ビッグイシュー・オンライン編集部より:「大便」を通して健康状態チェックすることができる「うんコレ」今夏にリリース予定です。(提供:M-Labo、一部編集して掲載)



「ゲームの力」で排便記録と大腸がん検診普及を目指す:元潰瘍大腸炎患者の外科医が監修する「うんコレ」

大腸がん検診を普及させたいと考えていた外科医が監修する大腸菌擬人化ゲーム「うんコレ」が話題を呼んでいます。進行しても無症状であることが多い大腸がん。便から血が出る、便秘になるなど毎日の便の異常(症状)を観察、記録してもらうために考えられた方法がゲーム。

なぜ現役の外科医が大腸がん検診の普及に本気で取り組んでいるのか?「うんコレ」を使ってどのように排便記録を毎日つけてもらうのか?謎多きゲームを解説していきたいと思います。

 

目次

  1. うんコレとは?
  2. 誕生秘話:潰瘍性大腸炎を患い「うんこ」で悩んだ医師だからできた
  3. なぜ排便記録と大腸がん検診を普及させる必要があるのか?
  4. ゲームを通してがん検診普及を!
  5. 課金しますか?排便状況を報告しますか?
  6. 終わりに

 

うんコレとは?

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うんコレ」とは、大腸がん検診普及と毎日の排便観察をスマホゲームでやってしまおうという新たな試みです。うんコレの開発母体であり、非公認大腸がん検診普及団体である「日本うんこ学会」から生まれたアイデアです。うんコレの特徴は、


遊びながら自分の健康が分かるスマホゲームです。

トイレでスマホゲームをするだけで、あなたの健康状態にあった検診のオススメが出てきます。うんこ情報のプラットフォームを目指しています。


課金の代わりに、うんこ報告をしたらカードが引けます。

あなたのミッションはウントピア*の平和を守る事です。カードを引いて、ウントピアの住人の力を借りて敵を倒していきましょう。(ウントピア…トイレで流されたうんこ達が流れ着く、トイレの向こう側の世界。大腸菌のユートピアと言われているが…)


ウントピアの住人達は大腸菌を身にまとい闘います。

大腸菌が力の中心である世界ウントピアでは、大腸菌を身にまとう事で戦闘能力を身につける事が出来ます。身にまとう大腸菌によってスキルが変わります。


誕生秘話:潰瘍性大腸炎を患い「うんこ」で悩んだ医師だからできた

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うんコレの医療監修である消化器外科医の石井洋介さんは、なぜ活動を行っているのか?うんコレ誕生秘話を抜粋してみました。


患者から医師へ

15歳の時に潰瘍性大腸炎という難病を患った石井さんは、ほとんど高校に通えない、19歳の時に一時期人工肛門になるなど「うんこ」周りで非常に翻弄された青春を送った。自身も外科医に憧れ、20歳から外科医をめざす。そして、10年の歳月を経て、手術をしてくれた先生の元で外科医に!


猛烈外科医の挫折

毎日毎日手術に明け暮れる中、 二児の母である女性の大腸がん手術を執刀することになる。「子供達のためにも絶対救ってみせる」と誓い手術に臨むが、腹膜播種であり手術ではもはや取り除けるレベルではなかった。


がんは見つかった時点で寿命が決まる

進行した大腸がんを前に外科医は無力。何のために医師になったか自問自答すると、手術の腕を磨くだけでなく、医師としてがんを早く見つけ出すことに注力することで患者さんのためになるのでは?ということを見出す。

しかし、自身の健康を意識できる人は少ない。できれば楽しく、知らないうちに自分自身の健康の重要性を知り、自分で健康を守れるような社会を作っていきたい。という夢を描く。


病気の怖さをどれだけ必死に説明しても届かない

大腸がん検診を普及させるためには2段階の壁があると感じた。1つ目は、検診を知ってもらう情報の壁。2つ目は、情報を知った上で検診に行ってもらう行動の壁。

「検診は大事です!」と必死に伝えるだけでは駄目。全然関係ないアプローチで広めて、知らないうちに検診を受けてみようかなと思えるものとはなんだろう?ただ「毎日排便状況を観察して報告する」ことは、予想以上に苦痛である。そんな中、大腸菌やがんをモチーフにしたゲームというアイデアに辿り着き、うんコレが誕生した。


なぜ排便記録と大腸がん検診を普及させる必要があるのか?

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理由として5つあります。ここでは、詳しく説明すると長くなったしまうため、概要のみで別記事にさせて頂きます。

①大腸がんで1年に4万人の方が命を落としている
②がんの進行度によって死亡率が変わり、早く見つける事がとても大切
③大腸がんはほとんど症状が無く、毎日の「排便記録」の情報が重要
④日本は大腸がんを初め、がん検診の受診率が低い
⑤大腸がん検診である検便をするハードルが低くなっている(40歳以上無料や割引等)


ゲームを通してがん検診普及を!

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毎日の排便観察が大腸がんの予防に重要である事は分かった!でも、余程の趣味をお持ちの方でないと毎日排便を観察し記録するなんて苦痛です。

何か行動変容を起こすことが必要です。「大腸がん予防のために排便観察→カードを引きたいから排便観察」のように。試しにトイレの後に記録をしてみると、それも面倒くさい。しかし、トイレの中ではスマホを弄っていることが分かりました。

そこで下記の2点をポイントに、
①便を観察する事でモチベーション向上のインセンティブを付ける
②トイレの中で記録を付けられたら良い

ゲーミフィケーションを用いた健康習慣獲得につながる行動変容の検討を通して、がん検診の普及をすることになったのです。


課金しますか?排便状況を報告しますか?

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ゲームの概要は、うんコレとは?に記載してありますが、ゲームをざっくり解説していきます。

敵キャラを倒すにはタップが必要です。基本的に1タップ1ダメージですが、敵のHPは10万超えの事も!普通にタップしてたらとても倒せません。そこでウントピアの住人と大腸菌の力を借りてスキルを発動させて、より強力なダメージを与えられるようにします。

このキャラカードを引くために、普通のゲームであれば課金してガチャを引いたりする訳です。うんコレはここで世界初採用となる「自分の排便状況を報告する」事でガチャが引けるというシステムを採用しました。

さらにうんコレの中では、聖母カンベンヌ様と呼ばれるキャラが登場し、毎日「便の中に血が混じるような事がありましたか?」と質問します。この質問に答える事で、万一、大腸がんの可能性がある排便状況の場合には、「あなたは一度検診を受けた方がいいかも知れませんね」とお告げのアラームが出てきます。


終わりに

長くなってしまいましたが、うんコレに興味を持って頂けたでしょうか?

消化器外科医である石井さんの原体験から、なぜ排便記録や大腸がん検診普及という目的、そこに向かうために取ったゲーミフィケーションという手法。医療の内部におり、課題を持った医師が外部のスペシャリストと協力し、新たな課題解決を行う姿に非常に刺激を受けます。

うんコレのリリースはiOS、Android版共に2015年夏以降になり、完全ボランティアであるため早くみたい!という方はメンバー募集のコンタクトを取ってみてはいかがでしょうか?M−Laboでは、医療当事者の積極的な活動を応援していきたいと思います。

 

〈参照〉

日本うんこ学会うんコレ(画像引用等)

 






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