いじめ、リストラ、突然の神経障害と失職。度重なる試練を経て「生活保護のリアル」を伝えるみわよしこさん

「ダイヤモンド・オンライン」に掲載されているみわよしこさんの「生活保護のリアル」が連載100回を迎えました。生活保護問題について継続的に情報発信を続けている、稀有な連載です。

度重なる試練を経て「生活保護のリアル」を伝えるみわよしこさん

みわよしこさんのインタビューが西日本新聞に掲載されているので、まずはこちらをご紹介。

 コンピューター関係の専門学校で講師の職なども得て、ようやく暮らしが安定した頃、またも試練が。

05年秋、手足の動きが急に鈍くなった。病名は「末梢(まっしょう)神経障害」。原因は不明。外出には車いすが欠かせなくなり、講師の職を失った。

 家賃や車いすのリース代など必要費用を差し引くと、食費などに回せるお金は月1万円程度に落ち込んだ。空腹で「もうおしまい」と、都の社会福祉協議会に相談に向かった。間違えて、保護課窓口に行くと、生活保護の申請を勧められた。

 「何かあっても、救ってくれるんだ!」

 思いがけず、ぱっと心に花が咲いたようだった。保護は受けなかったが、安心したら力が湧いてきた。精力的に雑誌社に企画を売り込み、次々とものにした。学ぶ意欲も高まり、筑波大の博士課程で電子・物理工学を修得し、現在は立命館大の博士課程にも通い、生活保護制度を研究する。

七転び八起き「生活保護のリアル」 (西日本新聞) – Yahoo!ニュース

ご自身の経験を踏まえて発信される言葉は、多くの読者の心を打っています。以下、個人的におすすめの記事をピックアップさせていただきます。気になるものがあれば、ぜひクリックしてご一読ください。

「プリペイドカードで生活保護費を支給」の是非(第92回)

そもそもプリペイドカードは、対応している店舗でしか使用できない。生活保護利用者たち「御用達」の店舗には、野菜の無人販売スタンド・衣料や生活用品のリサイクルショップなど、プリペイドカードに対応する見込みの低いものが数多く含まれている。

大阪市の生活保護費プリペイドカード化は有害無益 犠牲になる生活保護当事者のプライバシーに配慮せよ――政策ウォッチ編・第92回

寒冷地・酷暑地における生活保護のリアル(第78回)

生活保護利用者たちは冬場、暖房費用を節約するために着ぶくれて過ごすため、動きにくくなる。一冬を過ごして春を迎えると、高齢者では顕著な運動能力低下が見られることも多い。「昨秋は上がれた段差が上がれない」といった事例も多いという。

また、肺炎での入院も多い。寒くて台所で作業できないため簡単なものしか食べられず、低栄養状態が引き起こされたりすることもある。「入浴を控える」も多く見られるという。

冬は極寒、夏は熱中症の恐怖にさらされる!寒冷地・酷暑地における生活保護の「住」リアル ――政策ウォッチ編・第78回

シングルマザーと生活保護(第76回)

「でも、お母さんたちに刷り込まれたスティグマって、大変なものなんです。生活保護を利用しはじめても、止めちゃうことがあります。たとえば、『病気になったので福祉事務所で医療券をもらって医療機関にいったら、受付で自分の子どもの同級生の母親が働いていたので、噂になって子どもが学校でいじめられることが心配になって生活保護をやめた』というお母さんもいます」(徳丸さん)

シングルマザーの貧困は本当に「自己責任」!?100人調査でわかった母親たちの実態

不動産業者に聞く生活保護のリアル(第69回)

「生活保護を利用している方が賃貸物件に入居しづらいのは、リスクが高いからです。滞納、夜逃げのリスクは高いですね。生活保護を利用していない方の中にも滞納したり突然いなくなったりする方はいるのですが、私の勤務している会社で仲介した方の中では100人に1人か2人くらいです。生活保護を利用している方だと、100人のうち5人くらいにはなります。高齢の方だと、さらに死亡リスクがあります」

家賃滞納や夜逃げ、高齢者の孤独死…不動産業者から見た生活保護の「住」リアル ――政策ウォッチ編・第69回

1人で480世帯を担当する大阪市の「ケースワーカー」(第67回)

では、1人で480世帯を担当しているケースワーカーは、どのように業務を遂行しているのであろうか? 

大阪市生活保護行政問題全国調査団の資料によれば、2013年、この人は家庭訪問をまったく予定していなかった。しかし実際には6月~8月の3ヵ月間に、33回の訪問を行っている。これを4倍すると、1年間で訪問が可能な世帯数は132世帯ということになる。1世帯あたり・1年間の訪問回数は、132÷480=0.275回となる。

ちなみに、厚労省が定めた基準では、1年あたり少なくとも2回となっている。いずれにしても「生活保護世帯を訪問して、現状を把握してケースワークを行う」という業務遂行は全く不可能であろう。

ケースワーカー1人が480世帯を担当する区も!生活保護行政をめぐる大阪市の「暴走」(3) ――政策ウォッチ編・第67回

「水際作戦」の実態(第49回)

「2006年5月、初めて、全国の福祉事務所長を集めた会議を厚労省が開催したんです。それまでも行われていた担当課長会議ではなく。その会議で厚労省が行なったのは、自治体間の生活保護利用率の比較でした。同じ程度の人口・産業構造の自治体の保護率を比較して、『保護率が高い自治体は、仕事をしていない』と、名指しで批判しました。そこで『優秀』と評価されたのが、福岡県の北九州市です。そして、この直後の2007年、北九州市で男性が『おにぎり食べたい』と書き残して衰弱死する事件につながりました」

生活保護法改正案は「欠陥法」!? 元ケースワーカーが語る水際作戦の恐るべき実態 ――政策ウォッチ編・第49回

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