様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら)
障がいのある方・引きこもり・生活保護受給者など社会で生きづらさを抱える方々の外出するきっかけづくりから就労支援、定着支援を行うNPO法人FDA。ダイバーシティカップには、様々なことにチーム一丸でチャレンジしたいという想いで「FDAチャレンジ」というチーム名で参加。大会に参加したメンバーの背景や大会の感想にチームリーダーの成澤さんに聞きました。
私たちFDAは川崎市内を中心に、障がいのある方・引きこもり、生活保護受給者など、働きづらさを抱える方々の外出するきっかけ作りから就労支援、就労後の定着支援まで一貫して行っています。病気で仕事を休職・退職してしまった、不登校やいじめにあった経験などで自信が持てないなど壁にぶつかった多様な背景をもった人が利用しているのが特徴です。
‐今回の大会に参加した理由はどのようなものだったのでしょうか。
土日を楽しく過ごすことは当たり前のように考えられていますが、就労支援の観点で見た時に見過ごされがちな視点で、前回大会の報告書でもこの点をお伝えさせてもらいました。平日ジョブトレーニングで仕事に向けての準備を頑張っている人でも、休みの日を上手に過ごせず孤独感を抱えているメンバーもいるんです。 そこで、私たちの団体では、土曜日に、かき氷や納涼祭、様々なアクティビティを実施しています。「ダイバーシティカップ」は普段スポーツをする機会が少ないメンバーにとって体を動かし他団体の人と交流する場になったらよいのでは、という思いから2年連続で参加させてもらいました。
-メンバー集めはどのようにしたのでしょうか。
前回大会に参加したメンバーの多くは、幸いなことに卒業し次の就労先で頑張っているものも多くいます。そのため、今大会には、事業所の趣旨を説明し興味を持ったメンバーで参加させてもらいました。年齢的には10代~40代、背景的なことを言いますと、私自身も網膜色素変性症で目がほぼ見えていません。他には、知的障害、統合失調症、癲(てん)癇(かん)、心臓病など、本当にいろんな背景を持ったメンバーです。ここに、ダイバーシティカップの事務局から助っ人プレーヤーを2人加えてもらい試合をしました。
まず、会場が遠いので川崎駅の集合時間が8時だったんです。普段のジョブトレーニングが朝10時スタートであることや体調に不安を抱えるメンバーが多いことを考えると、ここからが私たちにとってはチャレンジでした。「みんな無事に集まれるかな」「天気は大丈夫かな」そんな心配もありましたが、無事に集まることができ、試合前に1つのチャレンジを成功できたわけです。
会場では、試合前のアイスブレイクがあって、知らない人と挨拶をしたり、ハイタッチをしたり、追いかけっこをしたり、普段とは違う環境、違うメンバーでの交流でした。緊張していたメンバーも多かったのですが、「●●県出身の人集まって~」「靴の色似ている人で座って~」など、共通する点を探す遊びを交えてのアイスブレイクが楽しかったですね。
これらのチャレンジを終えて、ようやく試合になるわけですが、いくつかの試合を勝つことができました。勝てたことはもちろん嬉しいのですが、私たちにとって一番うれしかったのは、チームのメンバー全員がコートに立って試合を楽しめたことです。勝負事なので勝ちたいという想いは当然ありますが、身体が動く人だけ、うまい人だけがプレーすればよいのではなく、みんなハンデは抱えつつもコートに立ってプレーをする、そのことを大切にしたかったんです。その結果として勝つこともできた。それはすごく大きな自信になりました。うちのメンバーで島という女性がいるのですが、彼女1点決めたんです。本人は「嬉しいけれど、ほんとかと思った!」と言っていましたが、それは彼女が会場に足を運び、コートに立ちゴール前にいたからこそできたことなんです。結果だけでなく、そうした1つ1つのチャレンジに意味があると思っています。
-「ダイバーシティカップ」で今後チャレンジしたいことはありますか。
いろんな人がダイバーシティカップには参加しているので、点数や勝ち負け以外でも表彰をするという「ダイバーシティカップ」ならではの評価軸があっても面白いと思います。応援を頑張っている人。ファッションが面白い人。等々・・
でも、個人的に一番してみたいことは、FDAを利用しているメンバーの家族に来てもらうことです。メンバーはみんな事業所の中でジョブトレーニングを頑張っているんです。そして、ご家族はそのメンバーを家から見送って応援してくれている。だから、仕事もそうだけどサッカーや様々な場面で頑張っているみんなの表情を見てもらいたい、そんな風に思っています。
第2回ダイバーシティカップ報告書(PDF版)
<冊子版ご送付について>
冊子版をご希望の方には無料でお送りいたします(着払い送料のみご負担をお願い致します)。
(1)お名前 (2)ご住所 (3)ご希望冊数をお書きの上、 tokyo@bigissue.or.jpまでご連絡ください。
