日常的にまともな食事が期待できない状態を指す「食料不安」の問題が、米国では深刻な広がりを見せている。では、ストリート誌販売者はどんな食生活を送っているのだろう? 米オクラホマシティのストリート誌『カーブサイド・クロニクル』の販売者5人に食事日記をつけてもらった。

「食事」は1日1回
リチャード(47歳)

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朝食:コンビニのコーヒー
昼食:ブリトー(タコスのようなもの)3つ、コーラ
夕食:なし

リチャードは路上暮らしだ。 朝一番はだいたいコーヒーを飲む。食べものはガソリンスタンドの売店やコンビニで、安くて腹持ちのよいものを買うことが多い。食事らしい食事は1日1回、が彼の日常。天気が悪くて出歩けない日なんかは、丸1日何も口にしないこともある。

たまに奮発するピザが楽しみ
ダニー(61歳)

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朝食:オートミール・クリームパイ、コンビニのコーヒー
昼食:ピザ、ビール
夕食:ピザの残り、コーラ

昨年12月、事務所のケースマネージャーを通じて住まいを見つけた。シェルターやフードバンクを使うこともあるが、食事を抜くことはほぼない。友人と分け合うことも多い。食費は1日数ドルと決めているが、ピザのときだけは例外。今日みたいに奮発してピザを買ったら、2回分の食事にあてることにしている。1日1本のコーラは欠かさない。住まいを見つけたことで食生活も以前より安定し、間食も取れるようになった。

国の食料費補助「フードスタンプ」が頼り
ウイリアム(55歳)

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朝食:フレンチトースト、卵、牛乳(仲間の好意のおかげ)
昼食:コーラ
夕食:マクドナルドのチーズバーガーとフライドポテト、ドクターペッパー

ウィリアムには住まいがない。食事を抜くことはよくある。この日も仲間のサポートがなければ、朝食抜きになるところだった。食事にかけられるのは1日10ドル(約1100円)まで、あとはフードスタンプ*が頼りだ。雑誌の販売場所近くで外食することもある。路上で生活していると、食事は“骨の折れる仕事“だと言う。「空腹を満たすためだけ、決して楽しいものではないね」

*低所得者向けの食料費補助プログラム。米国の社会保障政策の1つで、その利用者は増加傾向にある。

フードバンクともらいもの頼り
ジャスティン(43歳)

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朝食:ソーセージパティ、オレンジ、コーヒー
昼食:ホットドック、レモン風味の炭酸飲料
夕食:コーヒー

ジャスティンは最近住まいを見つけたが、食事はフードバンクや貰いものに頼っている。よく口にするのはリンゴやオレンジ、アーモンド。この5日間で数回食事を抜いていた。ホームレス状態だと食べものの保管が難しかった。今は冷蔵庫とオーブンもある生活がとてもありがたい。

シェルターや教会からの差し入れを大事に食べる
ジム(57歳)

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朝食:オートミール、トースト、卵2つ、ココア、水
昼食:ブリトー、コールスロー、水
夕食:フライドチキン、マッシュポテト、コーン、水

ジムは食事のほとんどを、シェルターと教会からの差し入れに頼っている。無料でもらえる食事はありがたいが、常に空腹を感じている。背が高く、食欲旺盛な彼が食事を抜くことはない。間食用に、差し入れを取っておくこともよくある。 現在、ホームレス・アライアンス(カーブサイド・クロニクルの母体団体)の住まいプロジェクト提供の個室に住んでいる。


オンライン編集部補足
『ビッグイシュー日本版』の販売者たちも、食事に苦労する人は多い。
 参考:ビッグイシュー販売者のお金の使い道とは?ホームレスだからこそ必要になる支出5つ
 https://bigissue-online.jp/archives/1073127005.html

By Nathan Poppe
Courtesy of The Curbside Chronicle / INSP.ngo
All photos by Nathan Poppe
(2021/06/09公開)

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