(2009年12月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第133号より)
ドイツ、市民菜園から食料援助
ドイツ国内には、約600のターフェル(Tafel/ドイツ語で「食卓」の意)と呼ばれるフードバンクが存在する。スーパーや食堂などから、まだ状態のいい食品を譲り受けて生活困窮者に配るNPOだ。
最近、ブランデンブルク州などのターフェルが始めた新しい試みが話題を呼んでいる。それは、使われなくなった市民菜園をターフェルが借り上げ、そこで育てた野菜や果物を困窮者に提供するというもの。
「新鮮な野菜や果物はなかなか手に入らなかったので、受給者にとても喜ばれています」と、ターフェルのスタッフ、グレイさんは語る。これらの市民菜園では、希望すれば受給者自身も働いて、食料生産に積極的にかかわることができるという。
ターフェルの食料を頼りとしている困窮者は国内で5年前には40万人だったが、今日では100万人に増加。ブランデンブルク州内の人口7万2500人の町ブランデンブルク・ハヴェルだけで、3000人が困窮者として登録されている。
(見市知/参照:Berliner Zeitung)