様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら

山梨県にあるギャンブル依存症の回復施設「グレイス・ロード」。ギャンブル依存症からの回復を目指すメンバーがダイバーシティカップに初参加。大会に参加しての感想や「グレイス・ロード」での日常、今後についてお聞きしました。

ギャンブル依存症からの回復を目指す日々

-ダイバーシティカップに参加した経緯は。
ビッグイシュー基金から「グレイス・ロード」のスタッフにダイバーシティカップの話をもらって、メンバーで話をしていたら面白そうだから行こうと10人以上の参加希望者が集まりました。参加理由はそれぞれで、「宿泊型の施設での生活気分転換になるから参加したい」という声や「身体を動かすのが好きだから参加したい」という声がありました。「グレイス・ロード」のプログラムは、ギャンブル依存症者の自助グループ(GA)へ通うことやギャンブルを絶って「ハウス清掃・グループミーティング・調理学習プログラム・ハウスミーティング」など、スケジュールに沿っての回復プログラムを住み込み型で受けます。そのため、良い意味で、自分と似た経験をした人と毎日顔を合わせることで日々励まされるのですが、一方で、外の人と会う機会が減ってしまうので、ダイバーシティカップは、施設外の人と交流をする良い機会になると考えたものが多かったと思います。

-大会はどうでしたか。
自分たちのチームはスポーツをしていた若いメンバーが多く、「グレイス・ロード」のプログラムの中にも「ソフトボール」や「ソフトバレー」があり定期的に身体を動かしているので、行く前は「優勝したらどうする?」みたいな話をしていたのですが、驚くほど動けませんでした。みんな前には走れるのだけど、戻ってこられない…(笑)
メンバーの中には、大会を楽しみにしていて前の晩に眠れずにプレーをして本来の力を発揮できかった人もいました。本当は試合も交流会も楽しみたかったのですが、熱中症気味になったメンバーがいて交流会を途中で抜ける形となってしまいました。
 でも、みんな負けず嫌いなので、施設に戻ってから、体力ないな・・次回出るときには最低でも2か月は練習をしてから出たいといった話も出ていて刺激にはなったようです。

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-チームのメンバー同士がとても仲が良いように見えました。 そうですね。みんな施設に来た頃は元気や自分への自信を失っています。ギャンブルへの依存によってお金も時間も信頼も全て失ったというメンバーも多くいます。でも、ここに来て同じような境遇のメンバーと出会い日々のプログラムや生活を続ける中で、未来に向かう仲間ができた感覚があるのだと思います。「グレイス・ロード」の生活では、自分の生まれ育った環境とは違う地域で、携帯も持たずに生活をしているので、合宿生活をしているといえます。そういうメンバーでフットサルをしたので、大会結果は本人たちが思ったほど動けなかったのかもしれませんが、メンバー同士の仲は良いように思います。
中には、人とコミュニケーションをするのが苦手でギャンブルに入れ込んでいったメンバーもいるので、こうしたスポーツや人とのつながりの場は意味があるように感じます。

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これからに向けて

-交流会では「サッカー以外にもこれから頑張りたいこと」というテーマで話す時間があったのですが、グレイス・ロードの皆さんはどんなことを考えていますか。

(てつ)親に相当迷惑かけてきたので、自分の力でギャンブルをやめて自立した生活を送って周りに迷惑をかけないでやりたいです。最後までやり遂げたことっていうのがなかなかないので、小さい目標でもいいから達成したいです。自分を否定してしまう部分があるので、好きになれるようになりたいです。

(けんた)これまで、自分も家族にもしんどい思いをさせてしまったので、周りの人に対して何かできるっていう余裕はないんです。自分が楽しく生きられるようになること。フットサルもそういうだけど純真に物事を楽しめるということが、本当の自分に返ってくることだと思っています。自分は自立に一度失敗しているので、今やるべきことは目の前のことを1つ1つ達成していくことだと思っています。

(せいや)8年前に他の施設に入ったんですけど、その時はどん底で笑えなかったし、暗かったです。でもこっちにきて今はギャンブルやめて仲間と一緒にスポーツできたりするのが楽しいです。スポーツは好きなので、これからもやっていきたいです。グレイス・ロードの皆はフレンドリーで、わからないことは聞いたりして助けてくれます。今まではギャンブル場が居場所だったんですけど、今は仲間がいる場所が居場所だから大切にしていきたいなって思っています。
一般社団法人 グレイス・ロードGRC デイケアセンター
〒400-0111 山梨県甲斐市竜王新町1-1
TEL:055-287-8347 FAX:055-287-8348
http://gracelord.jp/


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