「ビッグイシュー日本版」292号から、読みどころをピックアップいたします。
今回は、第10回雨宮処凛活動日誌より、「家賃を下げろデモ」に関する記事を紹介します。
家がないことは、その人から仕事・希望を奪い、孤独にする
ビッグイシュー・オンラインでは、ハウジングファーストという支援の形を何度か紹介してきました。
NPO Pathways to Housingのビデオでは彼らが活動するフィラデルフィア市の上層部の役人が驚きを隠さずに次のように語ります。「ある意味では、「ハウジング・ファースト」という考えは、従来の支援モデルにおける優先順位を逆転したに過ぎないのですが、その成功率は従来型の手法の3倍に及んでいます。ハウジング・ファーストは並外れて重要なプログラムであると私は思うのです。(その成功率は従来型支援の3倍!!住まいは人権であり、人は誰しも安全な住まいで暮らす権利がある。「ハウジングファースト」という、新しいホームレス支援の形とは。 : BIG ISSUE ONLINEより)
ハウジングファーストでは、ここにあるようにホームレス支援のこれまでのやり方と順番を変えるだけで大きな成果を残しています。詳しくは記事を見ていただきたいのですが、安心して住むことができる自分の家があることが、大きな効果のきっかけになっているように思います。
デモの中で、つくろい東京ファンドの方が、活動の中で出会ったネットカフェ難民の男性のエピソードを話す中でこのように言っていたようです。
「家がないことは、その人から仕事を奪います。希望を奪います。そしてその人を孤独にさせます。」
ここで、話されているように安心して住むことができる自分の家があるということは、その人の生活に大きな安心を持てるようになることに繋がります。
あなたは今、親元にいるだろうか。一人暮らしだろうか。もしかしたらネットカフェかもしれない。どんな状態だとしても、家賃が安くなったら生活は根本から変わる。家賃のために働くような状態から抜け出せるかもしれないし、実家を出られるかもしれない。住宅手当が拡充されたら、ネットカフェ生活からの脱出だってできる。「住宅保障」という新しい視点を打ち出したデモから、さまざまな気づきをもらったのだった。
今、ネットカフェでしか夜を過ごすことができない人も、家賃が安くなり自分で住む場所を選ぶことができるようになれば、自分の生活を大きく変えるきっかけを手に入れることができるかもしれません。
最新号では他にも
・スペシャルインタビュー スティーブン・スピルバーグ
・特集 夏こそ眠る
・国際 ドイツ、新たな難民統合法、3年後に社会への適応を問う
・Big Issue Eye 熊本、止まらぬ余震が生んだ「車中避難者」へのアンケート調査
・ワンダフルライフ “段ボール拾い”、世界20ヵ国以上で――島津冬樹さん
などなど、多彩な投稿が掲載されています。ぜひ、路上にてお買い求めください!
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