こんにちは、ビッグイシュー・オンライン編集部のイケダです。ビッグイシュー日本版238号の「スモールハウス(タイニーハウス)」特集、お読みいただけたでしょうか?小規模な家を建てる人々が増えている、という興味深い動きを紹介した記事です。

日本ではまだ珍しい取り組みですが、高知県・安田町にて、タイニーハウスを今まさに建設している方がいると聞きつけました。ぼくは昨年高知県に移住し、まさに高知に住んでいます。これは行くしかない!ということで、早速お邪魔してきました。


太平洋を臨む海辺のタイニーハウス

タイニーハウスを建設しているのは、高知県在住の中宏文さん。高知県安田町にある倉庫と空き地を用いて、今まさにタイニーハウスを仲間たちと組み立てています。

建設現場は海から約10メートルの空き地。少し歩けば広大な太平洋を望むことができます。なんとも贅沢なロケーション…。

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タイニーハウスは倉庫内で組み立て、こちらの空き地に移動させるとのこと。このスペースには五右衛門風呂も設置する予定だそうです。

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早速倉庫のなかに潜入!巨大な木造の建築物が現れました。ワンルームマンションの一室くらいの居住スペースとなっています。意外と大きい!

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このタイニーハウスは移動可能で、ご覧の通り車輪が付いています。

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この日は10人近いメンバーで組み立てていました。「DIY(Do It Yourself)」ならぬ「DIO(Do It Ourselves)」ですねぇ。

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気になるのはトイレなどの水まわり。どうなってるのか疑問に思っていたら、ちょうど中さんが解説してくださいました。

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防災・避難生活を考えたシンプルな設計

高知県は震災・津波のリスクが高い土地です。それゆえ、中さんは「防災」の観点からもこのタイニーハウスに可能性を感じていらっしゃいます。

高台にタイニーハウスを複数作りたいんです。タイニーハウスは個室ですから、体育館のような施設に比べると、プライバシーの配慮も可能です。

設備に関しても「おじいちゃんおばあちゃんでも修理ができるように、極力簡単な仕組みにしています」。上の画像は「カセットトイレ」といわれる設備で、カセットから汚物を捨てることができるようになっています。

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トイレに関しては、他にも「コンポストトイレ(堆肥トイレ)」の導入も選択肢だとか。家庭用の生ごみ処理機の上に、量販店で買った便座を付けると、それだけで堆肥トイレができてしまうそうです。災害時に役立ちそうな知識ですね。

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電気はもちろん太陽光。送電線につなぐ必要のない「オフグリッド」なお家です。

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水道は驚くほどシンプル。このタンクに水を汲み、水栓をひねるだけ。

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そして、流れた水はこれまたシンプルな排水タンクへ。

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強度やコストは?

ちょっと気になるのは建物としての強度。すぐ壊れることはないんでしょうか?

そんな疑問を口にしたら、骨組み段階の写真を見せてくださいました。中さんは建築のプロで、重さと強度は「建築物」としても十分な基準で設計なさっています。「震度7まで、風速38メートルまで耐えられます」と力強い返答。なるほど。

続いて気になるのはコストの話。今回建築しているものは、なんと原価で150万円程度だそうです。150万円で家が作れてしまう、というのはなかなか衝撃です。


大人になったら家を建てよう

どのような未来を感じながら、タイニーハウスの普及活動に取り組んでいるのでしょうか?中さんのイメージは実に素敵でした。

大人になったら車の免許を取りますよね。それと同じように、たとえば「二十歳になったら家を自分で作ろう」という流れをつくりたいんです。住宅教習所とでも言いますか…。

200万円くらいあれば、タイニーハウスは作れます。今回のように、家をみんなでつくって、また誰かが家をつくるときに手伝いにいく、自分がつくるときは手伝ってもらう、という循環を作りたいですね。

家を建てる上では、「三回建てて、初めて自分にとって必要なことがわかる」とも言われます。まずはタイニーハウスを自分たちで建てて、家づくりについて学んで、いずれ大きな家をプロに頼んで作る、というステップもいいんじゃないかと思っています。

家を建てる技術を習得できる教習所があればいい。実にワクワクする未来像ですよね。「家を建てる技術」は空き家のリノベーションにも応用できると思いますし、これから注目が高まっていきそうです。かくいうぼくも割と本気で習得したくて、この取材に足を運んでいたりします。


最後に一枚。この日は野外でバーベキューが行われ、タイニーハウス建築に関する情報交換や、移住を検討している方のための相談会も開催されました。「みんなで家を作る」というのは、本質的に楽しいアクティビティなんだ、と感じる時間でした。

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中さんは今後、タイニーハウスに関する勉強会も開催していきたい、とも語っていました。工法、資材の調達、法律面など、まだまだ疑問の多いタイニーハウス。ビッグイシュー・オンラインでは引きつづき本テーマについて追っていきたいと思います。


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