THE BIG ISSUE UKは、ロンドンで『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を撮影中のマーク・ハミル(1977年公開のエピソード4からルーク・スカイウォーカー役)と懇意になった。弊誌ライター、アドリアン・ロブが「銀河系大スター」と過ごした7日間のサーガ(物語)をお送りしよう。

エピソード1: 冒険のはじまり
マーク・ハミルと私の2人はリムジンの後部座席にいた。パインウッド・スタジオ(*イギリスのバッキンガムシャーにある映画スタジオ。『ジェームズ・ボンド』シリーズで有名)での撮影中、ハミルの「足」となっているディズニー社の車がロンドン市内を縦横無尽に走り抜ける。後部座席では、ビートルズのことから、ロンドンの変わりゆく人口動態、1976年ハミルがまだ無名だった頃、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の撮影で初めてロンドンを訪れた時の思い出話をした。
私のミッションはまだ始まったばかり。この1週間でハミルのお宅にあと2度もお邪魔することになるのだが、すでにこの時から最高の体験だった。
この30分前に、私はウエスト・ロンドンにある彼の仮住まいを訪ね、玄関を恐る恐るノックした。ぴちぴちの白い下着姿の彼の長男ネイサンが、ドアを開けて出迎えてくれた。一家の愛犬ミリーも興奮しながらあいさつしてくれた(ちなみに、リビングの『ダウントン・アビー』DVDセットの上にはミリー用のパスポートが置いてあった)。そこへ、地下から上がってきたのが、1977年、私が3才の頃、ダービーの映画館(もう閉館して久しい)で見てメロメロになった映画スター、マーク・ハミルだった。
少し足を引きずったゆっくりとした足取りで、隠すのを忘れていたと思われる圧縮ブーツ(これについては後で分かる)を通り過ぎ、温かい握手を求めてきた。
私がここに来た表向きの理由は、ハミルと彼のお気に入りバンド「ザ・キンクス」のデイヴィス兄弟(レイとデイヴ)との対談を録音するためだ。この時の模様は人気漫画家マーク・ミラーをゲストエディターに迎え、本誌に掲載された(The Big Issue UK 2016年4月20日/27日掲載)
私たちの会話はそれよりもずっと長いものになった。ハミルはしょっちゅう 「スター・ウォーズの話はしたくない」と言い張るけれど、それももろもろのエピソードが飛び出すまでだった。
エピソード2: スター・ウォーズならぬスター・カーズ
やあ、久しぶりだな!
蝋人形館「マダム・タッソー館」のショーウィンドウに飾られた、かつての相棒C-3PO(*スター・ウォーズに登場するドロイド)に手を振りながら呼びかけるハミル。
私たちを乗せた車がメリルボーン地区に入ると、ハミルはドーセットスクエアの小さなアパートに住んでいた1976年当時、メリルボーン駅で経験したデジャブ(既視感)について語りだした。
あれは経験したことのないデジャブだった。どこなのか思い出せなかったけど見たことあるなって。そしたら、スター・ウォーズの写真ディレクターだったジル・タイラーが、映画『ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!』の前半を撮影したのがここだって言うじゃないか。女の子たちが叫んで走り回ってたあれさ。あの映画、50回は見たからね。
ハミルの隣に座り緊張する私と同じくらい、レイ・デイヴィスとの対談を控えたハミルは緊張していた。顎ひげをとかしながら、最初の言葉を練習し、用意した何枚ものメモを読み返していた。
インタビュー会場があるハイゲート(ロンドン中心部カムデン・ロンドン特別区にある地区)のパブに向かう途上、カムデン・タウン(同特別区にある地区)を通過した。1979年、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年公開)の撮影中にここで息子のネイサンが生まれたと教えてくれたが、その病院はもうなかった。
2016年現在、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(エピソード8)を撮影中のハミルのそばには、妻のマリロウと娘のチェルシーが一緒だ。
ひとりになることはほとんどない。僕は大家族育ちだからね。
私たちの会話はビートルズからローリング・ストーンズへと移り、また違う思い出話しが始まった。
『帝国の逆襲』のNYプレミアにミック・ジャガーが来たのを知っているかい?席がなくて通路に座ろうとしていたところ、誰かが席を譲ってくれたとか。ミック・ジャガーがこの僕を見にきたんだよ!
