こんにちは、オンライン版編集長のイケダです。最新号から読みどころのご紹介をお届けします。
暗闇の山を歩く「ナイトハイク」の魅力
最新号の特集は「闇と遊ぶ」です。人工光で溢れる現代社会に生きる私たちが、すっかり忘れてしまった「暗闇」の魅力を堪能する特集となっています。
特に興味深かったのは「ナイトハイク」の紹介。作家の中野純さんが約20年前に始めた取り組みで、その名の通り、完全な闇夜のなかをハイキングする行為を指します。
記事中では東京から比較的近い、箱根の山を深夜にハイキングする様子が描かれています。小涌谷駅から徒歩五分の登山口は、街灯は一切ない完全な暗闇。記者の石井さんは「あまりの暗闇に少々怖気づいてしまう」と語っています。
勇気を出して一歩を踏み出すと、五感が冴え渡ってくることに気がつきます。「ポツリ、ポツリ」という「花が木から落ちてくる音」が聞こえたというから驚き。暗闇の山頂で食べたおにぎりも、微妙な味を感じ取ることができ、普段よりも何倍も美味しかったそうです。
とはいえ、いくら整った登山道とはいえ、真っ暗闇のなかをハイキングするというのは、それなりに危険な行為。初心者の方は専門家が案内するツアーからまずは参加するのをおすすめします。中野さんのおすすめは、シーサイドナイトハイクとトワイライトウォークだそうです。
僕が入門編としてお勧めするのは、夜の海辺を歩くシーサイドナイトハイクです。海辺は、障害物がないので歩きやすく、危険もほとんどない。空が広く開放的で気持ちよく歩ける。月や星、沖にある船の光や遠い街の灯りは、淡くやさしい光を投げかけてくれます。
また、夜の山に行きたいという初心者は、トワイライトウォークに挑戦してみてください。高尾山くらいの低い山に、まだ陽のあるうちから登り、山頂で日の入りを見届けて、来た道を戻ってくる。そうすれば、帰り道が暗くても一度歩いた道なので安心です。
特集では他にも暗闇で呼吸と発声のトレーニングを行う「クラヤミノtones」、闇夜で光る生物を探究する近江谷克裕さんのインタビューが紹介されています。いずれも暗闇の楽しさをたっぷり伝えてくれる、すばらしいコンテンツとなっています。ぜひ路上にてお買い求めくださいませ。
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