(男性/26歳)
物を建てたり、動かしたりするためにはお金って存在がいるよなぁ。僕は持ってないからさみしいけどハハハ。
そういう資金を貸し出す仕事をするのは間接的に世の中の役に立っていると思うんだけれど、例えば、超高層のマンションのいい景色が見える部屋に家族を住まわせたいという人もいたりすると思う。
この人は、仕事自体は順調やけど、物事のとらえかたで壁にぶち当たってしまって悩んでいるのだと思う。「何か社会の役に立ちたい」なら、自分がこの会社の何に向いているのか?どういうかたちで役立ちたいのか?といったことをお茶でも飲んでゆっくりと考えてみたらどうでしょうか?あなたの仕事でいうと、融資したお金がどういうかたちで活かされたら自分が満足するのかとか。
それを整理する一つの方法は、何に悩んでいるかを目に見えるかたちにすること。紙の上に自分を書いて、そこから放射線状に線をのばして、書き出していく。
例えば「これに時間とられるのがいやだ」「これはこうしたくない」とか。自分のグラフを作るんです。そしたら一目瞭然で「しょうもないことで悩んでるなあ」「これは重要やんけ!」といったことがわかる。
それに優先順位をつけて、次は具体的にどうするのかをまた線をひいて書き出す。そうするとおのずと考え方ってまとまってくる。
この仕事をじっくり続けていくのか、会社の中で配置転換を求めるのか。例えば、金融業でも外回りの仕事は、街の商店街のおじさんやおばさんを相手にして集金してくるわけやろう?
「○○信用金庫です。今度こういう商品が出ました」って。そういう仕事の方が向いているかもわからへんしね。大企業への貸し付けではなく、個人にかかわっていく部門に異動願いを出すとか。
別の部門に行ったらもっと力を発揮できるかもわからんし。まったく選択肢がないわけじゃない、選択の幅を広くして自分の仕事を捉えてみたらどうやろうか。
僕も社会人になって働き始めたときは、この人と同じように悩んだこともあったけど、5年10年と続けたときに、よくやったなぁと思えるときがきっとくる。もう少し肩の力を抜いてほしいなぁ。ぼくは抜けっぱなしだけど。そのうち、ひょっとしたら、世直しもできて納得のいくプロジェクトにかかわる機会が巡ってくるかもしれんからね。
(大阪/N)
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