ひきこもりや長期の就労ブランクなど、さまざまな事情から働きづらさを抱える人の就労を支援してきたユニバーサル就労ネットワークちば。中間的就労の仕組みと、新設する「チャンス創造ファンド」について聞いた。

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鈴木由美さん


*ビッグイシュー・オンライン編集部より:本誌連動企画として、「中央ろうきん若者応援ファンド」の特集記事をお届けします。

[この記事は「中央ろうきん若者応援ファンド」の提供でお送りしています]

心身の状態やできることに応じて4段階の働き方を提案

団体の母体である社会福祉法人生活クラブは、働きづらさを抱える誰もが、その人らしく働ける「ユニバーサル就労」の仕組みをつくってきた。
ニートやひきこもりの若者に法人内の介護事業所などで中間的就労を提供してきましたが、こうした働き方がさまざまな人に有効なことがわかり、一般に普及していくために2014年にNPO法人として独立しました。
と、ユニバーサル就労ネットワークちば事業責任者の鈴木由美さんは説明する。
たとえば介護施設なら清掃や高齢者の見守りなど、各事業所で無資格でできる仕事を発掘し若者の雇用に結びつけてきました。
今、約40ヵ所の事業所で約70人が中間的就労で働いています。
具体的には「心身の状態やできることに応じて無償コミューター(通勤する人の意。雇用契約は結ばないものの、これからも通い続ける被雇用者になる可能性を込めて、こう呼んでいる)、報酬が出る有償コミューター、最低賃金保障職員、一般賃金職員という4段階の働き方を提案。目標をクリアしたらステップアップしていく」という仕組みで、生活困窮者自立支援制度の就労訓練事業のモデルの一つにもなった。

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介護施設での就労体験の様子

7年ひきこもっていた29歳の男性が、就労体験メニューから就職

これとは別に、体験に特化した就労体験メニューもあり、それを経て就職につながった若者もいる。
大学卒業後7年ひきこもっていた29歳の男性は『30歳までに就職したい』気持ちがあるものの、初めての面談では不安で震えていました。
そこで人・物・情報にかかわる仕事を1ヵ月ずつ経験してもらおうと、高齢者施設、生協の倉庫、コミュニティカフェで就労体験したところ、工夫して物をつくる作業が得意だとわかり、ハローワークに併設する若者用相談窓口『ジョブカフェ』に通って製造業に就職しました。


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得意不得意を理解するためのテストツールの一つ。これだけでもたくさんのことがわかるという。


就活の経費から初任給が出るまでの通勤費も含め、一人最大約15万円の給付金を出せるようにしたい

この就労体験への参加自体は無料だが、体験先までの交通費は往復1000円以上かかっても自己負担。
親との関係が悪かったり、困窮世帯などで負担が難しい若者に参加を勧めることはできず、利用者の30%しか就労体験を活用できていない状態でした。交通費があれば就労体験という選択肢も増え、その後の就労の質の向上にもつながります。 
そこで、中央ろうきんの助成を活用して「チャンス創造ファンド」を設立。
今年3月までに、スタート資金100万円の寄付を集める計画だ。協力企業への声かけのほか、「寄付につながるホームページづくり」も同時に始めた。
行政やNPOの就労支援者の意見を聞き、就労体験だけでなくハローワークや面接に通う交通費、就活に必要なスーツなどの経費、初任給が出るまでの通勤費も含め、一人最大約15万円の給付金を出せるようにしたいと考えています。相談員とともに給付申請書を書きながら伴走支援をするイメージです。
この仕組みを松戸市と千葉市で確立後、県全域に広めたいと話す鈴木さんだが「千葉県は広いので、地域によっては『交通費より、利用者の送迎ができるバスのチャーターが望ましい』という声もあるため、さらに検討が必要」という。
就労体験や中間的就労の仕組みは、本人にとって具体的な就労イメージが作り出せる貴重な場。将来的には、全国に同様の仕組みが広がることを願っています。 

NPO法人 ユニバーサル就労ネットワークちば
社会福祉法人生活クラブより、2012に任意団体として独立。14年にNPO法人として認証を受ける。千葉市を拠点に、働きづらさを抱えるすべての人が社会の中で居場所を見つけ、安心して仕事をし、暮らせるような就労支援を行っている。

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★Web:http://uwnchiba.net

★ 「チャンス創造ファンド」への寄付を募集しています。1口1,000円~。
〈振り込み先〉
ゆうちょ銀号 口座番号:00140-4-587728
加入者名:トクヒ)ユニバーサルシュウロウネットワークチバ


■「中央ろうきん若者応援ファンド」は、家庭環境や経済状況、病気や障害などの社会的不利・困難を抱え、不安定な就労や無業の状態にある若者の自立支援に取り組む団体を応援する助成制度(2014年10月創設)。
http://chuo.rokin.com/about/csr/assistance/youth_support/
■ 中央ろうきん社会貢献基金について
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■「中央ろうきん」って?
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