「“推し”だけでなく、困っている人も助けてあげてね」と言われたファンたちは…イ・ジュンギグローバルの「ソーシャルアクション力」がスゴい

韓国の人気俳優イ・ジュンギさんの来日・ファンミーティング(2024年6月)開催を記念して、ファングループ「イ・ジュンギグローバル」のみなさんの呼びかけによる『ビッグイシュー日本版』(480号)裏表紙への応援広告が掲載されました。広告出稿としてビッグイシューを選んだ背景や掲載プロセスについて、イ・ジュンギグローバルの日本窓口を担当しているTさんにお話を伺いました。


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ファンの皆さんの寄付によって応援広告が掲載された『ビッグイシュー日本版』(480号)

Q:「イ・ジュンギグローバル」とは?

Tさん:俳優イ・ジュンギさんには、世界中にたくさんのファンがいて、ファングループもいくつもあります。日本のファンも多いのですが、各国バラバラに活動しているとできることが小さくなってしまうので、世界各地のファンたちがともにイ・ジュンギさんを応援できたらと、20から30の国のファンが集まったファングループが「イ・ジュンギグローバル」です。

Q:イ・ジュンギさんやそのファンは、寄付などをよくされているそうですね?

Tさん:イ・ジュンギさんは以前、「自分は恵まれていて、ファンの皆さんからたくさんプレゼントをもらっているから、自分だけじゃなくて、困っている人たちへの寄付とか、そういうソーシャルグッドなことにもお金を使ってね」とおっしゃってたんです。

ファンの私たちは、ドラマ出演など何か企画をするたびに彼をサポートするんですが、彼のそんな発言を受けて、彼のサポートと同時に困窮者支援のためのお米の寄付や、子どもたちのためになるような寄付を続けています。2023年には、いつもファンミーティングを開催するのが横浜というご縁で、横浜市社会福祉協議会に寄付をしています。


Q:なぜ、『ビッグイシュー日本版』に応援広告を出そうと思われたのですか?

Tさん:イ・ジュンギさんは2018年に『ビッグイシュー韓国』の表紙を飾ったことがあって、その時にビッグイシューの仕組みを知りました。それで今年の4月にソウルでファンミーティングがあったときには、イ・ジュンギグローバルでサポート参加者を募って、『ビッグイシュー韓国』の巻頭ページに誕生日広告を掲載したんです。

今の時代はデジタルサイネージでの広告でお祝いするというやり方もありますが、ビッグイシューだと雑誌という形がアピールになるし、社会貢献にもなるし、ファンにとってはそれぞれの手元に残るので、「日本でも予算が合えばぜひやりたいね」という話になりました。

それで、日本でのファンミーティングに合わせて『ビッグイシュー日本版』に応援広告を載せるべく、サポート参加者を募ってみました。そうしたら、日本国内を中心に海外の方からも応援をいただくことができ、無事広告掲載が決まりました。

Q:応援広告のプロジェクトで大変なことはありましたか?

T:イ・ジュンギさんの事務所の許可をきちんととることが必要です。宣伝効果も大きい分、影響力もあるので、事務所が著作権を持っている写真のなかから許可をもらう必要がありました。でもいったん許可が取れたら、高画質の写真を用意してくださるなどの配慮をしていただけました。

あとは、デザインの工程がいちばん大変でしたね。デザインの出来で企画の良し悪しが決まってしまうので、とても力を入れました。参加者のなかに、デザイナーの方がいらっしゃるのですが、その方がボランティアで参加してくださいました。でももちろん我々二人とも日中は仕事があるので、打ち合わせはいつも夜中になり、毎日寝不足でした(苦笑)。こんな色遣いがよい、こんなフォントがいいのではと、企画のテーマに合うよう細かなところまでブラッシュアップしていきました。

Q:何か不安や心配なことはありましたか?

Tさん:横浜でのファンミーティング当日に、会場近くで応援広告の号をビッグイシュー販売者さんが販売してくれることになったんですが、「ちゃんと売れるかな」ということがいちばん心配でした。

というのも、ファンミーティングにいらっしゃるファンの方々は公式グッズも欲しいから、そちらに朝から並ぶのですが、ビッグイシューの販売場所は少し離れているので、どうなるかな…と。あとはちゃんとビッグイシューが売れるかな…という心配がありました。

そこで、以前用意したファングッズのブレスレットがあったので、先着50名で販売者さんに配布してもらうよう手配しました。ふたを開けてみたら、お友達同士で列に交代で並んで、代表者が買いに来る、みたいな形を取られた方も多かったようで、ブレスレットは1時間ほどで配りきり、ビッグイシューも当日は100冊以上売れたと聞いてほっとしました。

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当日、ファンミーティング会場近くにて

Q:やってみての感想は?

T:『ビッグイシュー韓国版』の応援広告掲載号は、海外ということもあって買えなかった方もいましたが、「日本版だから買えた!」という声が多かったようです。はじめてビッグイシューの販売者さんとお話できてよかった、という人もいて、うれしい気持ちになりました。
購入したことをSNSで紹介して広めてくれる方もいて、ありがたかったですね。

路上のホームレスの方もあまり見かけなくなりましたし、なんでもキャッシュレスの時代でおつりを募金箱に入れる…というシーンも少なくなるなか、今回の企画で自然に販売者さんとお話しする機会ができたり、販売者さんにも購入者とのふれあいを楽しんでもらえたりしたなら、やってよかったなと思います。

Q:「ビッグイシューに応援広告を載せる」って、“推し活”としてはどうですか?

日本の事務所だと許可を取るのが難しかったり、デジタルサイネージの広告は法人じゃないと出せないものもあったりと、出稿ハードルが高い場合があるかもしれませんが、ビッグイシューの応援広告は所属事務所から許諾をきちんと取れれば、ファンの皆さんの手元に記念の「形」として残るので、いいと思いますね。一石二鳥どころか、三鳥、四鳥じゃないでしょうか(笑)。ビッグイシューの広告担当の方にも、いろいろ相談に乗ってもらえましたし、そんなに構えなくても、やってみたらいいんじゃないかなと思います。


イ・ジュンギグローバルの皆さん、ありがとうございました!

『ビッグイシュー日本版』の “推し”の応援広告のご紹介
  https://www.bigissue.jp/how_to_support/program/cheering_ad/

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