多くのあこがれの人たちが 『スター・ウォーズ』 で彼を見るということに、ハミルはいまだに興奮する。
1作目(『エピソード4/新たなる希望』)はせいぜい、ごく一部のマニアにウケる作品だろうと予想してたハミル。最初のオーディションを思い出して言う。
オーディションの時、主役はハリソン・フォードだろうと思ってた。僕と違い、大人びていてかっこよかったからね。僕はせいぜい彼の仲間かなって。撮影オーディションで読み合わせした時も、迷惑をかける僕とは違って彼はすっかりキマってた。
1976年当時にフォードと初めて読み合わせをしたシーンは、今でも鮮明に覚えている。
デス・スター(*「スター・ウォーズシリーズ」に登場する架空の宇宙要塞)に接近していて、オビ=ワン・ケノービもチューバッカもいない、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とルーク・スカイウォーカーだけの場面だった。あの時からユーモアを感じてたね。
その時のセリフはハミルの頭に刻み込まれ、40年以上経った今もすらすら言える。
“But we can’t turn back, fear is their greatest defence. I doubt if the actual security there is any greater than it was on Aquilae or Sullust and what there is most likely directed towards a large-scale assault”
(引き返すなんてとんでもない。恐がったらヤツらの思うツボさ。セキュリティはアクイラやサラストと変わらないだろうけど、迎撃体制ができてるだろうよ。)
オーディションでの戸惑いを思い出すよ。一体、この作品はパロディーなのかシリアスなのか?『フラッシュ・ゴードン』をメル・ブルックス(*)風にパロディ化してるのか、分かってなかった。オーディション前にハリソンに聞いたんだ。「これはコメディなのか? どう思う?」って。
*『フラッシュ・ゴードン』:アメリカのSF冒険をテーマにした漫画。1980年に映画化。
*メル・ブルックス: 「コメディ映画の巨匠」として知られるアメリカの映画監督、脚本家、俳優、プロデューサー。
ジョージ・ルーカス監督にも直接尋ねたそうだ。
彼はひるんで、「まあ、ちょっとやってみて、それから話そう」って。今思うと、それはその後のジョージのやり方をよく表してたよ。後にも先にも、もうその話しをすることはなかったのだから。おもしろいやり方だろ。
最近になって、ハミルは当時のオーディション映像をインターネット上で見つけた。
見始めて思ったよ。もし見るに堪えなかったら、新作への出演を断ろうとね。ウィリアム・カットとカート・ラッセルの二人、それから次がハリソン・フォードと僕が映ってた。ジョージ(・ルーカス)の当時の妻マーシアから聞いたところでは、彼らは3人組を2つ作ったんだって。プリンセス、農家の少年、パイロットの役の3人さ。候補者を混ぜるのではなく、こちらの3人組かあっちの3人組かのどちらかにしようと。
そして、彼らが選んだのがキャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード、僕の3人組だった。相性が良かったんだ。組み合わせが違ったら、うまくいかなかっただろうね。
ハン・ソロ役を断った俳優は少なくないらしい。シルベスタ・スタローンとか。バート・レイノルズもハン・ソロとジェームス・ボンド役を断ったと豪語してる…ちょっと怪しいけどね。彼がイギリス英語を話せるなら、すでにマスターしてるはず。それぞれにすばらしい俳優だけど、彼らがハン・ソロを演じてたら全く違ったものになってただろうな。
何がすばらしかったって、僕はルーク・スカイウォーカーのすべてが気に入ったんだ。すべてが納得のいくものだったし、作品のなかで完璧な存在感だろうってね。今でも思うよ、どうしてこの役が自分にまわってきたんだろうって。
この後のレイ・デイヴィスとの対談で、ハミルは次のように語っている。
