「ビッグイシュー日本版」266号から、読みどころをピックアップいたします。
建築基準法改正によって広がった「木造ビル」の可能性。「ウッドファースト」にシフトする建築業界
266号、表紙は女優、モデル、さらには雑誌の編集長まで…ジャンルを越えて活躍を続ける菊池亜希子さんを独占インタビューしました!
この記事でピックアップするのは、特集「木の都市へーウッドファーストの世界」から「NPO法人”team Timberize”」の活動について。
木でつくることをあきらめたもの、
木でつくれないと思っていたものが、
木でつくれるとしたら、
街はどのように変わるのでしょうか?
日本では古くから木材を使って建築を作ってきました。
法隆寺に代表される伝統木造建築は日本の誇るべき文化です。
しかし、木造建築はそれだけではありません。
2000年の建築基準法改正により、木造建築でも耐火建築が建設可能になりました。
どこにでも、どんな用途でも。
一方、近年では様々な木材が開発されています。
硬い木、柔らかい木、腐り難い木、燃えにくい木、・・・。
近代以降、鉄やコンクリート、プラスチックに置き換えられてしまった「木」が新しい材料として、今もう一度、建築の主役に躍り出ようとしています。
(略)team Timberize は「木」を新しい材料としてとらえ、木造建築の新しい可能性を探っていきます。
このようなコンセプトのもと、2009年に団体を発足。2011年にNPO法人化し、「木造建築」を探求する活動を広げています。
代表理事の腰原さんは都市木造が急速に脚光を浴び始めた背景をこう語る。
「日本は元来木造文化でしたか、近年の自然災害や空襲などで多くの木造家屋が焼失した経験から、戦後は大型木造の建築が禁じられてきました。
しかし、2010年ごろから国が公共建築物をできるだけ木造化する法律を制定し、木造建築への動きが急速に進み始めました。
ただ、元々は耐熱性に弱いなどの木材の弱点がその発展を妨げていたのだが、近年その弱点を克服する”エンジニアード・ウッド”というものが使われ始めたのです。
これにより、阪神・淡路大震災と同じ震度6強で揺らしても、倒壊しないことが確認されたりと耐震的にもとても良い評価を受けられるようになってきたのです。」
また、”木造だからできる”循環型の社会についても、興味深い構想が語られています。
建築材は中高層の建物から始まり、寿命が来れば、解体して、今度は小さな住宅材に使い、さらにパネル材としてリサイクルして、最後にバイオマス燃料として使う頃には、森林で新たな木が育っている。そんなサイクルを実現するのも夢じゃないんです。
日本の木材を巡っては「今後100年以上木材を使っても消費し続けられるほどの木材を保有しながら、7割以上が国外からの輸入で賄っている」という状況にあります。
そんな現状を打破するために、「都市の木質化プロジェクト」といった活動も発足しています。これからの住まい、そして、生活環境。それらが、大きく変わる動きとなることは間違いないでしょう。
路上にて、ぜひ266号を手にとって「ウッドファースト」の世界に触れてみてください。
最新号では他にも、
- リレーインタビュー:山口良一さん
- スペシャルインタビュー 菊池亜希子さん
- 東田直樹さんの連載「自閉症の僕が生きていく風景 対話編」
- ホームレス人生相談
などなど、多彩なコンテンツが掲載されています。ぜひ、路上にてお買い求めください!
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