仲間と楽しさ・嬉しさを共有する、新しいフットサルの形:文化学習蹴球団(「ダイバーシティカップ」報告書より)

様々な社会的背景・困難を抱えた人たちを対象にしたフットサル大会「ダイバーシティカップ」の第二回報告書より抜粋をお届けします。(インデックスはこちら

文化学習蹴球団は、若者の学習支援や居場所づくり、就労支援を行うNPO法人文化学習協同ネットワークの交流スペース「Link(リンク)」に通っているメンバーで構成されたチームです。今回は、メンバーのハヤサキさん、ニイノさん、加藤さん、中村さんに大会の感想をお聞きしました。

みんなで行ってみたら、意外と楽しかった

—定期的にフットサルをしていると聞きましたが、大会への参加はどのようにして?
(ニイノさん)去年の12月くらいに、他の団体と合同でフットサルをする機会があるということで、Linkのみんなで参加して、そこから月1回みんなで参加するようになりました。僕は中学でサッカー部を途中で辞めてしまったんですが、10数年ぶりにやったサッカーが本当に楽しかったんです。レベルが高いわけではないし、経験者も少ないけど、とにかく楽しい。なのでこういう大会に出られたら楽しいなと思って参加しました。もう一度、自分にチームを持てたというのもすごく大きかったです。

(ハヤサキさん)僕はもともと運動するのが苦手で、みんなが行くっていうので行ってみたら意外と楽しかったです。下手なりに少しずつルールも覚えながら、楽しんでやっている感じです。

(中村さん)僕はフットサルが得意ではないけど、身体を動かすのが嫌いじゃなかったので行ってみました。月1回の練習ではフットサルの後に交流会の時間もあって、今日のフットサルどうだった?とか、お互いの近況報告するんです。そこでは自然と会話が生まれて、大会でも他の人と一緒にやれたら楽しそうだなと思って参加しました。

(加藤さん)僕はサッカー経験がないんですが体を動かすのが好きで参加しています。大会の話をきいて、楽しそうだと思って参加しました。ダイバーシティカップのコートはいつもの練習場の倍の大きさがあって、ちょっとハードでしたね(笑)

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—大会はどうでしたか?
(ニイノさん)大会は相手が強くて大変でした。でも僕が一番嬉しかったのは、僕がアシストして中村くんに点を決めてもらえたことですね。

(中村さん)あれは僕としても嬉しかったですね!その瞬間のことはしっかり覚えています。

(ハヤサキさん)僕としては、自分のプレイで精一杯で、周りを気にしてプレイすることはなかなかできなかったのですが、でも、勝ち負けよりもみんなで大会に参加してサッカーをやれたということはすごくよかったなって思います。

(加藤さん)僕はインシャッラー戦で怪我をしてしまって…。怪我しないような体づくりをしてから出たいですね。今日から牛乳たくさん飲みます(笑)

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自分がやりたかったスポーツは、こういうのだった。

—皆さんにとってフットサルの機会とは。
(ニイノさん)僕らがいつもやっているフットサルは誰も点数を数えてなくて、どっちか勝ったかも誰も気にしてないんです。上手くなろうとか強くなろうっていう目的はなくて、とにかくプレイすること自体をみんなが楽しんでいて、「スポーツって本来こういうものだよな」って感じています。僕は中学で部活を辞めたとき、サッカーが全然楽しくなくなってしまったのですが、本当はこういうサッカーがしたかったって、ここで見つけられたような気がしています。だから、今はいかにみんなで楽しくプレイできるかっていうのを考えてやっているし、そういうサッカーの場に出会えたことがすごく嬉しいですね。みんなにも感謝しています。

(ハヤサキさん)みんなで「楽しい」とか「嬉しい」とかを共有できるのがいいなと思っています。普段ここ(文化学習)でやっていることは、コミュニケーションを上手にできるようになるとか、わからないことを聞けるようになるとか、次のステップに向けてのトレーニングのような感じなので目的がちょっと違います。フットサルはみんなで「楽しいよね」って共有できるのがいいですよね。

(中村さん)普段は話させないメンバーでも、フットサルだと自然とハイタッチしたり、そういうところが楽しいなって思います。日常生活ではいきなりハイタッチすることなんてありませんから(笑)大会ではかなりボコボコにされてしまったので、次回大会があるとしたら、楽しみながら勝つための練習もできたらいいなって思っています。

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第2回ダイバーシティカップ報告書(PDF版)

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