児童養護施設など社会的養護を経験した若者達で結成された「フェアスタートと愉快な仲間たち」。第1回ダイバーシティカップを見事優勝。チームリーダーの中島さんにフェアスタートの出会いや大会へ参加しての感想を聞きました。
フェアスタートとの出会いを通じて仕事を転職
―「フェアスタート」との出会いはどのようなものだったのでしょうか。
自分は施設を出た後にカラオケのバイトをしていました。バイト自体は楽しいし他にやりたいことがなかったのでずるずると続けていて、この先どうしようかなという不安がでてきた頃に、施設の人に紹介されフェアスタートの永岡さんに会ったんです。仕事の相談や適性検査を受け、ITの会社の求人を紹介してもらい2回面接をして無事に仕事に就くことができました。
今の仕事は楽しいという感覚とは少し違いますが、日々いろんな人と話す機会があるので勉強になっています。前の仕事は仕方なく就職した感じがあったんですが、今の仕事は自分で決断したから続けていきたいなと思っています。
スポーツや仲間があることで自分らしくいられる
―ダイバーシティカップはフェアスタートを通じて知ったんですか。
はい。永岡さんから「今度、面白いフットサル大会があるから出てみないか」って誘ってもらって、体を動かすのも好きだし新しい人と出会える機会かなと思って出ることにしました。
――中島さんにとって、スポーツや人とのつながりがもつ意味は大きいですか。
施設を出た後はどうしても日々の生活があるので施設の人や同級生とのつながりが薄くなってしまうところがあるんです。でも、フェアスタートを通じて、季節の催しに参加したり楽しみながら人とのつながりを持てるのは大きいです。やっぱり仲間がいるのといないのでは精神的にも違います。
それと自分は、人見知りであまり人と話すのが得意でなくて……スポーツがあると人とコミュニケーションしやすく自分を表現できるような感覚があります。試合中に、人見知りとかしている暇ないですから。(笑)
――ダイバーシティカップに参加してみてどうでしたか。
今回は永岡さんから呼びかけてもらい初めて結成したチームだったので、チーム内でも初対面の人もいて少し緊張したんですが、試合を重ねる中でチームが結束していったように思います。接戦の試合が多かったんですが優勝できて純粋に嬉しかったです。第2回の大会があれば出たいですね。
交流会では、他のチームの人と混ざって話す際に「大会参加のきっかけ」や「サッカー以外でもこれから頑張りたいこと」といったテーマがあって話しやすかったです。みんなそれぞれのチームごとにいろんな悩みを持っているけれど頑張っているんだなって感じて、自分も頑張っていけたらなと思いました。
―今後、チャレンジしたいことはありますか。
まずは今の仕事を続けていきたいと思っています。それと、仕事外の時間をもっと充実させて、野球でもフットサルでもスポーツのつながりを増やしていきたいです。
※フェアスタート:「社会的養護」の対象となる子供達が、社会全体で育まれていくような機会創出に注力した事業を展開。入所中のキャリア教育事業、退所時、退所後の就職あっせん事業、退所後のアフターフォローイベント事業などを実施。
〇ダイバーシティカップの報告書(抜粋版)は下記からご覧いただけます。
https://bigissue.or.jp/action/diversity/