ビッグイシュー販売者さんやスタッフと一緒に半年を過ごすビッグイシューのインターン生。彼らはインターン期間中に何を感じ、どんなことを考えているのでしょうか?
東京事務所で1年間のインターンを終えたばかりの原田詩織さんに、インターン期間を振り返った感想をもらいました。


image1(ポートレート)

「人の生活感」あふれる事務所に惹かれて始めたボランティア

ビッグイシュー東京事務所の小さい入口、足を踏み入れるとすぐに目に入る販売者スペース。机の上には文房具などのほかに寄付のパンやリンゴがおかれていて、約1年半前、初めて訪れた東京事務所のこの様子に私は一目ぼれしました。元来、人が好きで、人の生活感があふれる場所にトキメキをおぼえる私にとって、様々な人が訪れ、それぞれがのびのびと過ごしている東京事務所は理想的な場所だったのです。そんな東京事務所で、私は半年間をボランティアとして、1年間をインターンとして過ごしました。

image4(仕入)

 インターンとしての最初の半年間は有限会社ビッグイシュー日本で、仕入れにいらした販売者さんへの雑誌の卸業務や、最新号発売に合わせての販促用ポスター作りなどを担当しました。そして、残りの半年間は認定NPO法人ビッグイシュー基金のインターンとして、いただいた寄付品の整理や月1回の夜回り活動に携わりました。その期間中に、いったい自分はビッグイシューから何を教わったのか。一言でいうには、あまりにも濃密な一年半だったように思います。

次第に身近になっていった「貧困」

ビッグイシューで働き始める前、私にとって貧困は遠い世界の話でした。ビッグイシューに興味を持ったのも、「私の知らない人々の営みがある」ということへの純粋な好奇心から。しかし、一生懸命外で雑誌を売り、事務所に仕入れに来てくださる販売者の方々とまずは顔見知りになり、名前をお互いに覚え、たまに笑いあい、多くの日常を共有していくうちに、私にとって「貧困」は遠い世界の話ではなく身近な問題となっていきました。

私が日常的に接している、優しかったり頑張り屋だったりする人達が不安定な生活を送っているという現実に対して、違和感を覚えるようになっていたのです。そういった現実に対して真摯に向き合っているビッグイシュースタッフの姿もとても印象的でした。販売者さんのありのままを受け止め1人1人に対して柔軟に対応するには、どうしたらいいのかと考えはじめました。

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「その人がその人であることを、ただ受け入れる」ということ

私たちは生きている中であらゆるものを求められるのではないか、と思います。歳を重ねれば重ねるほど、ある人にとっては「学歴」、ある人にとっては「年収」、ある人にとっては「責任」…。その形は様々ですが、そういった価値基準を基に、自分の人生をジャッジされるシーンが増えるように思います。ビッグイシューで働いている時、私はそのような価値基準に縛られることなく、のびのびと人と接することができました。それはきっと、販売者さんやスタッフ、そしてボランティアさんがつくりあげる「ビッグイシュー」という場所に「その人がその人であることを、ただ受け入れる」という土壌があるからだと思います。

ここを訪れる人々のバックグラウンドは様々です。性格も見た目も習慣ももちろん違います。だから、目の前にいる人を自分が持っている価値基準だけで判断しても、相手について深く理解することはできません。相手をちゃんと理解しようと思ったら、ただ日常を積み上げていくしかない。あなたが生きていて、私も生きている。今日も無事に事務所で会えて雑誌の受け渡しができた。困ったことがないか話が聞けた。冗談が言い合えた。そういった日常の積み重ねが相手を知ることにつながるのだと思います。そして、ビッグイシューでは日々の積み重ねがあるからこそ、その人がその人であるために必要なことを一緒にやっていく、そんな支援が可能なのではないかと私は考えます。

誰もが居場所を見つけられる社会に

今の私の願いは、「その人がその人であることを、ただ受け入れる」場所が日本中に広がることです。そうなればきっと、誰もが温かい居場所を見つけることができるのではないかと思います。
来年から、私はビッグイシューが生まれたイギリスに留学し、さらにホームレス支援について学ぶ予定です。日本とは違った人々の営みがある土地で、様々な現実に対する実践を学びたいと考えています。
 
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はじめは「好奇心」で始めたボランティア・インターンですが、ビッグイシューでの経験は彼女のなかで何かを変えたようです。
学生の皆さん、社会人の皆さん、あなたもビッグイシューで「視点が変わる」経験をしてみませんか。

ビッグイシュー日本の大阪事務所・東京事務所のインターン募集中

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(1)業務内容

(大阪と東京とで異なります。面接の際にご相談となります)
販売者さんの販売サポート業務の全般(スタッフと一緒に行います)
●販売者さんのサポート(販売場所への巡回や販売応援、雑誌の卸しなど)
●販売者さんの売上促進(販促グッズの作成、ネットでの販売広報など)
●イベント企画(販売者イベントや地域密着型イベント、講演会の企画運営など)

(2)募集人員
2名(20歳以上)※20歳未満は応相談
いままでに学生さんや30代の方まで色々な方がインターンとして活躍されました
(3)勤務期間
約3~6ヶ月間(年度末終了などの期間応相談)
(4)勤務条件
週15時間以上(東京事務所は平日のみ)
(5)勤務地
ビッグイシュー日本 大阪事務所または東京事務所
・大阪事務所:大阪市北区堂島2-3-2 堂北ビル401
・東京事務所:新宿区住吉町8-5 シンカイビル201
(6)手当
交通費全額支給(上限 往復1500円、定期区間外に限る)、保険に加入していただきます
(7)応募方法
以下の内容をメールにてお送りください。一週間以内に、担当より折り返しご連絡申し上げます。
①お名前、ご住所、電話番号、メールアドレス、所属
②履歴書(写真不要):本人希望記入欄などに、勤務可能な曜日と時間帯をご記入ください。
※ExcelまたはWordのファイルを添付してください。
③作文:ビッグイシューインターンに応募した「志望動機」やビッグイシューでやりたいこと※Wordのファイルを添付してください ・あて先:各事務所の販売サポート
大阪事務所での勤務を希望の方→hanbai@bigissue.jp(吉田 電話:06-6344-2260)
東京事務所での勤務を希望の方→hanbaitokyo@bigissue.jp(長崎 電話:03-6802-6073)
・メールの件名: インターン応募
(8)締め切り
募集人数達成次第
お申し込みはこちらから

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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。