様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら

福島県で活動をする3つの団体から結成されたFYO、フリースクールの運営や若者支援、被災者や障がい者の仕事づくり、学びの場づくりにチャレンジしている。ダイバーシティカップには団体や、スタッフと利用者という垣根を超えて参加。チームリーダーのりょうさん、メンバーのなっちさんに大会に参加しての感想を聞きました。

大会への参加の形も多様!

‐大会参加までの経緯を教えてください。
(りょうさん)第1回のダイバーシティカップに参加して楽しかったので、また参加できればと思い3つの団体(ビーンズふくしま、交流サロンしんせい、四つ葉学舎)に声をかけました。

真面目な話になってしまうのですが・・若者支援の現場にいると団体の代表者同士は知り合いでも、スタッフや利用者間の交流って思うほど多くないんです。でも、みんな熱い想いを持っているし、似た境遇の中頑張っている。そうした1人1人が繋がっていくことって生きていくうえでとても大切なことだと思っていたんです。ダイバーシティカップは、そうした体験を小難しく議論するのではなく、サッカーというツールを使って楽しくできるので面白いなと思いました。

(なっちさん)私は昨年の大会に友人が参加していて、話を聞いてなんとなく面白そうと思っていていました。今年はその友人とりょうさんから誘われて、運動不足だったし、新しいことや場にもチャレンジしたいと思っていたので参加してみることにしました。でも、私含めて、運動不足の人が多いので3回ほど集まって大会に向けて練習をして大会には臨みました。

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-FYOは、オリジナルTシャツや横断幕、鳴らし物もあって印象的でした。
(りょうさん)ダイバーシティカップは日本語にすると「多様性」という意味だと思うのですが、大会への参加の形も「多様」にできたら良いなと思いました。自分たちのチームはTシャツを作ったのですが、シャツに刺繍をミシンで縫っているんです。それは、双葉八町村から避難している方が作ってくれました。他にも、練習中に怪我をしたメンバーがいて、横断幕にメッセージを書いてくれたり、みんながみんな元気でフットサルをできるわけではないので、体調的に大会に参加できない人でも大会に参加するプロセスを一緒に楽しめたらと思いました。

-大会でチームとして大事にしていたことがあるそうですが。
(りょうさん)チームのコンセプトとしては、「勝つことだけにこだわらず楽しみたい」と思っていたんです。でも、試合となるとやっぱり勝ちにこだわってしまいますね(笑)

(なっちさん)私も負けず嫌いなのでもっと勝ちたかったです。大会自体は楽しかったんですけど、もっと動けるようになりたいし、交流会でももっと他のチームの人と喋りたかったと思っています。ちょっと悔しかったですね・・。


-チーム内のコミュニケーションはどうでしたか。
(なっちさん)最初はチームのメンバーも半分くらいは知らない人だったのですが、練習をする中で徐々に打ち解けていきました。大会当日は、助人プレーヤーの田中さんが加わってくれたのですが、内心では緊張していたんです。私5年くらい引きこもっていた時期があって、同世代の男性ということで緊張してしまって・・でも、そういうのは克服していきたいし、以前はひきこもりの経験を隠したかったんですけど、今は、むしろ自分が話すことで誰かの役に立つなら話せたらなと思っています。

-大会で印象的だったことはありますか。
(なっちさん)印象に残っているのは、最後の方に戦ったチームで女性も多くて楽しそうでした。試合が終わってから女性の方に「ビッグカップ優勝おめでとうございます」って言ってもらえて、私試合出てなかったのに覚えてくれてて嬉しかったです。

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つながりと縁の先に

-今後FYOとしての活動は継続していく予定は?
(りょうさん)ダイバーシティカップをきっかけに月1回の練習をやろうとなったので、定期的に練習して、11月にある宮城県で開かれる大会にようと思っています。

(なっちさん)負けず嫌いなので練習しようかなって思っています。笑 それと、先日母と話していて、なんでダイバーシティカップに出たかと思い出していました。最初は友人から誘われて、その延長で若者支援福島大会やダイバーシティカップに参加し、今も交流が続いているんですよね。だからもしかしたらダイバーシティカップに出会ったメンバーと何年後かに交流してるかもしれないと思うとわくわくしますね。

(りょうさん)わくわくするって大事だよね。ダイバーシティに絡めて言うと、参加の形を増やしたいです。スポーツが得意な人だけじゃなくて、グッズ作ったり、飾り付けしたり、模擬店を出したり、義務感じゃなくて、楽しいことをやってそれを見せびらかせていきたいです(笑)


FYO
特定非営利活動法人ビーンズふくしま
福島県福島市矢剣町22-5
TEL / FAX: 024-563-6255
http://www.beans-fukushima.or.jp/

NPO法人しんせい
福島県郡山市西の内1丁目25-2
TEL/FAX:024-983-8138
http://fkp13.jp/relationships/176

任意団体四つ葉学舎

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第2回ダイバーシティカップ報告書(PDF版)

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