(2012年2月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第184号より)
中国、広がる経済格差 1%の世帯が富の41.4%を占有
経済評論家の邱林(チョウ・リン)氏は世界銀行が発表したデータを引用し、「1パーセントの世帯による全国の富の41.4パーセントの占有をどう見るか」という文章を発表した。
その中で都市住民における高所得者層と低所得者層の格差が、1985年の2.9倍から2009年の8.9倍と急速に拡大している事実をあげ、格差は単なる経済問題ではなく、公平と正義に関わる社会問題だと主張している。
外国の富裕層が1億元のために15年、1億元を10億元に増やすのにさらに10年かかるところを、中国の富裕層はわずか3年で成し遂げてしまうという。
また巨大な富を築いた中国人は3タイプあり、権力と資本をもち合わせた人、違法な手段で儲けた人、あるいは鉱物資源などの採掘や独占的な業種に従事する人で、まっとうな方法で成功した人は3割にも満たないと業界人は指摘している。
また都市戸籍の住民と農村戸籍の住民の間に、実質6倍の格差があるといわれている。こうした多重構造の格差はまだまだ広がる趨勢だ。
(森若裕子/参照:中国評論、星島環球網)