ビッグイシューに力を貸してくださるボランティアには、美容師、看護師、整体師、コーチングトレーナーなど、仕事で培った経験・スキルを提供してくださる方もたくさんいらっしゃいます。
例)「ホームレス状態で困ること」例5つ&その解決をサポートするボランティアの人々

こういったスキルを活かしたボランティアに、株式会社プラグさんが名乗りを上げてくださいました。

これから「ビッグイシュー×プラグ プロボノプロジェクト」の製作日誌をお届けしていきます。

--
 こんにちは。ビッグシュー日本東京事務所の長崎です。
株式会社プラグのご協力を得て2017年秋から進行中の「ビッグイシュー×プラグ プロボノプロジェクト」の製作日誌を担当することになりました。

本プロジェクトは2018年2月までの約4か月間のプロジェクト。初めてのことばかりで、(もしかしたらプラグのみなさんも)期待と緊張を胸にしてのスタートです。

「“プロボノ”って何?」「“プラグ”ってどんな会社? ビッグイシューとどんなことをやるの?」「自分にも“プロボノ”できるかも!」
みなさんの“?”や“!”も一緒に、このプロジェクトのゴールを見届けていただけると心強いです!

※プロボノとは?
プロボノとは、ラテン語の“pro bono publico(公共善のために)”の略のことで、金銭的支援だけではなく社会人が仕事を通じて培ったナレッジ、スキル、経験を活かして様々な支援を行う社会貢献活動全般を指す言葉です。(株式会社プラグサイトより


この製作日誌は、プロジェクトの進捗に合わせて随時更新していきます。
今回は、プロジェクト発足から、2017年12月現在までの記録です。
更新情報は、ビッグイシューのfacebookやTwitterでお知らせしていきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
では、製作日誌、スタートです!


2017/9/19 プラグの方々が来社
株式会社プラグ代表取締役副社長・坂元さん、リサーチ部・笹川さんがプロボノプロジェクトのヒアリングのため来社。
事業の核となるリサーチとデザインの力を活かした社会貢献プロジェクトの2年目の候補の一つとして関心を寄せてくださっているとのこと。昨年のプロジェクトもご紹介いただきながら、坂元さんからは、プロボノの取り組みや貧困問題への想いをお聞きする。
ホームレスの人の若年化、販売者数の減少による販売冊数の減少といった、現在の課題や状況、力をお借りしたいことなど、率直にお伝えした。

今年のプロボノプロジェクトは入社1-2年目のスタッフが主体となって取り組むとのこと。自分の社会人1-2年目の頃を振り返ると目の前の仕事でいっぱいいっぱいだったけれど、その時期に、自分の仕事と社会とのつながりを考えながら自分たちが中心となって仕事ができるのは貴重な経験になりそう。
1時間ほどながら、一緒に仕事をさせていただけることになるといいなと感じる対話だった。


2017/10/24 プロジェクト実施決定!プラグを初訪問
10月初旬、「リサーチとデザインのスキルを存分に発揮しやすい」という観点から、複数ある支援先候補の中からビッグイシューを選んでいただいたとの連絡あり。嬉しくてスタッフから思わず歓声が!
連絡をいただいてから2週間後のこの日、プロジェクトチームのみなさんと初顔合わせのため、プラグを訪問。
受付で待つ間、明るくて余裕のある空間に「引っ越し先(※)、こんなところがいいですね」などと上司と話す。

▼明るくゆったりとした受付スペース
uketsuke2


クリスマス時期はこんな風になるのだそうです!
uketsuke1

▼二度見してしまったドアストッパー
door_2

▼バナナバージョンも
door_3


※参考:2017年現在のビッグイシューの事務所はこんな感じです

プロジェクトチームとサポートメンバー総勢9名の方々と、このプロジェクトの目指すところ、区切りとなる2月までの大まかな流れなどを話し合う。
気づけば3時間近く経過していた。専門職の方々の仕事の進め方に刺激を受けて、あっという間。まずは11月下旬に全国での認知度調査を行い、そのうえで、認知度や売り上げを伸ばすためのデザインの過程に進むことになった。2月までの4か月間が楽しみになる。

