たとえ1つの農作物が病気や気候変動に襲われても、タネの多様性さえあれば、生きのびられる–。「タネの銀行」を世界中に広げてきた「シード・セイバーズ・ネットワーク」の思いとは?
国連食糧農業機関の調査によれば、20世紀に失われた農作物の生物多様性は75%にのぼる。背景には、大量生産を可能にする「F1」品種(※1)の台頭で、伝統的な“在来種”が追いやられ、タネの多様性が極端に“単一化”してきた事情などがある。
※1 一世代に限り安定した収穫が得られる品種
話は、今からおよそ40年前にさかのぼる。同団体、現代表のミシェル・ファントンは、当時、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にて、2エーカーの土地を開墾し始めていた。ほどなくして、パーマカルチャー(※2)の提唱者ビル・モリソンと出会い、影響を受けたミシェルの土地は「ミモザ」と名づけられ、果実、野菜、低木の数々……と豊かさを増していった。
作物の大半が真菌性の病にやられてしまったんですね。途方に暮れましたが、それを助けてくれたのが、地元の農家でした。代々受け継いできたかぼちゃ・きゅうり・メロンや豆などの在来種を譲っていただきました。それは同時に、オーストラリア政府が『農作物の特許化』を進める法案を可決した時期でもあり、それによってタネの多様性が失われる可能性が危惧されていました。
ジュードとミシェル
世界の「種守人」と交流(アフガニスタン)
※上記は『ビッグイシュー日本版』295号より転載
ビッグイシュー日本版「種子」関連号
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