「生物多様性ホットスポット」というキーワードを耳にしたことはあるだろうか。
ビッグイシューの販売地域である都市部に住んでいる人々にとっては、ピンとこないかもしれないが、例えば日本に生息する脊椎動物種のおよそ4分の1、両生類の75%は日本固有の種だ。
環境省では「里地里山は、長い時間をかけて人々が自然と寄り添いながらつくりあげてきた自然環境」と捉え、生物多様性の保全には、「里山」が重要なポイントと考えて、これまで「生物多様性保全上重要な里地里山」の選定などの活動を行ってきた。(*2)
2017年5月1日発売のビッグイシュー日本版310号では、そんな人と自然の共存の場所としての「里山」を特集している。
墓標を自生する「好きな木」にできる「里山型樹木葬」/千坂嵃峰さん
好きな木を墓標として、その下に埋葬された遺骨はやがて土に帰り自然と一体化。
そんな「里山型樹木葬」の仕組みを発案し、岩手県の知勝院で実践する千坂嵃峰(げんぽう)さんに、20年以上に及ぶ里山再生の取り組みを取材。
亡くなったら「里山型樹木葬」で埋葬してほしいとしている契約者は様々な宗教から現在全国に2400人いるという。
「里山型樹木葬」を始めたきっかけや、管理の苦労などを話してくれた。
※310号誌面(実際の誌面はカラーです)
千坂嵃峰(ちさかげんぽう) 1945年宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程(この間休学し、松島瑞巌寺で修行)中退。聖和学園短期大学きゅじゅなどを経て84年、祥雲寺住職就任。 |
「竹害」を防ぎ、資源として有効活用する「竹テント」/NPO法人トージバ
毎月東京で開催される「アースデーマーケット」をご存じだろうか。
オーガニックな食材や、フェアトレード製品、環境に配慮したプロジェクトなど、「持続可能社会」というキーワードにピンと来る人なら、とても楽しい市場だ。
そこにかかわったことをきっかけに、「オーガニックだけでなく、環境について考える場なのであれば、イベントに使われるテントも自然素材を使ったほうがいいのでは?」と考えたのがNPO法人トージバだ。
竹林は放置するとどんとん拡大し、林をも枯らす。里山の生物多様性の低下につながる「竹害」を資源として捉えなおし「竹林再生プロジェクト」に乗り出した。
今では竹テントが形になり、イベントなどで貸し出しもするようになった。
竹テントは軽くて扱いやすく、醸し出す雰囲気もよいと評判だ。
事務局長の神澤さんと、理事の青木さんに「竹林再生プロジェクト」についての想いや展望を聞いた。
※310号誌面(実際の誌面はカラーです)
NPO法人トージバ 持続可能な循環型社会の実現に向けて「食」「農」「都市と農村の交流」における課題をテーマに活動。竹林再生のほか、「大豆レボリューション」では、農家の指導のもと、大豆の種まきから草取り、収穫、脱穀、味噌仕込みまで行う。 http://www.toziba.net/ |
その他、山林の荒廃を防ぐ活動と、児童養護施設の子どもたちの心を支える2つの課題に貢献している「NPO法人東京里山開拓団」の堀崎さんに、活動のきっかけや子どもたちとのエピソード、これからの展望について話を聞いている。
※310号誌面(実際の誌面はカラーです)
東京里山開拓団 東京都八王子市美山町にある里山を拠点に活動中。児童養護施設の子どもたちと一緒に里山を切り拓き、子どもたちのふるさと作りと里山保全を同時に進めている。活動の趣旨に賛同いただける会員やサポーターを募集中。 http://satoyamapioneers.web.fc2.com/ |
*1:CONSERVATION INTERNATIONAL JAPAN
ビッグイシュー310号ではそのほか
・映画『光をくれた人』で共演したマイケル・ファスベンダー&アリシア・ヴィキャンデルへのスペシャルインタビュー
・「リレーインタビュー。私の分岐点」:モデル 田中里奈さん
・チリでの「市民サポーター」が投資、太陽光発電所「ブイン1」始動ニュース
・フリーランス書店員久禮亮太さんへのインタビュー
など、盛りだくさんです。
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