ダイバーなど海に関心のある人ならご存じかもしれないが、20年ほど前に、奄美大島付近の海底で美しい模様が見つかった。砂と貝殻でできた、直径2メートルほどの円型の幾何学的な模様だ。
この模様は毎年4月から8月に現れては消えていく。いったい誰が、何のために――?

08-10_sub1
Photo:大方洋二


2019年7月15日発売の『ビッグイシュー日本版』363号の特集は「多様な魚とたわむれる」。
上記の「ミステリーサークル」の作者は、なんとフグの仲間。
どんな状況でこのサークルを作るかは本誌をご覧いただきたいところだが、「なぜ、ホームレス状態の人が路上で売る雑誌で、魚の特集をするの?」と思う方もいるかもしれない。

「人間がすべての生物の覇者」と思い上がらないために

脊椎動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類)の全種類を合わせると、どのくらいの種類がこの地球にいるかご存じだろうか。答えは約6万種、そしてそのうちの4万種ほどが「魚類」なのだ。
その種の多様性と言ったら、私たちが「魚」といってイメージするものよりかなり豊かだ。
「胸ビレが進化して長細いスジとなり、海底をそのスジを使って歩く」魚、「まるで農業の草引きのように、不要な藻類をつまんで捨ててしまう魚」、「堅いサンゴをゴリゴリとかみ砕く魚」、「状況に合わせてメスとオスが自由に性転換する魚」など……。

生物多様性の観点からいえば、魚類こそが“脊椎動物の覇者”と言える。
それなのに多くの人々は「人類にしか通用しない“資本主義”というルールの覇者」が生物の頂点にいると錯覚しがちだ。
環境を破壊し、自らの健康をも害し、今後何万年かの間に人類が滅びることがあったとしても、多様性を活かして魚類たちは生き残るかもしれない。4万種という圧倒的な数は、「多様性によるリスクヘッジ」という戦略が「種」として成功していることを示していると言えるだろう。


underwater-2347255_640
© Pixabay


そんな魚の多様性から、「他者との違いを受け止める姿勢」を学びたい。
『ビッグイシュー日本版』363号特集では、魚譜画家の長嶋祐成さんの魅惑的な魚たちのイラスト&エッセイ、松浦啓一さん(国立科学博物館名誉研究員、水産学博士)からは「多様性、ミステリーだらけの魚たちの暮らし」のお話、吉田将之さん(広島大学大学院統合生命科学研究科准教授、生物学者)からの「魚の〝心〞」についてお話いただいた。

ビッグイシュー363号ではこのほかにも、
・リレーインタビュー。私の分岐点:はるな愛さん 
・スペシャルインタビュー:ジェシカ・ロース
・国際:英国発、“グリーンなムスリム”とは?
・ビッグイシュー・アイ:先住民族の反対運動で、ベトナムは原発を白紙撤回
・ホームレス人生相談:6歳の男の子からの「お気に入りのハンカチを友達がちょうだい、と言ってくる」の相談

など盛りだくさんです。
363_01s

ぜひ路上にてお求めください。
https://www.bigissue.jp/backnumber/363/


ビッグイシューは最新号・バックナンバーを全国の路上で販売しています。販売場所はこちら
バックナンバー3冊以上で通信販売もご利用いただけます。




生物多様性・海洋関連記事

「小さいけれど多様性のある生き方」を昆虫に学ぶ/ビッグイシュー日本版355号特集は「“小さく生きる”虫たちのすごい生き方」

「決して、海はゴミ捨て場ではありません!」:インド洋に浮かぶ島国モーリシャス共和国女性大統領からの強いメッセージ

『ファインディング・ドリー』が環境災害を引き起こす?: ディズニー映画人気とペットブームについて知っておきたいこと

都会近郊の磯で死滅回遊魚に出会える!---さとう俊さん

日本漁業は崩壊の瀬戸際に—「ハレ」と「ケ」が逆転する日本の食卓






過去記事を検索して読む


ビッグイシューについて

top_main

ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。