政治家による黒人差別…と取られかねない発言があったのはつい最近のことだ。
その発言に限らず、日本の政治家にはずっと以前から黒人を揶揄するような発言をする人があとを絶たないが、黒人に対して何かしら差別意識を持っている人がもしあなたの周囲にいるならば、ぜひビッグイシュー日本版』326号の特集「日本人の起源、土偶の宇宙」を勧めてみてほしい。


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太古の人類のDNAを研究する国立科学博物館副館長が語る「私たちはみんなアフリカ人」

国立科学博物館で人類研究部長をつとめる篠田謙一さんは、約20年前にさかのぼる私たち「現代人類(ホモ・サピエンス)」の誕生や、世界各地の集団の成立、そして日本人のルーツをDNAの解析などを手掛かりに研究してきた。

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Photo:高松英昭


「現在のアジア人やヨーロッパ人のDNAを分析すると、遺伝的な多様性は大きくありません。(中略)人類の遺伝的な多様性のうち、85%までは出アフリカを経験しなかったアフリカ系の人たちが持っている」と篠田さんは語る。

私たちはどうしても肌の色などに囚われてアフリカを一つのカテゴリにくくりがちだが、アフリカの人は非常に多様性があり、皮膚の色といった見た目に通じる遺伝子はごく一部。篠田さんいわく「私たちはみんなアフリカ人である」ということを忘れてはならないというのだ。

似た者同士の些細な違いを比べることに没頭して、どんどん視野が狭くなってしまう。生物学的には同じなのに、文化や宗教や肌の色などで人種差別をすること、それを正当化することのバカらしさを教えてくれる。

篠田さんの「人類のルーツ」の心躍る詳しい解説やメッセージは、『ビッグイシュー日本版』326号をご覧いただき、2018年新年を迎える今、6万年前の人類のルーツに思いを馳せ、深呼吸をしてみたい。

しのだ けんいち
1955年生まれ。国立科学博物館副館長(兼)人類研究部長。博士(医学)。専門は分子人類学。著書に『DNAで語る日本人起源論』(岩波書店)、『日本人になった祖先たち』(NHK出版)、監修書に『ホモ・サピエンスの誕生と拡散』(洋泉社)など。

土偶に魅せられ人生が変わってしまった女性が語る「土偶の多様性と魅力」

譽田さんはそれまで、考古学には全く興味がなかったという。
それが仕事で見かけた土偶との出会いをきっかけに、帰宅後もその土偶の顔が頭から離れず、ネットで「土偶」を検索したことをきっかけに、みるみる多様な土偶ワールドにどっぷりとハマってしまった。

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Photo:浅野カズヤ

それ以降、全国の博物館や資料館を訪ね歩き、実物を見て歩いた。勉強会に参加、専門書を読み、専門家としてではないが一般人の視点で土偶について掘り下げていった。

そんな譽田さんは「現代人は過去に生きた人たちの文化を現代より遅れていると考えがちですが、それは傲慢な見方。それどころか、縄文の土偶を見ていると、心の自由度はいまより高く、豊かな生活があったように感じます。」と語る。

そう言わしめる、さまざまな土偶の豊かな表情と、土偶鑑賞のポイントは『ビッグイシュー日本版』326号をご覧いただきたい。

こんだ あきこ
1975年、岐阜県生まれ。ライター、エディター。京都女子大学卒業。著書に『はじめての土偶』『にっぽん全国土偶手帖』(ともに世界文化社)、『ときめく縄文図鑑』(山と渓谷社)、『土偶のリアル』『土偶界へようこそ』(ともに山川出版社)、『知られざる縄文ライフ』(誠文堂新光社)。「中日新聞」「東京新聞」毎週水曜夕刊に「かわいい古代」連載中。


ビッグイシュー日本版』326号ではこのほかにも、

・スペシャルインタビュー:ジョニー・マー
・リレーインタビュー。私の分岐点:ハーモニカ奏者 崎本讓さん
・国際:カナダ・バンクーバー、チャイナタウンの今
・ワンダフルライフ:“片手袋研究家”石井公二さん
・ホームレス人生相談:40代会社員からの「40代になったが自信を持てることがない」のご相談

など盛りだくさんです。

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ぜひ路上にてお買い求めください。

ビッグイシューの「太古の昔」関連のバックナンバー

THE BIG ISSUE JAPAN322号
特集:マンモス絶滅と気候変動
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THE BIG ISSUE JAPAN302号
特集:「奇跡の水月湖 世界"標準時間"への旅」
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https://www.bigissue.jp/backnumber/302/

THE BIG ISSUE JAPAN285号
特集:地球生命― 地球外、辺境、初期地球から考える
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https://www.bigissue.jp/backnumber/285/

THE BIG ISSUE JAPAN180号
特集:日々の時間― 暮らしの原点を見る
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https://www.bigissue.jp/backnumber/180/


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