ルーク・スカイウォーカーのことは自分とは切り離して見てる。僕はヒーロータイプじゃないし、飛行機に乗るのだって好きじゃない。だから彼の長所は自分とは接点がないんだ。マーク・ハミルは痛みを感じるが、ルーク・スカイウォーカーは痛みを感じない。ルークは映画のヒーローだが僕は違う。僕は痛みを感じ年も取るが、ルークは永遠にあの農家の息子なんだ。
エピソード3: ジェダイのお宅に帰還
インタビューを終えた私たちは、ちょっとの間バーをうろついた。ビールでも飲もうか?タトゥイーン(スター・ウォーズに登場する砂漠の惑星)の酒場には程遠いが、酒ならある。しばらく決めかねて、新しい主人とおしゃべりなどしてたが、結局、私たちは車に戻った。
住んでる場所は逆方向なのに、彼の家まで乗っていかないかというハミルの申し出を私はうれしく受け入れた。彼もだいぶリラックスしていたし、「映画頭」に戻りつつあった。
年老いたわれわれがデス・スターを走り回り、ぶつかってはぺちゃくちゃおしゃべりしてる姿なんて観客ももう見たくないだろう。それは若い奴らがやる仕事。ジョン・ボイエガ、デイジー・リドリー、アダム・ドライバーら新しい世代がね。われわれはもうお役御免、次の世代に譲っていかないとね。
ハミルのスタントに対する考え方も、ミレニアム・ファルコン(*ハン・ソロを船長とする架空の宇宙船)を駆け回り、彼が「ダッド・ベイダー」と呼ぶ男(アンチヒーローのダース・ベイダーのこと)と戦っていた、無邪気な若かりし頃とはずいぶん変わった。
初めは何でもかんでも自分でやりたかった。さすがにガラス窓からの宙返りは何度か止められたけど。でもスタントマンたちはそんな僕の姿勢を気に入って、彼らの組合の名誉会員にしてくれた。誰もがバッジを付与してくれるのがアメリカ社会だけど、スタントマンたちは求められている以上のことをしないと認めてくれないからね。
『最後のジェダイ』ではどうかって?昔と180度変わったね。必要ないことはもうしたくない。スタントマンで代用できるなら使うにかぎるよ。彼らはほんとすばらしいから。僕に指導してくれてる男なんて、動きも速くてなめらか、最高だ。かつらと衣装を着けて、すべて代わりにやってほしいくらいさ。
エピソード4: 新たなるおしゃべり
ハミルの家に到着すると、今回は愛犬ミリーが出迎えてくれた。家の中には(キンクスの)デイヴ・デイヴィスがいて、ハミルの妻マリルー(アメリカ人)がまともな紅茶を入れられるだろうかと不安気だった。ネタばれになるが、彼女はできた!ピージーティップスの紅茶(*スーパーで売ってる庶民的紅茶)にビスケットのお皿を添えて(マリルー、ありがとう)。
ハミルはさらにくつろいだ様子だった。デイブとは古い付き合いだから、世間話からポップカルチャー、思い出話、出だしから好調だった。数時間のあいだ、私は何をしていたかというと、犬の相手をしながら彼らの話しを聞いていた。ジャーナリズム万歳だ!
デイヴィスのサイン入りLPを数枚もらい、彼と一緒においとました。ハミルとは、もう一度、単独インタビューのためにおじゃまさせてもらう約束をして。
エピソード5: フォースならぬ茶番の覚醒
『最後のジェダイ』の撮影を控え、徹底した身体づくりに取り組んだハミル。本人いわく、「おいしそうなら食べない」式ダイエットだ。家の台所には健康食があふれている。
しかし、ランニングマシンの最中に、なんともこっけいな負傷をしでかしたのだ。『フォースの覚醒』でハリソン・フォードが腓骨(ひこつ)骨折したのに続く災難を、製作サイドは公表しなかったが。
この話しになると、いわくありげにコーナーソファから身を乗り出すハミル。実は自宅でのトレーニング中、彼にはもう1つ情熱を注ぐものがあった。英国コメディだ。お気に入りは『The Young Ones』(*1982年から84年に英国で放送されたホームコメディ)で、主役を演じるエイド・エドモンソンとリック・メイヨールの過去作品も見始めたとか。
