ビッグイシューで2年5か月、全57回にわたり連載をしてくださった自閉症作家の東田直樹さん。
http://www6.nhk.or.jp/special/index.html
自閉症の作家・東田直樹さんと自閉症の息子を持つイギリス人作家デビッド・ミッチェル氏が交わす往復書簡を軸に、謎に包まれた自閉症の世界を解き明かすとともに、ひとりの若者が世界に広げた希望の物語を描いていく。東田直樹さんは、日常会話は不可能だが、文字盤やパソコンを通して意思を伝えられるという極めてまれな能力を持っている。謎に包まれた自閉症の世界と健常者の世界の橋渡し的な存在である。15歳の時に書いたエッセイが、同じ自閉症の息子を持つデビッド・ミッチェル氏の目にとまり、翻訳され、世界30カ国でベストセラーとなった。その本を読んで初めて、自閉症の子供の心の声が聞こえたという家族も数多い。
東田さんは24歳になった。一般的なコミュニケーションを取れない自分だからこそ、救える人がいるのではないかと考え、作家活動を始めている。この夏、東田さんは、ミッチェル氏の住むアイルランドを訪ね、自閉症の息子と出会い、その心の声に耳を澄ませた。この番組は、世界に700万人とも言われる自閉症者を持つ家族に希望を与えるとともに、さまざまな生きづらさを抱える人たちにも大きな共感を呼ぶはずである。
THE BIG ISSUE 138号(2010.3.1)~272号(2015.10.1)
例:230号「原始時代からタイムスリップ。批判、駆け引き、競争が苦手」
お日様を見れば、光の分子に心を奪われ、砂をさわればその感触に全神経を集中させてしまう私たちですが、決して人が嫌いなわけではありません。声をかけられても知らん顔をするのは、近くにいても気づかなかったり、どう答えていいのかわからなかったりするためです。
例:245号「人は、外見ではわからない障害に、とても厳しいと思います」
人は、外見ではわからない障害に、とても厳しいと思います。 病気やけが人に親切にしたり、弱者を守ってあげたりする気持ちは、誰でももっています。しかし、無条件に助けるのは、自分がかばわなければならないと感じた時だけではないでしょうか。その理由として、目に見える不具合というものは、容易に想像しやすいため、ということがあげられます。 どれだけ辛いか、痛いかは、一度でも似たような経験があれば、たやすく想像できます。けれども、見るだけではわからない病気や障害は、なかなか共感することができません。そのために、つい自分を基準に判断してしまうのでしょう。
THE BIG ISSUE 190号(2012年5月1日発売)
宮本亜門×東田直樹
自閉症 ― 「生きる風景」/エミリー・サンデー
東田直樹さんと演出家の宮本亜門さんの対談が実現。また、山登敬之さん(精神科医)に人間の発達と教育についてお伺いしました。
僕は海を愛しています。(中略)
苦しいと気持ちや感情が高ぶることがありますが、海はその気持ちをなだめてくれるからです。
東田直樹さん著書『風になる―自閉症の僕が生きていく風景』出版記念記者会見
2012/12/01の会見レポートより抜粋(「夕焼けのオレンジは命の色」(単行本収録のコラム)について、今も東田さんにとって命の色はオレンジ色なのですか?という質問に回答。
僕の命のイメージは、今でも夕焼けのオレンジです。なぜなら、夕焼けがあるからこそ、今日の日におわりがあることを知り、聞いてほしいと思うような一日に感謝ができると思います。だから、夕焼けは命のいろんなものを宿しています。おわり
ビッグイシュー日本「10周年記念連続イベント」
講演と対談 「希望を語るー自閉症、その内面の世界」 東田 直樹さん×山登 敬之さん
2013/08/04の会見レポートより抜粋
思いは心の中にあるもので、言葉は体の外に出ていくもの。
思いを持っているということは、 どんな方法で証明できるのだろう。
ビッグイシュー日本版創刊11周年記念・東田直樹、東田美紀講演会レポート
2014/09/06の 会見レポートより抜粋
先ほどのビッグイシュー販売者の方たちの講演に感動しました。 僕はこれからもずっとビッグイシューを応援していきます。おわり!
THE BIG ISSUE 260号(2015年4月1日発売) 特別企画「東田直樹さんに聞く AtoZ」
記事より抜粋(「生きるのがつらい時、どうしたらいいでしょうか?」という質問に対する、東田さんの回答。 )
どこかに出口があるとは考えず、じっと立ち止まってください。 そして、昨日と同じ1日を過ごしてください。つらい気持ちと向き合おうとしなくても、 人は生きていけます。あなたが悪いわけではないのです。人は与えられた環境の中で、 精いっぱい生きなければならない動物です。たとえ、自分の精いっぱいが他の人と違っても、 恥ずかしいことではありません。
「風になる 自閉症の僕が生きていく風景 (増補版)」出版(2015 年9月ビッグイシューより発売)
発話できない著者が文字盤で思いを伝えられるようになるまでの日常や、ありのままの自分を率直に語る。連載エッセイ74 編、宮本亜門さんとの対談も収録の増補版。路上で一万冊突破。
意欲をもたせるのは、子どもの場合、ほめることでも可能でしょう。しかし、ほめる行為は、好きだという気持ちを伝えることとは別のものだと考えています。なぜなら、ほめる時、同時に好きだという気持ちを伝えると、いい子の自分だから愛されている、と勘違いしてしまうからです。僕は、そのままのあなたを愛していると伝えることが、何よりも大事だと感じています。
「社会の中で居場所をつくる 自閉症の僕が生きていく風景」(対話編・往復書簡)出版(2015 年12 月ビッグイシューより発売)
東田直樹さんと、精神科医・山登敬之さんの立場をこえた率直な往復書簡。「記憶」「自閉症者の秘めた理性」「純粋さ」「嘘」「自己愛」「自分らしさ」など、根源的な問いが交わされる。
人を感動させるような言葉を書くことは簡単です。本当に難しいのは、心の奥に眠っている痛みを伴った感情を吐き出すことです。そうしなければ、思いを伝えられるようになったとしても、それは、みんなが感心してくれるような自分を演じられるようになっただけではないのでしょうか。
ぜひ11月12日、番組をご覧になって、東田さんの言葉に耳を傾けてみてください。