最近、ゆっくりと空や雲を見つめたのはいつですか?
最後に青い空に沸き立つ入道雲を見たのは、少年・少女の頃だったかも…という人もいるかもしれません。
『ビッグイシュー日本版』314号の特集「夏、雲をつかめ」では、雲に魅せられた二人の男性、「雲研究者」と「嵐の追跡者(ストーム・チェイサー)」をご紹介。
雲を知ることで災害ゼロを目指す荒木健太郎さんと、日本で唯一の「ストーム・チェイサー」である写真家の青木豊さんに話を聞きました。
雲のタイプは大きく分けて10種類。
「虹が出やすい雲」や、見かけたらすぐ避難すべき「危険な雲」も
気象研究所予報研究部研究官の荒木健太郎さんによると、雲のタイプは大きくわけて10種類あるといいます。
雲は「空」に浮かんでいるものと漠然と思いがちですが、出現高度も異なるとのこと。
そういえば、小学校5年生くらいで「雲と天気の変化」といった単元で習ったかもしれません。
※実際の本誌はカラーです。
漢字だらけの雲の名前を覚えるのは、よほどの雲好きでないと難しいかもしれませんが、「最も楽しめる雲」と見かけたらすぐ避難すべき「危険な雲」だけでも覚えておくと、あなたの人生を豊かにし、安全に生きられる確率が高まるかもしれません。
荒木さんによると「最も楽しめる雲」とは
これが出ている日は虹色の現象が現れやすいんです。(中略)太陽や月に虹色の光の輪が見えたり、太陽の左右に虹色の光のスポットが現れる「幻日」を観測できます。
また、見かけたら頑丈な建物に入るなど避難したほうがよい「危険な雲」もあるとのこと。
・近くで積乱雲が発生している証拠
・雷雨や突風の前兆
・通過した瞬間に突風が吹く
といった雲もあるそう。
どの雲のことかは、本誌にてご確認ください。※実際の本誌はカラーです。
また、荒木さんは市民を巻き込んだ精度の高い気象予測にも意欲的。
災害ゼロの未来をめざす荒木さんの近年の世界初の取り組みも本誌314号にて紹介されています。
荒木健太郎(あらき けんたろう) 1984年生まれ。茨城県出身。気象庁気象研究所予報研究部研究官。雲研究者。 地方気象台で予報・観測業務に従事後、現職。防災・減災に貢献することを目指して、豪雨・豪雪・竜巻などの激しい大気現象をもたらす雲のしくみ、雲の物理学の研究に取り組む。 著作に「雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)」「空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑」 |
日本で唯一の「嵐の追跡者(ストーム・チェイサー)」の活動
また、特集の二人目には、ストーム・チェイサーの写真家、青木豊さんの活動を紹介。
1996年に公開されたアメリカの映画「ツイスター」を観たことがある方は想像がつくかもしれませんが、その名の通り「嵐の追跡」をする人のこと。
映画:ツイスター Trailer
広大な米国では竜巻が多く発生するため、映像を撮る人も含めると数千人のストーム・チェイサーがいるとされているようですが、日本ではこの青木豊さんだけがプロの「ストーム・チェイサー」を名乗って活動しているそう。
茨城県筑西市を拠点に、毎年4月から9月のハイシーズンにストーム・チェイスを繰り広げています。
積乱雲や雷などの激しい気象現象をひたすら追いかけて撮影する活動内容の紹介や、美しさに息をのんでしまいそうな落雷の写真が掲載されています。
その活動は「情熱大陸」でも取り上げられ、The Storm Chaser 公式チャンネルのアカウントで公開しているさまざまな激しい気象活動の様子のなかには、再生回数が20万回を超えているものもあります。
ダウンバーストの瞬間 2013年8月30日
落雷などの一瞬をとらえる動体視力を鍛えるためにバッティングセンターにも通ったり、気象学も独学で学んだりなど、嵐の撮影への熱さが伝わるエピソードが紹介されています。
そこまで青木さんを虜にした、「ストーム・チェイサー」活動の魅力はどこにあるのか、詳しくは本誌でご覧ください。
青木豊(あおき ゆたか) 1968年、茨城県生まれ。実家の写真屋、商業カメラマンを経て、フリー写真家に。07年から雷の写真を撮り始め、2012年からはストーム・チェイサーとして雷や雲などの気象現象の撮影に特化。作品は琉球大学で放電経路を探る研究の資料としても使われている。14年にはTBS系「情熱大陸」にも出演。 http://tornado.blog.shinobi.jp/ |
オーストラリアの飛べない鳥「エミュー」が走る理由も、「雲」!?
最大時速70キロ近くで走るというエミュー。
彼らがひた走る理由も「雲」という説が!?こちらも詳しくは本誌の特集コラムでチェックしてみてください。
ぜひ「雲」をきっかけに、生物本能と感性を覚醒させる夏にしましょう。
本誌314号ではその他
・スペシャルインタビュー: マイケル・キートン
・「リレーインタビュー。私の分岐点」:マザーハウス取締役副社長の山崎大祐さん
・(国際) エチオピア、矛盾する空港の光景「荷卸し中の援助食糧と輸出を待つ国産農産品」
・監督インタビュー「ヒトラー285枚の葉書」
など、盛りだくさんです。
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