心ない揶揄に多数の“いいね”がつくようなネットの世界で、活動を正しく伝えるにはー?「ソーシャル×ライティング」の教室開催レポート

不当な扱いを受けている当事者が少数派だとか、一見しただけではわかりにいなどの問題は、多数派に届きづらい・理解や共感をされづらいゆえに解決が難しくなりがちだ。

問題の背景に触れないインフルエンサーから揶揄されたり、その揶揄に「いいね」が多数ついてしまったりするようなネットの世界で、社会課題を解決しようとしているNPOや当事者は、活動をどうしたら伝えていけるのか―。


10年以上、NPOや社会課題をテーマに月20本以上の記事を公開し続けているネットメディア「ビッグイシュー・オンライン」が、NPOの広報担当者や社会課題を扱いたいライター向けに「ソーシャル×ライティング」の教室を開催した。

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*この記事では、当日の受講者が書いたイベントレポートをベースに、今回の教室の様子をお届けします。

未経験から広報誌ライターまで…幅広い経歴

8回目の開催となる今回も、東京や大阪・奈良・兵庫など広い範囲から参加者が集まった。
今後WEBでの発信を検討しているという若手の社員、兼業農家で広報活動にも力を入れたい社会人、民間企業の広報媒体から仕事をもらっているが、地域活動なども取り上げていきたいライターなど、様々な経歴だ。

講師は「ビッグイシュー・オンライン」共同編集長のマキノスミヨ。前職では民間企業で何千万円もの予算をかけるネットマーケティングやコミュニティ運営に携わり、数十万人のユーザーに向けてメルマガの配信などを行ってきた経験などから、民間企業としての読者とのコミュニケーションも踏まえながら、NPOやソーシャルな活動を伝えるためのポイントについて、「NPOが陥りがちな失敗を含むサンプル原稿」を使ったグループワークを交えて解説を進めていく。

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ネット上のホワイトボードで意見交換をしていった


▽参加者の声より
“記事について感想を言い合うことで、自分では気づかなかった視点に気づくことができた”
“多くの人々は社会問題を認識しておらず、興味もない。興味がないものは、そもそも情報としてすら認識されない、という視座が大切だと感じた”


同じテーマでも書き方ひとつで反応が200倍に…

講座では、講師の前職での経験も含め、実際の数字や生々しいトラブル体験談も用いる。
たとえば「同じ内容の記事でも、書き方を変えることで、いいねやシェア数が劇的に変わる」というテーマではBefore/Afterで効果が200倍になった事例や、「一見しただけではどこが悪いのかわかりにくいが、クレームとなってしまった事例集」などが紹介され、どの参加者も「なかなか聞けない、現場ならではの声」と興味深そうに聞き入っていた。

この講座の特長のひとつに、講師への質疑応答や他の受講者の声を聞く時間がたっぷりと用意されていることがある。

今回の参加者の関心の目玉であった炎上リスクに対する心構えや対処方法についても、類似セミナーは数あれど、実際の炎上対応経験者である講師から生の声が聴ける場は少ないとあって、何名もの参加者が「炎上のエピソードが勉強になった」と感想を述べた。

他にもライター側・発注者側ともに各フェーズでおさえておきたいチェックポイントの解説や、参加者特典としてチェックシートの配布・課題添削もついているこの講座は、「盛りだくさん」「実践的な内容」と毎回満足度が100%に近い。


▽参加者の声より
“普段聞けないような細かなところも聞けて、大変よかった”
“質問コーナーや感想を言う時間が多くとられ、それに対しての応答なども丁寧だった”


次回の講座はSNS・メルマガでご案内

次回は開催が決まり次第、ビッグイシュー日本のサイトやSNS・メルマガでお伝えしていくので、NPOの広報担当者や社会課題を扱いたいライターの方は下記をフォローいただきたい。

イベント一覧
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サムネイル:ST.art/iStockphoto