ホームレス状態の人々とその愛犬の「写真ライブラリー」ーー。犬は時として“ライフライン”にもなりえる仲間

犬を飼っているホームレス状態にある人々への否定的なイメージを取り払うために、英国の「センター・フォー・ホームレスネス・インパクト」と「ドッグ・トラスト」がパートナーシップを組み、彼らと愛犬のいきいきした姿を捉える写真ライブラリーを開設した。

※この記事は2023-12-01発売の『ビッグイシュー日本版』468号からの転載です。

ホームレス状態にある人々が犬を飼うことは、寂しさや孤立感、憂うつを軽減するなど、数多くの恩恵がある。しかし、犬を飼っているとホームレス支援へのアクセスが制限され、ホームレス状態が長引くという見方もある。実際、ドッグ・トラストが最近行った調査によると、ホームレス支援団体の70%が利用者に愛犬がいるために住宅支援などを提供する上で障害を経験したと答えている。ペットか家かの選択を迫られた結果、中には自死した人も存在する。

こうした状況を受け、ドッグ・トラストでは「ホープ・プロジェクト」を立ち上げて、ホームレス状態にある飼い主を支援している。ホープ・プロジェクトは、住宅提供者が犬に対してより友好的になる手助けをしたり、飼い主が現在ホームレス、あるいはそうなる危険性がある場合、犬に対して無料で医療サービスを提供。また、犬に友好的なホームレス支援をオンラインで紹介している。

愛犬ストームと一緒に写真に納まったケイランは、ペットの大切さをこう語る。

「これまで何度かつらい時がありましたが、ストームが私を励ましてくれました。ストーム自身は、自分がどんなに助けになっているのかは気づいていません。ストームがいて一緒に散歩し、話をする相手になってくれるだけで十分です。私が退屈したり、寂しがったりしていると、ストームは私の気持ちがわかるみたいです。まっすぐに私の方へ飛んで来て、身体をすり寄せます。少し落ち込んでいたり、ボーッとしたりしていると、私を喜ばせようと芸をしてくれるんです」

ケイランと愛犬のストーム。2年前、保護センターにいたストームをケイランが引き取った Photos: Centre for Homelessness Impact

「ペット・パートナーズ」の臨床研究部長ジェニー・スタビスキー博士は言う。「ペットとの絆はレジリエンス(厳しい状況からの回復)を高める力をもっていることが証明されています。ペットを飼うホームレス状態にある人々は、ペットのいない同じ境遇の人々と比べて、うつになったり寂しさを感じる度合いが低いのです。このことはペットがいかに人の心の支えとなって、他者とのつながりを促す存在であるか、その役割の大きさを示しています」

ホープ・プロジェクトのスタッフであるラディ・イワノフは次のように語っている。

「センター・フォー・ホームレスネス・インパクトと協力して、私たちが支援している人々とその愛犬の写真をコレクションに加えることができて感激しています。犬は時として、ホームレスを体験している人々にとってのライフラインになりえます。犬は彼らの心身の健康や回復に不可欠な仲間なのです。ホームレス状態にあって犬を飼っている人は、よく自分のニーズよりもペットのニーズを優先することもあります。ホームレスの人々が犬を飼うことに対する負のイメージを、これらの写真が取り払う助けになってくれることを願っています」(Stacey Kelly/CHI/INSP/編集部)

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