「SDGs」という言葉、聞いたことはありますか?
2015年9月の国連サミットで採択された、「持続可能な開発目標」のことで、①世界の貧困をなくし、②持続可能な世界を実現することをめざすことを目標としています。
「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓い、2016年から2030年までの国際社会の目標として17のゴールを設定しており、そのゴール達成に向けては社会課題の最前線で活動するNPO/NGOの活躍が期待されています。
これまで、『ビッグイシュー日本版』の誌面でご紹介をさせていただいてきたパナソニックのNPO/NGO支援。創業者松下幸之助氏はかつて、企業の社会的使命として「貧困がこの世に存在することは罪悪であり、何としてもなくしてなければならない」と語られています。
同社の企業市民活動では、「新興国・途上国における絶対的貧困はもちろんのこと先進国でも相対的貧困の深刻化により格差が広がりつつあるなど、その課題解決に向けた取り組みが急務となっている」との認識から、SDGsが掲げる貧困のない社会づくりへの取り組みを決めたそうです。
そして、2001年度より続いてきたNPO/NGOへの組織基盤強化の助成のプログラムを2018年度から「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」と刷新し、国内外の「貧困の解消」に向けて取り組むNPO/NGOの「組織診断」「組織基盤強化」の取り組みに助成することに。
助成金と言えばプロジェクトへの助成が多いのですが、組織本体の基盤の強化を支援することで、その団体が持続発展的に社会変革に取り組めるようにするという特徴的なものです。国内外で「貧困の解消」に取り組むNPO/NGOの方はぜひチェックしてみてください。
国連でSDGsについての合意がなされた経緯には、その前のMDGsの取り組みがあります。
2000年9月に147の国家元首を含む189の国連加盟国代表が、安全で豊かな世界づくりを目指したミレニアム開発目標(MDGs)に合意し、世界各国が取り組みました。
その結果、世界的に見ると、1日1.25ドル未満で生活する人々の割合が半減し、小学校で男女の就学率がほぼ同数になり、マラリアによる死亡者数が約3分の1減少するなど、多くの分野で進捗がありました。
一方、サハラ以南アフリカでは多くの目標で進捗が遅れていたり、また、都市部と農村部の格差や貧富の格差が拡大するなど、課題も多く残っています。(国連開発計画の調べ)
そこで、2013年には、国連総会議長主催のMDGs特別イベントが開催され、2015年の達成期限に向けてMDGs進捗を加速することを確認するとともに、2015年9月に首脳級サミットを開催して「ポスト2015開発アジェンダ」(2015年以降の開発目標)を採択することが合意されました。
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