韓国で国民的人気を誇るシンガーソングライター、IUさん。世界18都市をめぐるワールドツアー2024の大阪公演を記念して、ファングループ「IU Japan Support Team」の呼びかけによる『ビッグイシュー日本版』(482号)裏表紙への応援広告が掲載されました。ビッグイシューへの掲載プロセスや想いについて、IU Japan Support Team事務局のKさんにお話を伺いました。 

Q:IU Japan Support Teamとは?

2023年秋に立ち上げたばかりの、IUさんを応援する日本のチームです。IUさんのドラマ撮影現場の応援として、コーヒーカーサポート(※)をしたくて、2023年の秋にファン仲間を集めてチームを結成しました。

※韓国では、応援している俳優のドラマや映画出演が決まると、ファンが出資して撮影の現場にキッチンカーやコーヒーカーなどを業者に頼んで設置し、食事や飲み物を提供することで多忙な俳優や撮影スタッフをサポートすることがよくあるのだそう。

コーヒーカーサポートの様子


Q:その他に、これまでどんな応援をされましたか?

2024年のワールドツアーでは、IUさんの12年ぶりの来日公演が決まりました。そこで3月の横浜公演に合わせて出資者を募り、横浜アリーナ近くにあるビルの屋上の約8m✕5mほどのスクリーンに街頭広告を打たせてもらいました。本当にありがたいことにご本人にも広告を直接見てもらえて、大成功の企画となりました。



7月の大阪公演では、コンサート会場にフラワースタンドとバナーを、楽屋にはフラワーアレンジメントもお送りしました。



Q:今回『ビッグイシュー日本版』の応援広告を選んだのはなぜですか?

2023年の春にIUさんが『ビッグイシュー韓国版』の表紙を飾った(IUさんが主演した映画「ドリーム 〜狙え、人生逆転ゴール!〜」*の公開記念特別版)のと、映画「ドリーム~」の中にビッグイシューが出てきたのがきっかけです。

*「ホームレスワールドカップ」2010年大会への韓国チームの出場をモチーフにした映画。



前回3月の横浜公演の応援企画が街頭広告だったので、大阪公演では何か違う試みにチャレンジしてみたいなと思い、他の俳優さんのサポートチームによる応援事例を調べていたところ、『ビッグイシュー日本版』に応援広告の出稿ができるとわかったんです。せっかく応援企画をするなら社会的に意義のあるものにしたいと思い、「これだ!」と実行に移しました。

Q:IUさんは、「寄付天使」とも呼ばれているそうですね?

はい。IUさんは、ご自身のお誕生日やデビュー記念日などの節目に、「IUAENA(IUとユエナ(IUさんの公式ファンクラブ名))」の名義で、恵まれない境遇の方々に寄付をされているんです。

ご自身は一生分以上のお金があるので、自分以外のことにお金を使っていかれたいようで、子どもたち、高齢の方、障害のある方、災害の被災者など、いろんなジャンルの機関に多額の寄付をされるほか、広告契約を結んでいる企業と協力して物品の寄付をされることもあります。これまでの寄付総額は5億円を超えているとか…。

そんなIUさんだから、ファンたちも社会貢献の意識が高く、ビッグイシューは私たちの応援と親和性が高いのではと思いました。

Q:今回の『ビッグイシュー日本版』応援広告に込めた想いなどがあれば教えてください。

今回143名もの出資者の方々にご賛同いただいて『ビッグイシュー日本版』の応援広告が実現できたので、ファンの方やご本人が実際に広告を手に取った時に、応援の気持ちを感じてもらえるよう、内容をかなり検討しました。過去にIUさんご本人が「30代になった今は、綿毛のように、流れるままに柔軟に生きていきたい」という主旨の発言をされたことがあり、その思いを綴った「Holssi」という曲の歌詞を引用し、出資者の方からのアイデアも一部取り入れながら、世界各国に羽ばたくワールドツアーの主旨に沿ったキャッチコピーにしました。

一方で、ファンの方だけで完結してしまわないよう気をつけました。IUさんを知らない人の目も意識し、これを機に知っていただけるよう、IUさんのプロフィールも載せていますが、活動歴が長く実績がたくさんあるので、何を残すか悩んでしまって大変でした(笑)デザインに関しても、ファン以外の方の目を引きやすいものになるように出資者の方と共同で制作しました。

IU


Q:大阪公演の2日間で、会場近くの駅だけで665冊が売れましたね!

はい、(普段は販売者が立っていない)会場の最寄り駅で出張販売していただきました。私たちだけでなく、ビッグイシューのSNSでも事前に告知していただいていたので、多くの人に買っていただけたようでよかったです。当日は複数の販売者さんを回って何冊も買った、という方もいたと聞いています。



Q:『ビッグイシュー日本版』への応援広告を検討されている方にメッセージがあればお願いします。

ビッグイシューには街頭広告のような派手さや反響はないかもしれませんが、雑誌は気持ちにも手元にも、ずっと残ります。応援もできて、社会貢献もできて…という媒体は、私は国内ではほかには思い当たらないですね。

今回もIUさんのファンの方々が「ビッグイシューを初めて買った」、「ビッグイシューの仕組みを知ることができた」と話題にしてくれたことで、他のアーティストや俳優のファンの方々が私たちの今回の取り組みを見て「そういう支援のしかたもあるのか」「やってみたい」と言っておられたと見聞きしています。

ファンの人はもちろん、社会貢献活動をしている人たちや、販売者さんたち、他のアーティストのファンの方々など、社会への波及効果が思っていた以上にあることには本当に驚きました。そうした広がりを目の当たりにすると、この企画をやってとても良かったと思います。

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「2024 IU HEREH WORLD TOUR CONCERT」当日裏話

当日の販売では、4名の販売者が出張販売要員として最寄り駅にスタンバイ。
大阪はもちろん、北海道、青森、群馬、東京、愛知、愛媛、福岡、そして韓国やニュージーランドからのお客さんが次々に購入してくださり、「頑張ってください!」「暑い中ありがとうございます」「あってよかったぁ」など、うれしい声が集まりました。
雨が多い時期で販売が振るわないことが多いなか、販売者も元気をいただきました!


「ビッグイシューの応援広告掲載号ゲット報告」

482号発売直後より #IUonBIGISSUEJAPAN のタグをつけた投稿をたくさんいただきました! 
タグつき投稿のうち、ビッグイシューの販売者や事業に言及いただいたものをピックアップしてご紹介します。


※編集部補足:シールにあるコメントは、発送担当の販売者の直筆です☺


























『ビッグイシュー日本版』の “推し”の応援広告のご紹介 https://www.bigissue.jp/how_to_support/program/cheering_ad/


『販売者応援3ヵ月通信販売』参加のお願い
応援通販サムネイル

3か月ごとの『ビッグイシュ―日本版』の通信販売です。収益は販売者が仕事として"雑誌の販売”を継続できる応援、販売者が尊厳をもって生きられるような事業の展開や応援に充てさせていただきます。販売者からの購入が難しい方は、ぜひご検討ください。
https://www.bigissue.jp/2022/09/24354/



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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊450円の雑誌を売ると半分以上の230円が彼らの収入となります。