「会津電力」「飯館電力」に見る、地域から始まるエネルギー革命
258号の表紙は俳優の三浦貴大さん、特集は「5年目のふくしま」となっております。本記事では、特集より「会津電力」代表の佐藤彌右衛門(やうえもん)さんのインタビューをピックアップいたします。
「会津電力」は震災後に立ち上がった自然エネルギーの電力会社。
原発の暴走を許してしまったこの責任を次世代負担としないようにする為に、福島県内の電力エネルギー需要を再生可能なエネルギーのみでまかなうことを可能にする体制を作り上げることを理念とし、私達自身が原発の危険性を見過ごして来た責任をもって会津電力株式会社を設立することと致しました。
代表は地元・喜多方市の「大和川酒造」9代目の佐藤彌右衛門さん。そう、なんと造り酒屋のご主人が電力会社を立ち上げたんです。
会津でおいしい酒が造れるのも、飯豊連峰の山々から流れる豊かで清らかな雪解け水と人々がいるから。会津には、自立できる十分な要素がある。だからまず大きな電力会社や原発に頼らずに、エネルギーで自立して地域を豊かにしたい、とね
会津電力は現在喜多方市雄国地区、岩月町で発電事業を行っています。これまでの発電量は、同じく会津地域でソーラー発電に取り組む「アイパワーアセット株式会社」と合わせてウェブサイト上で確認することができます。
佐藤さんは飯館村の「飯館電力」の設立にも尽力し、代表取締役副社長として奔走する日々を送っています。
原発事故の影響で、現在も全村避難が続く福島県飯舘村。ここで、村民や地元企業が中心となった地域のための電力会社である「飯舘電力」が設立された。1月23日に、最初の設備となる太陽光発電所の起工式を実施、同26日から工事が始まった。自然エネルギーを活用して、村の復興の原動力となることを目指す。
「自然エネで復興を」、全村避難の飯舘村で「飯舘電力」が誕生 — オルタナ: ソーシャル・イノベーション・マガジン!「オルタナ」
ビッグイシューでは、これまでにも新エネルギー関連の取り組みを紹介しています。たとえば2013年7月1日発売号では、「小水力発電」についての特集を掲載しました。
- 村の電力の20〜25%を小水力発電でまかない、年間1,400万円以上の売電収入を得る岡山県西粟倉村
- 年間56万kWを発電し、2,000万円の収入を見込む、高知県馬路村の小水力発電計画
- 年間約2,500万円の収入を見込む、人口150人の地域、高知県土佐山高山地区の小水力発電計画
- 50年以上現役で運転している、愛媛県新居浜市の「別子山発電所」
新エネルギーの台頭というのは、地方から始まっていくのかもしれませんね。「会津電力」についての一編の小さな記事は、未来を感じさせる内容となっています。