共感を生み、人を巻き込む文章の書き方とは?「ソーシャル×ライティング」の教室@東京レポート

「“書くこと”に苦手意識を持っているNPOスタッフ」や、「職場と家の往復の毎日、このままでいいのだろうか」と感じる副業ライター志望の人…そんな人たちが、2019年4月、代々木上原で開催された「ソーシャル×ライティング」の教室に集まった。


※このイベントレポートは、この講座の受講者の有志による合作を編集したものです。 

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講師は年間70万人以上が利用する「ビッグイシュー・オンライン」の共同編集長であり、フリーランスでNPOや社会的企業の広報活動の支援をしているマキノスミヨ。

当日はNGOやNPO、福祉の現場で働く人、仕事で文章を書くことになった人、ライターとして経験を積みたい人など、定員いっぱいの15名が参加。

「書くことに苦手意識をもっているけれど、もっと活動が伝わる文章が書けるようになりたい」「ライティングを体系化して学びたい」「SNSを通してより今の活動が伝わる情報発信の仕方を知りたい」とそれぞれの参加動機を話した。

NPO・社会的企業の広報に求められる視点を体感するワーク

講座では「他人事として捉えられがちなことに対して、どのような視点で物事を伝えれば良いのか」「説得力のある文章を書くにはどのような要素を盛り込む必要があるのか」ということが、実際に例文を用いた5つのワークを用いて説明されていく。

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今回は代々木上原のイベントスペース「ラシクる」で開催。5人ずつのグループでディスカッション。なかには広島からの参加者も。

社会課題を解決しようとする活動においてどうしても陥りがちなのが「自分の目線」で物事を伝えようとしてしまうこと。それに対し、ワークでは架空のボランティア団体からのお願い文などのサンプル文章を用い、読者として感じる点を各グループでディスカッションしていく。
「団体についての説明や、支援がどのくらい必要かの詳細がなく分かりにくい」、「寄付したことでどんなことが起きるのかストーリーが欠けている」といった手厳しい意見が出ることで、参加者は、広報ライティングで配慮すべき点を実感していく講座設計だ。
ポイントをおさえることで、SNSでの応答が200倍になった実例には、会場から驚きの声があがった。

▼参加者からの声
「ワークで文章を考えることができた。他の方の意見で気づくことも多かった。」

「伝わりにくい例文を読みながら、自分も同じような目線で同じようなことを書いていたかもしれないと感じた」

「客観的な視点を意識するようになった」

「同じ内容(テーマ)なのに文章の書き方を変えただけで“いいね”が約200倍。文章の持つ可能性のすごさを感じた。」

「“伝える”ことの基本に立ち返れるワークだった。小さなNPOほどスタッフ全員が基礎知識として持っていると良い内容と思う。NPOだけでなく行政や企業の社会貢献などで広報を担当する人にとっても参考になるのではないか」

「ライターとしての仕事内容を体系的に学ぶ」ことは、発注するクライアント側にも必要

また、実際のライターの仕事の内容や流れについてもポイントが解説されていく。取材がある場合は事前にどんなことを準備すれば良いのか、文章を書く時の構成のコツ、原稿が出来上がってからの流れなど、ライターが仕事をするために必要なことを体系的に知ることができるだけでなく、発注側としてもおさえておくべきポイントも交えながらレクチャーが進む。

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講師が現場で体験したこと、オンラインならではの文章のコツなども交えつつ、質疑応答では一人ひとりの質問に対して十分な時間を取りながら解説していった。

▼参加者の声
「普段仕事でライターをしていない私にも理解できる分かりやすい説明でした。」

「全て具体的に考え方の解説をしてくださり、リスク(炎上)までカバーしていた」

「内容が盛りだくさん、でも理解しやすい」「雰囲気が温かい」参加者満足100%の理由

授業後に実施したアンケート回答者の受講満足度はなんと100%。
理由として

「内容が総論(心構え)及び各論(技術)共にカバーされ、かつわかりやすかった、知りたいと思っていたことがきちんと説明されていた。」

「全体像がロジカルに理解できたこと。また、セミナーそのもののつくりもロジカルでテンポが良く「やってみたい」「できそう」と思える内容だった。」

「実際にワークを交えながら「自分だったらどうするか」ということを考えられたので、内容が盛り沢山でも、自分の中に落とし込めながら受講することができました。雰囲気も温かく、楽しかったです。」

「記事を作る際におさえておくべきことを体系的に学べ、ワークがあったので、実践することができた。」

といった感想が挙げられた。

「ソーシャル×ライティングの教室」の次回開催

骨太なテーマで国内外の記事を扱い、発足以来の6年間で公開された記事の数は1500以上、年間70万のユーザーが利用するWebメディア「ビッグイシュー・オンライン」。”しかし社会課題やそれに取り組む人々のことは世間に未だ広く浸透していない。

この講座を通じて願うことは、「社会課題をもっと多くの人に知らせることのできる人」が増えること。

▼次回のマキノ登壇イベント

「ソーシャル×ライティング」の教室@岡山 2019年4月29日(月・祝)
https://www.bigissue.jp/event/231/

「ソーシャル×ライティング」の教室@大阪 2019年5月30日(木)
https://www.bigissue.jp/event/229/

今後も「ソーシャル×ライティングの教室」は不定期に開催するため、興味のある方は下記にご登録ください。

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