Q:当初は私を名前で呼んでくれていた夫ですが、結婚して10年も経つと、「おい」「ちょっと」としか呼んでくれません。どうでもいいような存在に思えて悲しくなります。かといって、照れくさいのもあって「名前で呼んで」と面と向かっても言いにくいのです。もう一度名前で呼んでもらうためには、どうしたらいいでしょうか。
(女性/35歳/主婦)
A:う〜ん、僕にはノロケにしか聞こえないけどなぁ(笑)。日本の男は口ベタな人が多いし、「女は黙ってついて来い」というのが美学だと考える人もまだまだいるからね。「おい、お前」って呼ぶのは、女性にしてみれば、えらそうに聞こえるだけかもしれないけど、男の本音を言わせてもらえば、実は妻を大切に思っているという場合も多い気がするなぁ。
多分、旦那さんが初めてあなたを「おい」と呼んだ時は、どういう反応をされるのかわからなくてドキドキしたと思うよ。でも、普通に「はい」と返事してくれることがわかって、それでいいんだと思い込んでしまったんだろうね。
もう一度、名前で呼んでもらいたいなら、「おい」と呼ばれても返事をしないとか、その翌日は食事を作らないとか、大げんかにならない程度に少し抵抗してみたらどうだろう。「調子に乗っていると、実家に帰るわよ」と、別居をちょっぴりにおわせて危機感を漂わせてみるのもいいかもしれないね。あなたの不満や寂しさにちょっとでも気づいてもらえたら、呼び方も考え直してくれるかも。
実は、僕自身もそんな経験があるんだ。結婚していた当時、いつしか妻を「おい」なんて呼ぶようになっちゃってた。でも、離婚が近づいてきてからは、「これじゃ、いけない」と考えて妻をもう一度「○○ちゃん」って名前で呼ぶようになったんだ。
まったりとした時間が10年も流れちゃったから、いつの間にか空気のような存在になっちゃって、「おい、お前」が定着してしまったんだろうね。
何年経っても、夫婦の間にはある程度の距離感や緊張感を保ったほうが、いい関係でいられるかもしれないね。
結論。あなたの質問からは「幸せいっぱいです」という空気を感じるよ。ごちそうさまでした!
(大阪/Hさん)
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