世界が滅亡しても生き残る?「プレッパー」たちの「非常時ごはん」

2020年3月、新型コロナウイルスが猛威を振るい世界が“停止”したとき、何を食べて過ごしただろう? 

多くの街が封鎖され、大半の飲食店が臨時休業となり、スーパーには食料品や生活必需品を買い込む人々が殺到。スーパーの棚はたちまち空っぽになり、企業は商品の補充に追われ、自治体は住民たちに冷静な対応を呼び掛けた。いざという時の備えの必要性を感じた人たちも多いだろう。

世の中には自然災害や金融崩壊といった大きな危機を想定して、十全な備えをしている人たちがいる。米オクラホマシティのストリートペーパー『The Curbside Chronicle』の記事を紹介する。



※以下は2020/11/03に公開した記事を加筆・修正した記事です。

写真家ヘンリー・ハーグリーブスの作品「Ready for Dinner」

世界的に活躍する写真家ヘンリー・ハーグリーブスの作品に「食事の準備(Ready for Dinner)」というものがある(2015年発表)。災害が起きて慌てる人たちをよそに、万端な準備を誇る「プレッパー(Prepper)*」と呼ばれる人たちにフォーカスした作品だ。

*戦争や自然災害など“世界の終わり”に日頃から備えている人で、米国には約300万人以上いるとされている。2011-14年にはテレビシリーズ『プレッパーズ~世界滅亡に備える人々~』が放映された。 

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ジェイソン・チャールズ/消防士/ニューヨーク州
世界が滅亡すると思う理由:火山爆発
9.11テロ時に救急隊員を務めた経験あり。

・軍用の携行食

・手動ポンプ(浴槽に飲水を貯めている)

・ラーメン

・各種缶詰

「終末の時を具体的に想定し、備えている人々に興味を持ったんです」とハーグリーブス。「米国各地にいる“プレッパー”たちにコンタクトを取り、それぞれの“終末の献立”について聞かせてもらいました。住んでる地域、生活スタイル、信仰している宗教によって中身はさまざまでしたが、誰もが“その時は訪れる”と真剣に考えていました」

テロ攻撃に備えてユダヤ教の戒律に従った食べ物を備蓄していたユダヤ教徒、大きな竜巻の襲来に備えて低炭水化物の食事とインスリンを常備している糖尿病持ちの母と娘…..個々人の嗜好や栄養ニーズだけでなく、食品流通を揺るがしかねないさまざまな事態が地域・国家・世界レベルで反映されていた。

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ジョシュ・ワンダー/市議会議員立候補者/ペンシルベニア州
世界が滅亡すると思う理由:テロリストの襲撃

正統派ユダヤ教徒。

ユダヤの戒律に従った軍用の携行食

ユダヤ人が食べる種なしの発酵していないパン

ウサギ(非常食用。名前を付けてはならない)

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ウィルマ・ブライアント/ミズーリ州
世界が滅亡すると思う理由:トルネード

母・娘ともにインスリン依存性の糖尿病持ち。

鶏肉

ナッツ

スープ

ピクルス

コロナ禍を受けて、ハーグリーブスは撮影したプレッパーたちの何人かにあらためて連絡を取り、新型コロナ危機に「備え」は役に立ったかを訊いた。

「十分な備蓄があるので全く心配に及びませんでした。備えがなかった人たちはそうではなかったようですね。仕事を失った人や生活が行き詰った人たちは、将来の生活をとても不安に感じています」

「全く心配ありませんでした。このための準備だったのですから」はっきりそう言う者もいた。

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ケレ―ネ・ビショップ/自給自足と自己防衛の教育者/ユタ州
世界が滅亡すると思う理由:金融破綻

モルモン教信者。

ワックスでコーティングされたチーズ

野菜のピクルス

真空パックされた肉類

フリーズドライ食品

パスタ

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リック・オースティン/自称“持続可能な入植者”・物書き/アパラチア山脈
世界が滅亡すると思う理由:食品流通の破綻

 プレッパー生活を始めてから健康状態が大きく改善。
・青果

家畜の肉

牛乳とチーズ

はちみつ(蜂を飼っている)

ナッツ

燻製肉

あいにく、新型コロナウイルスの影響はまだしばらく終わりそうにない。これらの写真を見て、今一度、自分の家に緊急時になくてはならないものを振り返ってみてはどうだろうか。

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ジョン・メージャー/種子ビジネス/アイダホ州
世界が滅亡すると思う理由:放射能汚染爆弾

・スプラウトの種
・食用昆虫とパルメザンチーズ
・はちみつ用に蜂も飼っている

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ワイン・マーティン/コンサルタントエンジニア/テキサス州
世界が滅亡すると思う理由:中国人による金融破綻

・キャンベルのスープ
・ピント豆
・自家製ワイン(物々交換にも使える)
・キャットフード(いざとなれば食事になる)

Ready for Dinner
https://henryhargreaves.com/Ready-for-dinner

撮影/ヘンリー・ハーグリーブス
By Whitley O’Connor
Courtesy of The Curbside Chronicle / INSP.ngo

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