▼初顔合わせとなった会議
日誌写真3


まだ出会えていない読者との出会いや、販売者さんたちへの応援につながるような製作物につなげていけるように、知恵を絞りたい。

▼この日いただいた資料。プロジェクトの進め方自体も、とても勉強になる。
日誌写真4



2017/11/11 プラグのみなさん、定例サロンに初参加
月に1度の定例サロン(※)にプロボノチームのみなさんが参加。坂元さんから販売者さんたちに向けて、プロボノプロジェクトについて説明していただいた。

この日の定例サロンのテーマは、販促会議と来月のクリスマス会の実行委員決め。
再び猫のボブが表紙を飾るため、人気が見込まれる12月1日発売号(324号)の売上をさらに伸ばすアイディアを出し合う。

販売者さんからは「プレゼント用におすすめする」「“スマホでバンクナンバーが検索しやすくなりました!”というPOPを作る」「猫のボブが目立つようなカラフルなポスターを作る」など、「なるほど!」というような意見がいくつも出て、12月の発売がますます楽しみに。

クリスマス会の実行委員決めは立候補が相次ぎ、瞬時に決定!
プラグのみなさんが、楽しそうに販売者さんやボランティアさんと話されていて、ほっとする。
プロボノメンバーの方々が販売の現場を知るために、雑誌『ビッグイシュー日本版』の販売体験(道端留学プログラム)をされるので、販売者さんに協力を呼びかけた。

▼プロボノプロジェクトについて坂元さんから説明
日誌写真5


後日、プラグ連絡担当の奥田さんから「どうすればもっと売れるか、みなさん真面目に楽しくかつ建設的に議論しており非常に頼もしく感じました」とメールをいただいた。
私も同感です。

※定例サロン
販売者、スタッフ、市民の方、どなたでも参加できる場です。
新年会やクリスマス会など季節に合わせたイベント、仕事や生活に関するテーマでの話し合いなどをしています。
東京事務所では原則第2土曜日の夜に行っています。ご興味のある方はビッグイシュー基金(電話03-6380-5088またはメールtokyo@bigissue.or.jp)までお問い合わせください。


2017/11/28 道端留学プログラム@都内路上
プラグの5名が2組にわかれて道端留学プログラムを体験。先月の定例サロンに参加した2名の販売者さんに協力してもらい、表参道と市ヶ谷で実施。

▼道端留学開始前に、プラグのみなさんが販売者の上野さんと名刺交換
日誌写真6

交代で雑誌販売を体験しながら、販売者さんの販売方法、実際に買ってくださる人や道行く人たちのようすなどを丁寧に観察されていた。
ビッグイシューのスタッフからは、販売者登録初日に一緒に販売するときのことや、日々の仕事の中で感じていることなどをお伝えする。

月末が近く、1日・15日の発売日から離れているにも関わらず、90分で合計9冊販売。
プラグの奥田さん、「若い男性がわざわざ戻ってきてくれて、5冊まとめ買いでした!」
こんな強運の持ち主をメンバーにもつこのプロジェクト、この先がますます楽しみになる。

▼路上販売体験中の奥田さん
日誌写真7


各組、販売体験のあとに他の販売場所にも立ち寄り、販売者さんに簡単なインタビュー。販売場所によってお客様の傾向が違うことや、販売者さんがそれぞれに工夫をしていることを感じ取っていただけたようす。
ビッグイシューの事務所に戻り、短時間ながら今日の振り返り。感想や質問が次々に飛び交い、予定時間を過ぎてしまう。


2017/12/7 プラグにてワークショップ
ビッグイシュー日本大阪事務所のスタッフも合流して、プラグを訪問。
11月下旬実施のネットリサーチの分析結果の共有と、製作物を届ける対象やデザインコンセプトを定めるためのワークショップを丸一日かけて行う。
ネットリサーチの分析結果では、にわかには信じがたいような内容もあり、驚いたり喜んだり。思わずと同僚たちと目を見合わす。

