ヒトが第一優先の都市は、野生の生物にとって棲みにくい環境のはず。ところが近年、東京などの街中には、これまで自然度の高い環境に棲んでいた鳥たちが生息し増えている。たとえば、60年代末にまず、ヒヨドリが繁殖をはじめ、キツツキの仲間のコゲラや“幻の鳥”カワセミ、さらに、チョウゲンボウやツミ、オオタカなどの猛禽類までが市街地に進入してきたそう。
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9月1日発売のビッグイシュー318号特集「鳥――ようこそ街へ!」では、近年都市部で見られる鳥たちの変化について取り上げています。
冬鳥だったヒヨドリが留鳥(りゅうちょう)に。鳥たちの生態の変化とは
たとえば60年代当時のヒヨドリは、10月くらいになると北方、または山のほうから飛んできてひと冬を過ごし、4月ごろになるといなくなる典型的な冬鳥でした。
それが70年代になると1年中いる留鳥になったんです。(中略)しかも、マンションの6階のベランダの植え込みに巣を作って、室内にいるご夫婦とちょうど目が合う位置に巣を作った
と話すのは、都市鳥研究会代表の川内博さん。
いったい何が起こっているのでしょうか?鳥たちの変化として、その他にもこのような例が挙げられます。
「ムクドリが戸建ての二階部分にたくさん巣を作るようになった」
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「東京オリンピック以来、幻と言われていたカワセミが80年頃から復活」
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「オオタカやツミ、ハヤブサといった猛禽類まで都市部に巣を作るように」
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「逆に、都市部にたくさんいたはずのスズメやツバメは減っている」
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これらの鳥の変化は人間の暮らしや時代の流れに適応してきた結果だと言います。そのわけは?詳しくはビッグイシュー318号をお買い求めのうえ、特集でご確認ください。
かわち・ひろし 1949年、佐賀県生まれ。都市鳥研究会代表。73年、日本大学獣医学科卒業。日本大学豊山高校や東洋大学で教鞭(生物)をとる。学生時代から日本野鳥の会東京支部(現・日本野鳥の会東京)の幹事としても活動。著書に「大都会を生きる野鳥たち―都市鳥(アーバンバーズ)が語るヒト・街・緑・水」、共著に「カラスとネズミ」などがある。 http://urbanbirds.eco.coocan.jp |
ビッグイシュー318号ではこのほかにも、
・創刊14周年スペシャル記念インタビュー:浜矩子さん
・映画『ダンケルク』の制作スタッフやキャストたちへのスペシャルインタビュー
・特別企画:映画『ボブという名の猫」原作者のジェームズ・ボーエン&ボブ×東京のビッグイシュー販売者対談
・ワンダフルライフ:「田んぼと猟を始め4年」の畠山千春さん
など盛りだくさんです。
関連バックナンバー
243号特集:「鳥になった恐竜 ― 大人の恐竜物語」
https://bigissue.jp/backnumber/243/
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