2023年1月にジョセフ・ラウントリー財団が発表した英国貧困報告書「UK Poverty 2024 *1」に指摘されているとおり、英国の貧困問題は悪化の一途をたどっている。2021/22年度、困窮状態にある人は約600万人にのぼり、うち子どもが150万人、労働年齢の成人が380万人、年金生活者が60万人とされている(英国の総人口は約6700万)。


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*1 UK Poverty 2024


これを受けて、国際ストリートペーパーネットワーク(INSP)*のマイク・フィンドレー・アグニュー代表がコメントを発表した。「英国の貧困問題は非常に厳しい状況にあります。困窮状態にある人は380万人に上り、最も苦難を強いられているのは、民族的マイノリティ、障害者、ひとり親家庭など、そもそも安定しない暮らしを強いられている人々たちです。にもかかわらず、貧困の拡大を否定する人があまりにも多いと感じています。この重要な社会問題を解決していくには、ホームレス状態や貧困に陥ることへの受け止め方を変えていく取り組みが必要です」

当事者の声を反映した政策を

「メディアでの語られ方、ならびに一般の人々のとらえ方が単純すぎるきらいがあります。“生活保護は泥棒”といった心ない呼び方をしたり、貧困の行き着く先が路上生活だとか……ホームレス・貧困問題についての語られ方を変えるべきときが来ています。当事者の声に耳を傾け、学び、それらを政策に反映させていくべきです。そうすることではじめて、この問題の複雑さが理解でき、貧困下で暮らしている人々の厳しい現実にもとづいた解決策を打ち出すことができるのです」

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テムズ川沿いのリバーサイドウォークで寝ている人々/Simon Shepheard

「“ホームレス問題は政治的選択だ(Homelessness is a policy choice.)”と、各国政府の対策の遅れがよく指摘されます。英国では来年、総選挙が予定されています(2025年1月28日までに実施予定)。この問題に本腰を入れて取り組む政治的合意がつくられるべきです。ホームレス問題へのとらえ方、語られ方を変えていくことが、本質的な解決策に含まれるべきです」

INSPグローバルサミット、2024年9月に英リバプールで開催

貧困問題が世界的に拡大する中、数々の課題に正面から取り組む解決策が求められている。INSPでは、世界各地のストリートペーパー事業の代表が集まり、貧困の危機について対策を議論するグローバルサミット2024を英リバプールで9月9日(月)〜13日(金)の日程で開催する予定だ。
https://www.insp.ngo/articles/insp-impact/global-street-paper-summit-confirmed-for-liverpool-in-2024

By Mike Findlay-Agnew
Courtesy of INSP.ngo



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