プラスチックストローの使用をやめる「Straw No More(もうストローは使わない、の意)」に取り組み始めたのは、モリーが9歳の時。1年もしないうちに、国内・海外合わせて90校以上を巻き込み、地元のケアンズ市議会でも「使い捨てプラスチック製品の使用削減」が決議されるほどの影響を見せている。
**********
去年、母と一緒に映画『プラスチック・オーシャン』(2016年公開)を見に行きました。胃の中がプラスチックでいっぱいになって死んでいく鳥たちのことを初めて知りました。その夜、家に帰りながら、どうやったら生き物を助けられるんだろうと考えるようになりました。
ケアンズっ子の心の中には、いつだってグレート・バリア・リーフがあります。シュノーケリングで美しいサンゴ礁や魚を眺めるのはとってもすばらしいことなんです。
Image by Gaby Stein from Pixabay
「何か始めるときは "小さく始める” のがオススメよ」と母に言われ、思いついたのがストローでした。もうプラスチックのストローは使わない!と決めたんです。 まわりの友達にもお願いしてみたら、あっという間に学校全体で取り組むことになり、他の学校にも広がっていったんです。
最初はケアンズ市内だけを考えていましたが、他の州や海外の学校からも問い合わせが来るようになり、多くの学校にプロジェクトについて話をしました。ケアンズで開催されているTEDイベントからも声がかかりスピーチをしました。そのおかげで、さらに多くの学校や企業が参加してくれるようになったんです。
参考:TED
2018年に「ケアンズ・ヤングウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。トロフィーをもらった時に、市長にこう言いました。「ケアンズをオーストラリア初の “ストロー・フリー” な自治体にするのはどうでしょうか」。会場にいた大勢の人たちは笑っていましたが、市長はすくっと立ち上がり、その挑戦を受け入れようじゃないかと言ってくれたんです。それが始まりで、1ヶ月後に私も呼ばれた市議会で、「ストローの使用削減」が可決されたのです*。
*ケアンズ市議会 2019年7月8日 使い捨てプラスチックの使用削減・代替製品への移行を決定
今後は、マクドナルド、Boost Juice(ジュースやスムージーの小売店)、イベントシネマ(大型映画館)といった企業と話をしていきたいと思っています。この三社がストローを使わなくなったらどれほどの効果があることでしょう!
Image by Mona Lindbüchler from Pixabay
多くの人からずいぶん壮大なことをやろうとして、と言われますが、私はそんな風には思いません。ただストローを使わないようにしようよと呼びかけているだけです。
この活動を始めた頃、ある女性に「蚊になるのよ」と言われました。「ちっぽけな自分では変化をもたらせないと思うなら、蚊が一匹いる部屋で寝てごらんなさい」という格言を言っていたのです*。
*ダライ・ラマ14世の言葉として有名。 “If you think you are too small to make a difference, try sleeping with a mosquito.”
私はたくさんの人から影響を受けています。ダンスのケイトリン先生、TEDイベントに招待してくれたジェン、ケアンズ・ウミガメリハビリセンターのエイミーとジェニファー。 ダンスや体操、歌を歌うことが大好きです。あと泳ぐことも!アレックスは海洋生物学者がどんなにかっこいいかを教えてくれました。
それから、いつも応援してくれてるお母さんも!
Straw No More 公式サイト
https://www.strawnomore.org
映画『プラスチック・オーシャン』公式トレイラー
By Katherine Smyrk
Courtesy of The Big Issue Australia / INSP.ngo
*ビッグイシュー・オンラインのサポーターになってくださいませんか?
ビッグイシューの活動の認知・理解を広めるためのWebメディア「ビッグイシュー・オンライン」。
上記の記事は提携している国際ストリートペーパーの記事です。もっとたくさん翻訳して皆さんにお伝えしたく、月々500円からの「オンラインサポーター」を募集しています。
ビッグイシュー・オンラインサポーターについて
プラスチック問題関連記事
・「プラごみを出さない」を売りにした店が好調、クラウドファンディングで2店舗目オープン/ドイツ・ケルンの店「Tante Olga」の取り組み・プラスチックを使わない食品保存は可能か? 世界のイノベーションと個人レベルの習慣の変え方
若者の活躍関連記事
・捨てられる運命の果物たちを救う"騎士"は男子大学生。廃棄食材をジャムにして販売、子どもたちの給食支援に・16歳にして専門書出版、論文を国内の学会で発表。小学校入学前から少年を突き動かしたものとは?
『ビッグイシュー日本版』のプラスチック問題関連バックナンバー
THE BIG ISSUE JAPAN366号
THE BIGISSUE JAPAN 347号
国際記事として「買い物からプラスチックごみをなくす。無包装のパッケージフリーショップ」を紹介。
https://www.bigissue.jp/backnumber/347/
THE BIGISSUE JAPAN 340号
国際記事として「使うのは一度きり、残るのは永遠。海に浮かぶ大量のプラスチックごみ」を紹介。
https://www.bigissue.jp/backnumber/340/
過去記事を検索して読む
ビッグイシューについて
ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。
ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。