事務所に訪れた時に、「あ、私、ここが好きだ!理想的だ!」って直感したんです。
私は「人や生活が地に足がついている」感じが大好きなんですが、ビッグイシューは、浮ついていなくて、人があたたかくて。
特に食べかけのおやつが置いているような感じ(?)がツボにはまってしまって、ひとめぼれでした。

image4(仕入)
原田さんが「地に足がついている」と形容する事務所の様子。

そうして、ボランティアをしているうちに、スタッフの方とも仲良くなってきて、インターンやってみる?と誘われて、20歳になるのを待って、2つやっていたアルバイトを一つ辞めて、晴れてインターンになりました。

ちなみに私を紹介してくれた友人は、ビッグイシュー基金の自立応援プログラムで、英会話の講師ボランティアをしたと言っていました。

Q:インターンとしての仕事はどんなものですか?

週に2回、13:30から19:00まで東京事務所に出社して、「販売サポートスタッフ」のサポートをしています。

販売者さんへの仕入れは一日3回あり、そのうちの2回目の途中(※大学の授業があるため)からお手伝いをしています。
販売サポートスタッフの方と同様に、他の販売サポートスタッフが書いた日報を読んで販売者さんたちの様子を把握して、仕入れの対応をします。

それが終わると、全国各地の販売サポーターに送る雑誌の対応をしたり、販売促進のポスターや、新人販売者さんへお渡しするグッズのセットを作ったりするお手伝いや、そのとき必要となる仕事を適宜することになります。

image3-2(新人セット)
新人販売者グッズをセットする原田さん。

最近は慣れてきたので、「茶紙通信」という社内通信の作成も任されるようになり、試行錯誤しながらですが、販売者さん向けのスタッフ紹介などの原稿を書かせてもらっています。

そして夜の仕入れのお手伝いが終わると、日報を書いて終わりです。

やはり一日の中で一番楽しいと思うのは、仕入れ対応の時に販売者さんたちとお話することです。
販売者の皆さんから見たら、ハタチの小娘だからだと思うのですが、皆さんとても優しくて、笑いながら、何かと私のサポートをしてくれます。販売サポートなのにサポートされてしまっています(笑)
仕入れでしょっちゅうお会いするので、今日は元気がないな、とか鼻声だったら大丈夫かな?と心配したりするんですが、そういうことがちょうど求められている職場のようで、とてもやりがいがあります。

ビッグイシューの職場は、天国のよう。
みんな優しくてストレスがない。

他のアルバイトもいくつか経験したことがあるのですが、ビッグイシューのスタッフはみんな、お互いが働きやすいように、リラックスして仕事ができるように…という優しさがあると思います。
ストレスがまったくなくて。ビッグイシューの事務所に来ると、「いい気持ち」なんです。こんなところ、あまりないんじゃないでしょうか。(笑)

大学の授業でも、ビッグイシューで実際に自分の目で見て感じたことをまとめて発表したり、さらに沸いた疑問をもとにいろいろ調べたりして、毎日とても充実しています。

Q:インターンをして、ホームレスである販売者のイメージは変わりましたか?

インターンをする前に見た、「陰日向に咲く」という映画に出てくる西田敏行さんが演じるちょっと汚い恰好をしたホームレスの「モーゼ」が、私の持っていたホームレスのイメージでした。それは、「仙人」みたいなイメージです。
でも、だからといって怖いとかいう気持ちはなくて、好奇心が強いので「話してみたい」とは思っていたんです。

そしてインターンをするなかで、販売者の皆さんとお話する頻度が高くなった分、販売者の方が身近に感じられるようになりました。みなさん、私のような小娘がこう言うのは変かもしれませんが、とてもチャーミングで、人として魅力がある人が多いんです。

ちょっと話したことをしっかり覚えていてくれたり、人を喜ばせるサプライズをしたり。
あたたかい人が多いです。

本当によい職場だと思います。「人が好き」な人にはとてもおススメです。
一緒に、販売者の皆さんをサポートしていきましょう!

ビッグイシュー日本は、東京・大阪事務所ともに「販売サポート」のインターンを募集しています。

募集概要

(1)業務内容:
販売サポートスタッフのサポート
(販売者さんの販売場所への巡回や販売応援、スタッフと販売者さんのサポートを一緒に考え一緒にサポートしてもらいます、その他販売サポートに関する事務作業など)
(2)募集人員: 2名(20歳以上)
(3)勤務期間: 3-6ヶ月間(年度末終了などの期間応相談)
(4)勤務条件:週15時間以上(東京事務所は平日のみ)
(5)勤務地: ビッグイシュー日本 大阪事務所または東京事務所
大阪事務所:大阪市北区堂島2-3-2 堂北ビル401
東京事務所:東京都新宿区住吉町8番5号 シンカイビル201号室
(6)手当: 交通費全額支給(上限 往復1500円、定期区間外に限る)、保険に加入していただきます
(7)応募方法: 以下の内容をメールにてお送りください。一週間以内に、担当より折り返しご連絡申し上げます。
①お名前、ご住所、電話番号、メールアドレス、所属
②履歴書(写真不要):本人希望記入欄などに、勤務可能な曜日と時間帯をご記入ください。
※ExcelまたはWordのファイルを添付してください。
③作文:ビッグイシューインターンに応募した「志望動機」やビッグイシューでやりたいこと
※Wordのファイルを添付してください。

・あて先:各事務所の販売サポート
大阪事務所での勤務を希望の方→hanbai@bigissue.jp(吉田 電話:06-6344-2260)
東京事務所での勤務を希望の方→hanbaitokyo@bigissue.jp(長崎・森 電話:03-6802-6073)
・件名: インターン応募
(8)締め切り: 募集人数達成次第
これまでのインターンを卒業された方は、ビッグイシューで学んだ経験を生かしてそれぞれがやりたいと思った世界で活躍されています。 ビッグイシューのインターンを通して、販売者さんへのサポートを一緒に考え、一緒に学べる方をお待ちしています。 






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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。