ホームレス問題や活動の理解を深めるため、ビッグイシューでは路上でビッグイシューを販売する体験と、ビッグイシューのスタッフと販売者の講義がセットになった研修プログラム「道端留学」を学生や社会人向けに提供しています。
今回「道端留学」を体験したのは、ソウ・エクスペリエンス株式会社の3人の社員さんたち。”道端留学生“として講義を受け、販売体験をしました。
同社は誕生日や結婚祝い、クリスマスプレゼントなどの「体験ギフト」を企画・販売する会社。
『「体で験(ため)す」のが、体験。時が経ち体験した個人に内面化されると、それは経験。体験の提供を通じて個人の経験の積み重ねをサポートし、ひとりでも多くの、少しでも多くの幸せと希望を増やせるよう尽力します』というミッションを掲げています。
「今後、社会貢献活動も新たな“体験”として、取り入れていくことができたら」と、お申し込みいただきました。
当日は、ビッグイシュー日本東京事務所にてスタッフが「ホームレス問題」について講義を行い、その後、ビッグイシュー販売者(ホームレス経験者)の口からリアルな体験談をお伝えしていきます。
その後、「ホームレス(状態)の気持ち」を想像しつつ、今回の留学先「新宿駅西口」へ向かいます。あいにくの小雨模様の中、人通りが多い駅正面ではなく、出入口から少し離れた屋根のある場所で約1時間半の販売体験を行いました。
先輩販売者の西さんから販売のコツなどを聞いてから臨むものの、大都会の街中で、一人ぼっちで雑誌を掲げて通行人に呼びかけることはとても勇気が必要です。
思い切って「こんにちは、ビッグイシューです!」と声を出して販売を開始された3人。なかなか売れない厳しい時間帯もありながら、1時間半で一人1冊は売ることができました。
社員の皆さんからはこのような感想が。
「たった1時間程度の体験ですが、天候にかかわらず、多くの人からの視線を感じながら販売するというのは、決して楽な行為ではないんだ…と当たり前のことを実感する一方で、売っていくために、お手製の看板やお釣りの準備など、販売者さんが独自に地道な創意工夫を繰り返していることを知ることができたのは、貴重な機会でした。」
「私には明日を生きる金銭的、精神的、体力的余裕が今この時点ではありますが、それが不安定な状態で道端に立つことをうまく想像できたかどうかわかりません。
通りゆくひとに一瞥されるのが怖くなるかもしれないし、もしくは誰からも見向きもされないことが怖くなるのかもしれません。ただ、買ってもらえた時の喜びは、販売者の皆さんも同じかもしれないと思いました。」
「ホームレス状態となるきっかけは本当に様々で、リセットしたくなる、逃げ出したくなる、助けを求められなかった・・そのきっかけ、気持ちはとても特別なものではなく、たまたま今までの自分はホームレス状態になっていなかっただけなんだろうなと思いました。
1人でも多くの人が、ビッグイシューの存在を知り、その意味を知ることが必要だと思います。自分にできることとして、見かけたら購入すること、そして、周りの人にこの体験のお裾分けをすることを知らせていけたらと思っています。」
今回の道端留学が、新たな“体験”として参加されたお一人おひとりの日々の新しい発見や、視点に繋がっていくきっかけとなり、ホームレス状態を生み出さない社会の在り方を共に考えるはじまりとなれば、嬉しい限りです。
ビッグイシュー日本では、ホームレス問題を学ぶ講義や“道端留学”を実施しております。
詳細はこちら
https://www.bigissue.jp/how_to_support/program/seminner/
https://www.bigissue.jp/how_to_support/program/training/
当日講師役をつとめた販売者・西さんの販売場所はこちら https://www.bigissue.jp/location/sinjuku_south_busta/
(ビッグイシュー日本 販売サポート東京)
『販売者応援3ヵ月通信販売』参加のお願い
3か月ごとの『ビッグイシュ―日本版』の通信販売です。収益は販売者が仕事として"雑誌の販売”を継続できる応援、販売者が尊厳をもって生きられるような事業の展開や応援に充てさせていただきます。販売者からの購入が難しい方は、ぜひご検討ください。
https://www.bigissue.jp/2022/09/24354/
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ビッグイシューについて
ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。
ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊450円の雑誌を売ると半分以上の230円が彼らの収入となります。