からだを使ったユーモアがもう最高でね。ランニングマシンをやりながら『Bottom』(*エイド・エドモンソンとリック・メイヨールによるホームコメディ。1991-95年に全3シリーズが放送された。) を見てたら、実によくできたジョークがでてきて、めちゃくちゃ笑えるんだ。まだ見たことなかったなんて信じられないよ。それで、DVDを巻き戻そうとランニングマシンを止めず飛び降りようとしたら…床に転んでさ。ハリソンに次ぐ負傷を製作チームは秘密にしてほしがったけど…僕は足首を捻挫したんだ。
(DVDの)どんなシーンかって? 部屋に入ってこようとするリックに、エイドが「あっち行け」って言うんだ。もう一度ノックしても「忙しい!」の一点ばり。2,3回こんなやり取りが続いたあと、やっとドアが少し開いたと思ったら、ガスバーナーを持ったエイドの腕がニョキっと出てきて、リックの股下に火をつけるんだ!マジだよ。股下に火がつくんだ。リックは部屋の中を走り回り、しまいに火がついたズボンを水槽に入れてさ。アニメのロードランナー(*)ばりのシーンだったよ。「三ばか大将」(*)以来の乱暴さだよ。
*ロードランナー:米アニメ『ルーニー・テューンズ』に登場する、野鳥オオミチバシリをモデルとしたキャラクター。高速で走り回る。
*三ばか大将(The Three Stooges):1930-50年代に人気を博した米国のコメディグループ。
撮影中に怪我のことを黙っているのはきつかったそうだ。まあ、ハミルの半生自体、秘密めいたものだけど。
レイア姫(キャリー・フィッシャー)とルークは兄弟だと聞かされた時のことをよく覚えていると言う。
一瞬考えて、「ってことは、俺は皇族なのか?」って。するとすかさず、(レイア役の)キャリーが言ったんだ。「断じて違うわ」って、力を込めてね。
『帝国の逆襲』の批評をよく覚えている。映画の結末に驚くべき事実が明かされるってね。アガサ・クリスティ作品のように結末が大事だから、台無しにしちゃダメだって、批評家のあいだでも暗黙のルールがあったよな。
そこで彼は演劇ネタに脱線した。
『ねずみとり』(*アガサ・クリスティの戯曲)は観に行かなくちゃな。初演は僕が生まれた1952年、英語劇では世界最長のロングランを記録してるんだから。
そう言って、少し物思いにふけるハミル。
『ウーマン・イン・ブラック – 黒い服の女 - 』(*スーザン・ヒルの同名作品をもとにした演劇。『ねずみとり』に次ぐロングラン作品とされる。)はすばらしかったけど、『ねずみとり』はまだ見てなくて。アンソニー・ダニエルズ(* C-3PO役の俳優)は駄作だって言うけど、彼は『ブック・オブ・モルモン』も大嫌いだからな。まあ、アンソニーは君らが想像する以上にC-3POそのものなんだよ。彼のほうがとげがあるけどね。
「マーク・ハミルもかつてはすてきな若者だった」ってコメントしやがってさ。その後で僕に電話をかけてきて、あれは言葉がひとり歩きしてるって。だから言ってやった。「僕が40年前ほどいい男じゃないって? そんなこと百も承知さ!」
言いたいのは発言に気をつけろってこと。人は好きなように解釈するんだから。と言いつつも、実際には同感ってだけじゃなく、彼らしい発言だと思ったよ。
最近のハミルは、Twitterのハッシュタグを巧みに使ったネタバレに近い発言が目立つ。映画界の裏も表も知り尽くした者による大衆文化ツアーに参加するかのようだ。
多くの映画ファンと同じで、ハミル自身もルークとハン・ソロやレイア姫との再会シーンが少しでもあればよかったのにと思っている。

僕らにはいつまでも大切にしていたい共通の経験があるし、僕は二人とも大好きだからね。だから、もどかしかった。
昔からの友人キャリー・フィッシャーへのハミルの愛情は明らかだ。彼女の話になると表情も明るくなる。
「ハリソンやキャリーと共演するってどんな感じですか?」ってよく聞かれた。いつも、最高さって答えてたよ。正直には答えられなくて、策士になった気分がしたよ。
しかし、再会とはそもそも期待はずれに終わるもの。みなさんの記憶に応えるなんてできっこないんだから。ある意味、再会しないで賢明だったのかも。でも、全員が戻ってくると匂わせていたから、嘘をついてしまった気分だった。
もちろん、少しがっかりしたよ。だけど、その方が効果的な結末になると思った。僕のキャリアにおいても、かつてないほど手の込んだ登場ぶりだった。だって、映画界において、こんな出来事が今までにあった?