プラグのある神保町は、おいしいお店がたくさんあるということで、オリジナルのランチマップまで準備してくださっていた。ぎゅっと中身の詰まったワークショップの合間にほっとできる心遣い。午後の部のための準備で残る方もいて、後ろ髪をひかれつつも、お昼に出るプラグチームの方と一緒にスープカレー屋さんへ。おすすめのコーヒースタンドにも連れて行ってもらい、午後に向けてカフェインを注入。
午後はリサーチ結果を元に、誰に向けて、どんなものを作るかのアイディアだし。まだ出会えていない読者の方々を思い描きながら、頭から煙が出そうになりながら、6時間の予定時間を迎える。
今日だけでは答えが出ない部分は宿題としていただいて帰る。

▼ワークショップのようす
WS_2_1226
WS_7_1226

2017/12/9 プラグのみなさん、ビッグイシュー・クリスマス会へようこそ!
2日前のワークショップでお会いしたばかりのプラグデザイン部の青木さん、飯田さん、奥田さんが、11月に続き12月の定例サロン「ビッグイシュー・クリスマス会」にも来てくださった。
準備の時間から来てくださるということで、食べ物の買い出し、プレゼントに添えるクリスマスカード描きをお願いする。「楽しい感じで自由にお願いします!」とカード用紙とペンなどをお渡し。作風がそれぞれに違って、カラフルなカードがたくさんできあがる。

▼クリスマスカードが加わって完成したプレゼント
 日誌写真9


今年のクリスマス会のテーマは「笑い」。販売者さん、元販売者さん、ボランティアさんなど約50名の方が来てくださり、立川らく人さんの落語を楽しんだり、料理を食べながらおしゃべりしたり。
企画・進行を販売者さんが担当するビッグイシューのクリスマス会。ビッグイシューらしさがあちこちにあふれるクリスマス会に、プラグのみなさんに参加してもらえてうれしい。


次回の制作日誌は、プロジェクトオブザーバーとしてこのプロジェクトの当初から関わってくださっている株式会社プラグ代表取締役副社長・坂元英樹さんに、プラグが「プロボノ」に込める思いをお聞きします。
次回もお楽しみに!

「プロボノ」をするのは特別な人ではない!「有限会社ビッグイシュー日本×株式会社プラグ プロボノプロジェクト」プロジェクトメンバーご紹介(製作日誌vol.2)

社員を“プロボノ”に送り出す会社の動機とは?―「有限会社ビッグイシュー日本×株式会社プラグ プロボノプロジェクト」製作日誌vol.3

スキルを活かしたボランティア「プロボノ」に興味のある方へ


1) ビッグイシューでプロボノをしてみたい方

あなたの仕事で培ったスキルをビッグイシューにご提供いただけませんか。

募集1:在宅でもできる!テープ起こし・ライターのプロボノ募集

募集2「このようなスキルを提供できる」という会社・個人の方は、ビッグイシュー基金のボランティア説明会にお越しいただくか、ビッグイシュー日本までお気軽にお問い合わせください。

ビッグイシューに力を貸してくださるボランティアには、美容師、看護師、整体師、コーチングトレーナーなど、仕事で培った経験・スキルを提供してくださる方もたくさんいらっしゃいます。ぜひ、あなたの力を貸してください。
例)「ホームレス状態で困ること」例5つ&その解決をサポートするボランティアの人々 


2) ビッグイシューに限らず、プロボノをやってみたい方
東京・大阪を中心に、プロボノとNPOをマッチングする組織もあります。
マッチング組織がNPOの要望を聞いて審査しマッチングするので、プロボノ・NPO側双方が安心してプロジェクトを進めることができます。

マッチングをしてくれるNPOの例








過去記事を検索して読む


ビッグイシューについて

top_main

ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。