様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら

ひきこもりや発達障害など、生きづらさを抱える20~40代の方を対象に、社会参加に向けての土台作りとして1985年から“居場所”作りを中心に活動する茗荷谷クラブ。3年ほど前にフットサルチーム“FC茗荷谷”が発足し、定期的に大会にも出場しています。今大会は初出場ながら堂々の準優勝!参加者のお二人にお話を聞きました。

負けても下を向かない大会

-ダイバーシティカップのことを聞いたときの印象は?
(Aさん)初対面の方と交流することは、僕にとってそれなりにハードルのあることだったのですが、みんなで参加する形であれば楽しいかな、気づきがあるかなと思って参加しようと思いました。知らない場に行くことに不安もあったのですが、チームメンバーに出欠をとったところ予想以上に参加者が集まりました。

(Bさん)自分たちのチームは、2ヵ月に1回くらい初心者向けの「Do!シロート」という大会には出ているのですが、ダイバーシティカップの「サッカーを通じて他者と知り合おう」という趣旨も新鮮味もあって良い経験になるかなと思って出ようと思いました。

-大会はどうでしたか。

(Aさん)普段出ている大会では、みんな勝つことや優勝狙っているんですが、そこでは味わえないような雰囲気がありました。他のチームを応援しつつも、みんなサッカーを楽しんで優勝を目指しているような、盛り上がりを感じました。最初はやっぱり緊張していたのですが、試合前にアイスブレイクがあったので、そこで気持ちがだいぶほぐれました。

(Bさん)雰囲気が良かったです。サッカーは勝負事なので大会で判定にギスギスすることもありますよね(笑)でも、この大会では負けているチームでも下を向かずに頑張っていたし、応援もすごく声が出ていてよかったと思いました。勝ち負けにこだわるよりも、交流の要素が大きい大会なのだなと感じました。

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自分から一歩外に出て世界を広げる

-大会を通して、他のチームとの交流はありましたか。
(Aさん)交流会全体を通して、前向きな話が多かったのが印象的でした。good!の方は学校に行きながらgood!に通っていたり、「サッカー以外にがんばりたいこと」というテーマで話をした時に、みんな明確にやりたことを言っていて、そういうビジョンを持つことってすごいことだなと刺激を受けました。

(Bさん)自分はうつ病を患っている方と話して、その人は大会について「ミックスゲームでやるとより交流ができるのではないか」っていう意見を言っていて、ポジティブに物事を考えているなって思いました。あとはピースボートの方が「これから世界一周行きます!」って言っていて、みんな事情は異なるけれど、これからに向けて前向きでした。僕はどちらかというと、自分から広げていくのが苦手なので刺激的でした。

-FC茗荷谷として今後の目標はありますか。
 (Aさん)チームとしての目標は立てていないのですが、プレー自体を楽しめればいいかなと思っていています。自分はパスがたくさんつながってゴールを決められた時に喜びを感じられることが多くて、チームメンバー1人1人が楽しんだ上で結果がついてくればいいかなと思います。 あと、交流会に出て思ったのは、今までは自分の与えられた範囲の中で人間関係とか、行動範囲とかその中で生活をしていたんですが、good!さんとか他のチームの人の話を聞いて、これまで自分が足を踏み入れてないところにも、自分が思えば行けることができるのだなって感じました。そこまで大きなことができるかわかりませんが、少しずつ自分の世界を広げられたらいいなって思いました。

(Bさん)チームとして良い成績を残したいのですが、長期的な目標はなくて、2、3ヶ月先の大会に向けて、やっぱり楽しむっていうのがいいと思っています。競技志向になり過ぎてしまうと、初心者や一歩踏み出したい人が入りにくくなってしまうので、「FC茗荷谷」としては楽しむってことは譲れないことかもしれません。あとは、A君の言うように、僕も人間関係をあまり広げないタイプだったんですが、交流会でいろんな人と話して楽しかったんですよね。今までは、ちょっと苦手な人とは距離を保っていたりしていたけど、一歩踏み出すきっかけになったかもしれないです。

公益社団法人 青少年健康センター 茗荷谷クラブ
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