エピソード6: 失われたシーン
最初のシーンを撮影してから40年が経つが、ハミルはスター・ウォーズの「台風の目」であることをこれまで以上に楽しんでいる。
20代の頃にはできなかった視点で見るようになった。当時とは違い、広い視野で見ることができるから感謝もできる。あの時は僕にとって初めての映画だった。演劇やテレビにはいっぱい出演してたけどね。初めてあの映画に出て思ったよ、きっと全部こんな風なんだろうなって。もう夢中だった。
『フォースの覚醒』での銀幕回帰にあたり、ハミルには’慣らす’時間がたっぷりあった。セリフの負担がないどころか、最後のシーンでフードをかぶり、隠遁し、物言わぬ存在として登場するだけだったのだから。
最初からそう決まってたわけではないのだとハミルは言う。
僕たちはジョージ・ルーカスがオーナーだった頃の「ルーカスフィルム」に何度か訪れた。(*ルーカスフィルム: 1971年にジョージ・ルーカスが設立した映像製作会社。カリフォルニア州マリンカウンティにあるスタジオ「スカイウォーカーランチ」内にある。2012年以降はウォルト・ディズニー・スタジオの傘下)「年中あなたの絵を描いてます!」と言うアーティストに多く会ったけど、彼らがベースにしているのは『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』のマイケル・アーントの脚本なんだ。
その時のバージョンだと、デス・スターは海の底に沈み、その中に僕たちが必要とする手がかりがあるんだ。僕はレイ役のデイジー・リドリーと一緒にダイビング器材を着けて残骸の中にいた。すばらしかったけど、結局はぬか喜びに終わった。
(製作サイドが)設定を変えるなんて知らなかったんだ。本当に、台本を読むまで誰も教えてくれなかったから。
『フォースの覚醒』の最終脚本を読んだ時のことを思い出してハミルは笑う。
テロップの最初に出る文字は「ルーク・スカイウォーカーは消えた」。最初の2語はルーク・スカイウォーカーだったから、僕は、おお、そうなのかい!すごいぜってね。
監督(J・J・エイブラムス)には、読み飛ばさず最初から終わりまでちゃんと読んでと言われた。それが僕が最初にすべきことだった。なんにせよ、監督はすばらしい仕事をしたし、世界中の人も同感だろう。
『最後のジェダイ』の監督・脚本担当ライアン・ジョンソンがルーク・スカイウォーカーに下したほぼすべての決断に賛同できないと発言しているハミルだが、自らの間違いを認めることを厭わない。そして、新作のあらすじについては何も明かそうとしない。
別にはぐらかそうとしてるわけでも、秘密を守ることを競ってるわけでもないんだ。僕たちは皆さんに、ネット上ではなく、実際に映画を観て発見してもらいたいんだ。それが、映画のあるべきすがたじゃないかな。
ハミルとの1週間も終わろうとしていた。一緒に写真を撮ってもらうのは忘れたが、サイン入りの写真をもらっておいとました。一緒に家を出たハミルは、パインウッド・スタジオへ向かった。
全くもって同感だよ、ハミル。
これからスタントのリハーサルがあるんだ。あ、でも、スタントを使ってるなんて言わない方がいいのかな。
と笑った。
エピソード7: ハミルの逆襲
この後も、マーク・ハミルは本誌と連絡を取り合い、3ヵ月後には、レイ・デイヴィスと共に「読み聞かせと歌の夜」を開催し、ビッグイシューと「クライシス」(UKのホームレス支援団体)の資金集めに協力してくれた。9月には、THE BIG ISSUE 25周年スペシャル動画(2016年9月)にも参加してくれた。
その中で、私たちの活動をサポートする理由をこう語っている。
THE BIG ISSUE のビジネスモデルに大変感銘を受けている。ホームレスの人々に力を与えるこの活動は、すばらしいだけではなく、心を鼓舞してくれるんだ。
全くもって同感だよ、ハミル。
フォースが共にあらんことを(May the Force be with you )!
INSP.ngoのご厚意により転載 / The Big Issue UK bigissue.com @BigIssue
*この記事は2017年12月19日にTHE BIG ISSUE 掲載記事を翻訳したものです。
文:アドリアン・ロブ
監修協力:遠藤賀世子
監修協力:遠藤賀世子
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