(2012年5月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第190号より)





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ドイツ、フェアトレードのしわ寄せが店員の賃金に?



自然派農法の食品や、環境に配慮した生活用品などと並んで、フェアトレードのコーヒーやチョコレートの販売を行っている「ビオ・スーパーマーケット(Bio-Supermarkt)」と呼ばれる自然派スーパーの従業員の賃金が、実は小売店の協定基準を大きく下回っていることが明らかになり、物議をかもしている。

ベルリンを中心に26店舗を展開し500人の従業員をかかえるビオ・スーパーの場合、見習い1年目の給与が月520ユーロ。2年目からは600ユーロとなるが、通常の小売店での協定基準給与額は1年目が594ユーロ、2年目は670ユーロとなっている。また、協定基準でのレジ係の時給が10・65ユーロなのに対し、ビオ・スーパーでは7・50ユーロ。

ビオ・スーパーは国内で増加傾向にあるため「過当競争から値下げを余儀なくされているのが現状」と専門家は分析。またヴェルト紙は、このことがこれまで取りざたされなかった理由として「ビオ・スーパーの従業員は自分自身が高い給与をもらうことよりも、アフリカのコーヒー農園の労働者に正当な賃金が支払われているかどうかに関心がある」と指摘している。

(見市知/参照: Die Welt)