※冊数によって、ゆうメールもしくはゆうパックで発送いたします。お申し込みいただいてから、平日で1週間程度で事務所から発送予定ですが、時期・冊数・お届け先などによっては、もう少しお時間をいただく場合がございます。
障がいのある方・引きこもり・生活保護受給者など社会で生きづらさを抱える方々の外出するきっかけづくりから就労支援、定着支援を行うNPO法人FDA。ダイバーシティカップには、様々なことにチーム一丸でチャレンジしたいという想いで「FDAチャレンジ」というチーム名で参加。大会に参加したメンバーの背景や大会の感想にチームリーダーの成澤さんに聞きました。
休みの日の過ごし方が日常をより良いものにする
‐まず、FDAの活動内容を教えてください。私たちFDAは川崎市内を中心に、障がいのある方・引きこもり、生活保護受給者など、働きづらさを抱える方々の外出するきっかけ作りから就労支援、就労後の定着支援まで一貫して行っています。病気で仕事を休職・退職してしまった、不登校やいじめにあった経験などで自信が持てないなど壁にぶつかった多様な背景をもった人が利用しているのが特徴です。
‐今回の大会に参加した理由はどのようなものだったのでしょうか。
土日を楽しく過ごすことは当たり前のように考えられていますが、就労支援の観点で見た時に見過ごされがちな視点で、前回大会の報告書でもこの点をお伝えさせてもらいました。平日ジョブトレーニングで仕事に向けての準備を頑張っている人でも、休みの日を上手に過ごせず孤独感を抱えているメンバーもいるんです。 そこで、私たちの団体では、土曜日に、かき氷や納涼祭、様々なアクティビティを実施しています。「ダイバーシティカップ」は普段スポーツをする機会が少ないメンバーにとって体を動かし他団体の人と交流する場になったらよいのでは、という思いから2年連続で参加させてもらいました。
-メンバー集めはどのようにしたのでしょうか。
前回大会に参加したメンバーの多くは、幸いなことに卒業し次の就労先で頑張っているものも多くいます。そのため、今大会には、事業所の趣旨を説明し興味を持ったメンバーで参加させてもらいました。年齢的には10代~40代、背景的なことを言いますと、私自身も網膜色素変性症で目がほぼ見えていません。他には、知的障害、統合失調症、癲(てん)癇(かん)、心臓病など、本当にいろんな背景を持ったメンバーです。ここに、ダイバーシティカップの事務局から助っ人プレーヤーを2人加えてもらい試合をしました。
朝の集合からがチャレンジ
-大会はどうでしたか。まず、会場が遠いので川崎駅の集合時間が8時だったんです。普段のジョブトレーニングが朝10時スタートであることや体調に不安を抱えるメンバーが多いことを考えると、ここからが私たちにとってはチャレンジでした。「みんな無事に集まれるかな」「天気は大丈夫かな」そんな心配もありましたが、無事に集まることができ、試合前に1つのチャレンジを成功できたわけです。
会場では、試合前のアイスブレイクがあって、知らない人と挨拶をしたり、ハイタッチをしたり、追いかけっこをしたり、普段とは違う環境、違うメンバーでの交流でした。緊張していたメンバーも多かったのですが、「●●県出身の人集まって~」「靴の色似ている人で座って~」など、共通する点を探す遊びを交えてのアイスブレイクが楽しかったですね。
これらのチャレンジを終えて、ようやく試合になるわけですが、いくつかの試合を勝つことができました。勝てたことはもちろん嬉しいのですが、私たちにとって一番うれしかったのは、チームのメンバー全員がコートに立って試合を楽しめたことです。勝負事なので勝ちたいという想いは当然ありますが、身体が動く人だけ、うまい人だけがプレーすればよいのではなく、みんなハンデは抱えつつもコートに立ってプレーをする、そのことを大切にしたかったんです。その結果として勝つこともできた。それはすごく大きな自信になりました。うちのメンバーで島という女性がいるのですが、彼女1点決めたんです。本人は「嬉しいけれど、ほんとかと思った!」と言っていましたが、それは彼女が会場に足を運び、コートに立ちゴール前にいたからこそできたことなんです。結果だけでなく、そうした1つ1つのチャレンジに意味があると思っています。
-「ダイバーシティカップ」で今後チャレンジしたいことはありますか。
いろんな人がダイバーシティカップには参加しているので、点数や勝ち負け以外でも表彰をするという「ダイバーシティカップ」ならではの評価軸があっても面白いと思います。応援を頑張っている人。ファッションが面白い人。等々・・
でも、個人的に一番してみたいことは、FDAを利用しているメンバーの家族に来てもらうことです。メンバーはみんな事業所の中でジョブトレーニングを頑張っているんです。そして、ご家族はそのメンバーを家から見送って応援してくれている。だから、仕事もそうだけどサッカーや様々な場面で頑張っているみんなの表情を見てもらいたい、そんな風に思っています。
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第2回ダイバーシティカップ報告書(PDF版)
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