様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら

野武士ジャパンと愉快な仲間たちは、ビッグイシュー販売者、元路上生活者、ボランティアさんで月2回練習をしています。今回は、プレイヤーとして参加したビッグイシュー販売者の金塚さん、山下さん、岡本さん、そして現在ボランティアとして関わっているビッグイシュー卒業生の入沢さんに大会の感想をお聞きしました。

「大会」という身近な目標の存在

—大会に参加したきっかけは?
(金塚さん)ビッグイシューの販売を始めて何日か経ったときに、事務所でサッカーのポスターを見つけて参加してみようと思いました。その時期は、第1回のダイバーシティカップが終わった直後で、大会などは意識せず練習を楽しむ感じでした。その後、12月のチャリティ大会で初めてフットサル大会に参加し面白くて、今回のダイバーシティカップがどんどん楽しみになりました。去年の10月から練習に参加を始めて、休んだのは1回。毎回欠かさずに参加しています。

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(山下さん)昔、野武士ジャパンがホームレス・ワールドカップに出ていたことは知っていたのですが、それ以降に身近で参加できる「大会」がなかったんです。それで、金塚からの誘いもあって今年の1月くらいから練習に参加するようになりました。大会が7月で半年後だったから、サッカーを始めると同時に自分の生活もステップアップし頑張りたいと思いました。

(岡本さん)僕は前に一度ビッグイシューの販売を辞めてしまって、事務所に顔を出さない時期があったんですけど、今年から復帰してサッカーの練習にも参加するようになりました。今回は雨でも販売を頑張って、サッカーを頑張ろうっていう意気込みで続けています。

(入沢さん)僕はいろんな方の支えがあってビッグイシューを卒業できたので、今回の大会は裏方として支えたいと思いボランティアしたいと連絡をいれました。今回の大会では得点板係を担当しました。暑かったです(笑)

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—大会前の練習の様子はどうでしたか。
(金塚さん)練習のあとに野武士のFacebookページを見ていたら“どっかの誰かさん”が満面の笑みでハイタッチしていた写真があったんです。自分なんですけど(笑)事務所のスタッフさんに「いい笑顔ですね!」って言われたのが嬉しくて、昔から目立つのは好きじゃないんですが、そういう笑顔になれる瞬間って悪くないなって思って、毎回の練習に参加しています。

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(山下さん)大会前、自分すごいゴールを決めていたんですよ。大会に向けては「勝つぞ、絶対シュートしてやる!」っていう気持ちでした。優勝は難しいかもしれないけど、一勝はしたいなっていう気持ちで。でもふたを開けてみたら、厳しい結果が待っていました…(笑)

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すべてが凝縮された、チームとしてのゴール

—大会はどうでしたか?
(金塚さん)どのチームも強かったです!でも、開会式で山下と前に出てチーム紹介の挨拶を300人くらいの前でしたのですが、あれはチャレンジで印象深かったですね。

(岡本さん)僕らは人数が多かったのでチームを3つに分けて交代制で出たんです。でも、最初の方は全然勝てなくて、コーチが「どうやってチーム分けしたらいいと思う?」と問いかけをしてくれ、自分は「1つを強いチームする」という案も出したんです。でも、それだと他の2チームのバランスが悪くなっちゃうし、一緒に練習をしてきたメンバーなので、もう一度みんなで話し合って、メンバーの組み合わせなど考えながら試合に臨みました。

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(山下さん)試合にはたくさん負けたけど、でも野武士大阪戦は意地を見せたと思うよ。大阪戦でのゴールは、今までの苦労すべてが凝縮された感じ。「やっと入れたな~!」って。ゴールを決めたあとみんなでハグしたのも忘れられないし印象的だったな。岡本くんのゴールもすごかった。キックインからディフェンスに当たって入っていたよね。

—交流会はどうでしたか?
(山下さん)交流会では、仕事先で挑戦してみたいことを話したり、来年も試合をしたいっていう話もあって楽しかったですね。シリアの人とも喋って、彼らも母国でサッカーやってたけど、日本はかなり暑かったみたいです。でもまた来たいっていう話も出てこれからも続くイベントだといいなと思っています。

(入沢さん)自分はボランティアとして片付けを頑張っていたので交流会は参加できませんでした(笑)

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大会後に見えてきたチームの輪郭

—今後に向けては?
(山下さん)ディフェンスを強化したいですね。もっとチームプレーをしておかないと、パスが通らないから、チームとしてのレベルを上げたいです。負けるのは悔しいですね。試合後、金塚と語り合いました。悔しいよなって。僕個人としては、パス練習をしたり、もっとまわりを見てプレーできるようになりたいです。試合中は熱くなって周りが見えない部分もあったから、冷静になって周りを見るように頑張りたいと思っています。

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(金塚さん)自分が個人的に感じたことは、大会の前後を比較すると、大会後の方が“チーム”ということを意識するようになりました。「チームがどうだ、どんな練習しよう」といった話し合いも増えてきていて良いことなのかなって思っています。今は練習で息が上がる場面もあるので走り込みをしたいですね。

(岡本さん)僕はループパスが好きなんですが、これからはまわりをうまく使っていこうかなと思っています。攻めだけでなくディフェンスも強化していきたいですね。

チームとして、個人として次のステップへ

—新しいチャレンジで何かやってみたいことはありますか?
(岡本さん)大阪と練習試合をしてみたいです!でも対戦だけでなく交流もしたいのでミックスゲームもしたいですね。

(金塚さん)大阪との試合もいい意見だね。先日のFCさぽうととの合同練習も面白かったんです。自分たちのチームの練習だけだと外の様子がわからないから、他のチームとやるっていうのは世界が広がっていいと思うんです。

(山下さん)あとはチームとして「どこ目指してるの?」ということを考えていきたいですね。もちろん来年もダイバーシティカップがあったら出たいですが、大会だけでなくチームと個人としての目標を考えていきたいです。

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—来年に向けて、サッカー以外でも目標はありますか? (山下さん)今できることをコツコツとやることが次につながると信じているんです。生活については、まずは家を探すことですかね。実は自分昔こんなに笑顔でいられなかったんです。でも、金塚から大らかさや笑顔でいることの大切さを学んだんです。一緒にボールを蹴っていたら性格が似てきのかもしれません。(笑)

(金塚さん)似ていますかね(笑)自分も安定した住まいを得たいですね。フットサルは地道に続けていきたいです。

(岡本さん)自分はまだ先のことは考えられていないので、まずは今の状況で1日1日を頑張りたいです。

(入沢さん)自分はアパートに入れているんですが、もっと安定した生活をできるようになりたいです。ダイバーシティカップは、今回はボランティアとして参加したので次回は選手としてもう一度チャレンジしてみたいですね。
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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

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